「トランスフォーマー」シリーズが装いも新たに誕生!
スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務め、過去の映画5作で、全世界での累計興行収入が43億7700万ドル(約5000億円)を突破した「トランスフォーマー」シリーズ。これまでの映画は、アクション至上主義の超大作というイメージでしたが、最新作『バンブルビー』はそこから大きくシフトチェンジし、予想外にハートウォーミングな感動作となっています。
もともと小学生以上の男の子たちから大人まで熱狂してきた同シリーズの売りは、“地球外生命体”が変幻自在にトランスフォームするド迫力のアクションシーンでした。今回は孤独な少女と、ちょっぴりドジで心優しい地球外生命体のふれあいを描く人間ドラマに主軸を置いたことで、いままではド真ん中のターゲットではなかった女の子やママたちまでも夢中になって楽しめそうです。
まさに、スピルバーグの大ヒット作『E.T.』(82)を思わせる作りなので、春休みに親子で観に行くのにはぴったりな映画だと思います。
ドジでおちゃめ!愛くるしいバンブルビーに胸キュン
本作で描かれるのは、「トランスフォーマー」シリーズのはじまりの物語。時代はシリーズの20年前にさかのぼり、舞台は1987年のサンフランシスコです。たった1人で地球にやってきた戦士集団オートボットのバンブルビーが、少女チャーリーと出会い、心を通わせていきます。バンブルビーといえば、シリーズのマスコット的な愛されキャラですが、今回は彼のおちゃめぶりがよりフィーチャーされています。
普段はチャーリーの黄色いマイカーにトランスフォームして、ガレージに潜んでいるバンブルビー。ところがチャーリーの留守中、オートボットのメカに戻り、ガレージを抜け出して、リビングに入ってしまいます。そこで、うっかり動き回ってしまったからさあ大変。壁を破壊したり、座ったソファを体重でぶち壊してしまったりと、爆笑コントさながらの展開に。
バンブルビーは好奇心旺盛で、チャーリーのペットである犬に近寄っていったりもします。また、故障していて言葉が話せないバンブルビーが、流行の歌のフレーズを使ってチャーリーと絶妙にコミュニケーションを取る姿に思わずほっこり。
監督はストップモーションアニメ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(17)で、パペットに命を吹き込んだトラヴィス・ナイト。バンブルビーに関しては、チャーリーを見つめる少しタレ目な瞳が、胸キュンです。
土屋太鳳と志尊淳が日本語吹替版を担当
家族で観るのであれば、土屋太鳳と志尊淳がアフレコを担当した日本語吹替版がおすすめです。
チャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)役の土屋にとっては、アニメ映画『フェリシーと夢のトウシューズ』(17)以来の吹替作品となり、ハリウッド実写映画の吹替えは初となりました。チャーリーにひそかに思いを寄せる隣人の少年・メモ(ジョージ・レンデボーグJr.)役の志尊は、映画の吹替自体が初挑戦となりました。
メモは偶然、バンブルビーが車からトランスフォームしている姿を目撃してしまい、大慌て。必死に取り繕うチャーリーと、慌てふためくメモ、そして愛嬌たっぷりのバンブルビーと、3人のやりとりには思わずほっこりします。
最終的に、自分を追ってきた強敵からチャーリーを守ろうと命懸けで戦うバンブルビーに思わず涙。また、最初はバラバラだったチャーリーの家族が、互いの愛情に気づき合い、絆を深めていくという家族の絆も織り込まれていて、大いに心を揺さぶられます。さらにダイナミックなアクションシーンはアトラクション感覚で楽しめるので、春休みのレジャーの1つに加えてみてはいかがでしょうか?
監督:トラヴィス・ナイト
出演:ヘイリー・スタインフェルド、ジョン・シナ、ジョージ・レンデボーグJr.、ジョン・オーティス…ほか
日本語吹替版・声の出演:土屋太鳳、志尊淳、玄田哲章、悠木碧…ほか
公式HP:http://bumblebeemovie.jp/
文/山崎伸子