【中学受験の実例】大学付属難関校合格をつかんだ勝者はどんな夏休みを過ごした?タイムスケジュールから各教科の学習法まで

中学受験生の夏休み、毎日のタイムスケジュールは夏期講習を中心に組まれている方も多いですよね。そんな中で、工夫できるのは、朝夜の過ごし方や家庭学習、リフレッシュタイムの入れ方。今回は、大学付属の難関校の合格をつかんだ先輩親子に、夏休みの過ごし方を詳しく振り返ってもらいました。夏休みならではの勉強の工夫や生活面の話など、参考になるアイディアが満載です!

男子難関校合格のSSくんのタイムスケジュール

大手進学塾に通い、塾の夏期講習をメインに夏休みを過ごしたSSくん。夏期講習はおよそ20日間。「1日のタイムスケジュール表を壁に貼り親子で共有する事で、親も子も食事や休憩時間をダラダラ引き延ばす事がなかったように思います」(SSくんのお母さん)。夏休みの1日のタイムスケジュールを詳しく教えてもらいました。

1日のタイムスケジュール

ポイント① 朝ごはん後の軽い運動でリフレッシュ

縄跳びやキャッチボールなど、運動も取り入れた

一日中、机に向かってばかりだと、大人でも心身の疲労が積み重なります。まして、成長期の子どもは、適宜、体を動かすよう意識したいもの。そこで、SSくんのお母さんは、朝ごはんの後、軽い運動タイムを設けたそうです。

「縄跳びやキャッチボールなど、軽い運動を取り入れて、心身の健康維持をはかりました」

SSくんのように、10分〜15分ほどの短時間でもOK。縄跳びやキャッチボール以外にも、「勉強する教科を変えるタイミングで、首を回したり、腕を伸ばしたり、軽くストレッチをする」「塾では、エレベーターではなく、あえて階段を使う」など、体を動かす方法はけっこうあります。

たとえ短い時間でも運動している間は、いったん勉強のことを忘れられるので、心の緊張をほぐすことにもつながります。適度に体を動かして心身のリフレッシュを図ることが、結果的に夏休み全体の頑張りを支えるのです。

ポイント② 家庭学習の時間

家庭学習の時間配分もポイント

夏休みは、自分の苦手教科や苦手分野の補強をしたり、逆に得意な教科を伸ばしたり、自分のペースで勉強できる期間です。家庭学習では、ぜひお子さんに合った「うちの子プラン」を考えて、工夫しましょう。

  • 各教科の工夫の例

国語

今までのテストで不正解だった漢字の正誤をメモ帳に書き出し、覚えたら消していく。

算数

苦手な図形の問題集に取り組む。

理科

基礎問題を一から見直す。 

社会

年号カード作り、塾の行き帰りに見てチェック。

暗記は工夫して覚える!

暗記ものでは、「1週間に一度、ことわざや慣用句を白い紙に書き出して、トイレに貼りだした」「親子でクイズ形式にしてゲーム感覚で確認した」などのやり方も、おすすめです。

こうした工夫は、子どものことをずっと身近で見守っている親の腕の見せどころです。親にとっても、わが子のためにあれこれ知恵を絞るのは、親子で受験を戦ったよい思い出になるはず。大いに工夫を凝らしましょう。

ポイント③ 塾をフル活用する

塾の先生にはわからないところはどんどん聞いた

多大な時間とお金をかける夏期講習は、フルに活用したいもの。単に授業を受けるだけでなく、過去問の正誤のチェックや独自の勉強法についても、塾の先生に積極的に相談することがおすすめです。

たとえば、SSくんは、「有名中学入試問題集」でさまざまな学校の過去問を解き、合格点が取れるかどうか、ゲーム感覚で楽しんで取り組みました。その結果について、先生からフィードバックやアドバイスされたことが、良いモチベーションにつながったそうです。

また、SSくんは社会科担当の先生と一緒に「憲法前文丸暗記チャレンジ」を行い、得意の社会に磨きをかけたそうです。

「実は、塾は悩める親の強い味方でもありますよ」とSSくんのお母さん。

というのも、夏休み中は子どもも大変ですが、親もイライラしがちです。そんなときは、塾の先生に相談するのが一番。なんといっても、 1番長い時間子どもを見てくれているのは塾の先生ですから。子どもの気になる事や勉強の悩みをどんどん相談して解決のヒントをもらいましょう。

実際、SSくんのお母さんは「先生とお話しすることで、私自身、『また一から頑張ろう!』という気持ちになれました」と当時を振り返ります。

こうした親と塾の先生のコミュニケーションは、好循環を生み出します。親があれこれ相談して、しっかり関わっている姿を見せると、先生方はさらに子どもに目配り気配りしてくれるようになるからです。

ポイント④一日の終わりに表をチェック

SSくんのお母さんが作成した表(※画像は兄弟のもの)

計画は、立てるだけでなく、確実に実行してこそ、意味があります。計画倒れにならないようにするには、まず「夏休み前に、勉強計画を綿密に立てて、表にしておくこと」がポイント。SSくん親子も、夏休み前にしっかり事前準備したそうです。

「表を元に全てのテキスト、プリントに取り組む日付を記入しました。おかげで『今日は何やらなきゃいけないんだっけ?』と悩む無駄な時間がなくなり、勉強に集中できました」SSくんのお母さん。

そして、毎晩、その表と一日の勉強の取り組みをチェック。計画が着実に進行していく様子がわかるので、表のチェックはひそかな楽しみにまでなったそうです。そうした毎日が続き、やり残しもほぼなしという素晴らしい成果を上げることができました。

このように、「計画通りにやり切った!」という達成感は、本人の自信につながります。秋以降の勉強への取り組みにも大きく影響するでしょう。夏休みに成果を上げるには、計画と実行、どちらも欠かせないのです。

ポイント⑤マンガと音楽でご褒美タイム

1日の終わりに、好きな音楽を聴いてリフレッシュした

毎日、頑張って勉強を続けていくには、適度にリラックスして、心の緊張を解くことも大切です。

そこで、SSくんのおうちでは、一日の終わりにご褒美の時間として、マンガと音楽を楽しむ時間を設けました。確かに、お楽しみタイム(OFFタイム)があると思えば、勉強タイム(ONタイム)は勉強に集中して頑張れるはず。ONOFFをはっきりさせることは、気持ちのメリハリをつけることにもつながります。

一日の中で、いつお楽しみタイムを設けるかについては、ご家庭によって違うでしょうが、SSくんのように一日を締めくくる時間帯がおすすめ。なぜなら、一日の最後に好きなことをしてリラックスすれば、気持ちが満たされて、ぐっすり眠れるからです。それが翌日の元気にもつながっていきます。

受験生親子へのアドバイス 

夏休みの具体的なアドバイスは?

夏休みを有意義に過ごし、見事、志望校に合格したSSくん。お母さんが、当時を振り返って、最後にこんなアドバイスを贈ってくれました。

「勉強面では、苦手問題について、根本的原因を突き詰めるような学習を意識しておけば良かったなと思います。たとえば、算数は問題の数をこなす事も重要ですが、できなかった問題についてどこでつまずいているのか何が抜けているのかを基礎まで掘り下げて解決するような勉強をしたら良かったと思いました」(SSくんのお母さん)

勉強を頑張り通すためのモチベーションUPの方法としては、かき氷が好きなSSくんのためにかき氷機を買って、いろいろなシロップをかけて楽しんだこと、キャンプ用のガスと飯盒を購入して、ベランダで料理を楽しんだこと、アンテナショップやふるさと納税を利用して日本各地の名産品を購入したことが地理の勉強に役立ったことなどが思い出されるそうです。

「中学受験をする子どもにとって『小学生最後の夏休み()』と言われている5年生までに、もっともっとたくさん遊ばせてあげたかったなと、ちょっと悔やんでいます。6年生の夏休みは、とにかく勉強中心でしたから」

さあ、いよいよ夏休みが始まります! 6年生はもちろん、5年生以下の受験生も、それぞれ有意義に過ごしてほしいもの。頑張れ、中学受験生! 頑張れ、お父さんお母さん! Hugkumは、中学受験の親子を応援しています。

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文/ひだいますみ

構成/HugKum編集部

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