読書感想文って「おもしろかったです」じゃいけないの? 「おもしろい」の膨らませ方にはコツがある!【Yondemy代表に訊く】

本はおもしろかったけど…言葉や文にして感想を書くのはちょっと苦手…。自由なスタイルだからこそ書きづらい「読書感想文」。上手に感想文を膨らます方法ってあるの? 読書感想文が書きやすくなるコツとは?
そんな読書感想文にまつわる悩みを解決するために、読書教育のプロである「ヨンデミーオンライン」代表の笹沼颯太さんにお話を伺うことに。読書感想文に関するお悩みQ&Aをお届けします!

今回は、「おもしろい」を原点に、読書感想文の上手な書き方のコツを教えてもらいます。読書感想文を書く上で大切な「3大要素」もご紹介。これで読書感想文がスラスラ書ける気がする!

「おもしろい」が読書感想文の大事な原点!

「おもしろい」で十分!そこから感想を膨らましていこう!

子どもに本の感想を聞いてみると「おもしろかった」とは言うものの、その先に広がる内容が思いつかず読書感想文で何を書いていいのかつまづいてしまうことがよくあるかと思います。

実際、読書感想文を書く上で「おもしろい」といった感想が出てくるだけでも十分なんです。そこに「自分」の経験や考えを当てはめていくと立派な読書感想文として仕上がっていくからです。まずは、「おもしろい」といった感想がでてきたことを褒めてあげましょう。そうすることで、自分の気持ちを言葉で表現することへの自信にもつながっていくからです。

そのあとは、おもしろいと思ったシーンやその理由、自分の経験について考えるといいだけです。本を読んで「おもしろかった」という感想は、読書感想文を書く上で大事な原点となります。その思いをベースにして感想文を膨らましていきましょう!

「おもしろい」に秘められた気持ちにぴったりな言葉を探ってみよう!

「おもしろい」という思いは、

「自分もやってみたい!」
「憧れをもった」
「心が温まった」

などと言い換えることができ、さまざまな言葉を使ってより具体的に「おもしろい」を表現することができます。

しかし、本を読んで感想を言葉で表してみようとすると、自分の気持ちにぴったりな「言葉」を見つけられない…というお子さんは決して少なくありません。そんな時は、「おもしろい」といった感想を深堀りしていくお手伝いをしてあげるのがおすすめです。

おもしろかったシーンを自分に置き換えて考えてみよう!

自分を反映して考えてみると感想文の材料集めが簡単に!

読書感想文とは、自分について書くことが主体となります。本を読んで「おもしろい」と感じた部分に自分の経験や体験談など自分の話を付け足して、おもしろいと感じた理由を探してみると、どんどん感想文の材料が集まっていきます。一度に長い感想文を書こうとするのではなく、少しずつ広げていくイメージをもって準備していきましょう。

読書感想文の3大要素は「感想・内容・自分」

「感想・内容・自分」の3点セットをつなげていくことで読書感想文がより書きやすくなります。

例えば、「運動会」をテーマにした本の場合、

自分:「おもしろい!」→「昨日の運動会のリレーで自分も1位をとったから。」

内容:「運動会のリレーで主人公が1位をとった」というシーン

感想:「来年の運動会でまた1位をとりたい!」

などと、本の登場人物と自分を置き換えて比較し、3つの要素を軸にして考えていくと読書感想文の大きな枠組みを作ることができます。この3つのポイントに、より詳しい内容を肉付けしていくと読書感想文として完成していきます。

楽しい会話から広げてみよう!

お子さんが自分で考えるのに困っているようであったら、まずはお子さんと本について会話を楽しむのがおすすめです。

「どこの場面がおもしろかったの?」
「なんでそう思った?」
「自分だったらどうすると思う?」
「登場人物は誰が好きだった?」

などと、まずは、子どもが答えやすい質問をしてあげてみましょう。

子どもが答えるのに困っている様子なら、YES/NOで答えられるものから質問してあげるのもひとつの方法です。問い詰めるように聞くのではなく、会話を楽しむことがカギとなります。子どもが抱いたちょっとした感想を拾ってあげながら、子どもがワクワクしたポイントを少しずつ深掘りしていくイメージで。

親子の楽しい会話を通して、「おもしろい」といった感想を「自分について」のストーリーと繋げていくと、自然と感想文の材料が集まります。読書感想文を書く前に、ぜひお子さんと会話を楽しんでみてください!

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◆お話を伺ったのは…

笹沼颯太 | 株式会社Yondemy代表
2023年、東京大学経済学部経営学部卒。
教育に読書を取り入れる分野で第一人者の澤田英輔氏の指導を受ける。英語多読講師の経験も活かし、大学在学中の2020年4月に中学以来の友人と「Yondemy」を起業。「子どもの読書離れ」という課題の解決に向けて、同年12月にオンライン読書教育「ヨンデミーオンライン」のサービス提供を開始。2年間で累計3500人以上の会員登録者数を誇る。

文・構成/HugKum編集部
©︎株式会社Yondemy, 2020 – 2023

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