「普通がいい」という結婚観はリスクヘッジ!？リアルな本音満載の「セクシー田中さん」【連載第1回】

クソ真面目な田中さんのもう1つの顔は、艶やかなベリーダンサー！

芦原妃名子の同名人気コミックを、木南晴夏や生見愛瑠らを迎えて実写ドラマ化した「セクシー田中さん」（毎週日曜夜10時30分～日本テレビ系で放送）。先週第1話が放送されましたが、木南さん演じる田中京子こと“田中さん”のエキゾチックなベリーダンスのシーンに圧倒されました。

会社で経理を担当している田中さんは、色気が皆無で、毎日仕事を迅速かつ完璧にこなすから「まるでAIのよう」とささやかれています。いわば“変わり者”だと思われている田中さんですが、彼女には、すごくセクシーに踊れるベリーダンサー「Sali」というもう1つの顔がありました！

この田中さんと対照的なキャラクターが、生見愛瑠演じる23歳の派遣OL・倉橋朱里です。朱里はコミュ力が高く、男性からもモテモテ。とはいえ彼女は、若さやルックスにしか自分の市場価値はないと思い込んでいるし、恋愛も頭打ち状態です。

そんな2人が出会ったことで、互いの人生に光が差していきます。明日、第2話が放送されますが、まずは前回の見どころを振り返ってみましょう。

結婚相手に望む条件の本音と建前がリアル

（以下、前回のネタバレを含みます）

高望みはせず「普通の幸せ」を手に入れたいと日々思っている朱里。でも、合コンで出会った商社マンの笙野浩介（毎熊克哉）からは、「遊び人女」というレッテルを張られ、本当は恋心があった大学時代の友人・仲原進吾（川村壱馬）からは、気軽に家に泊めてくれる「ただの友達」扱いをされています。

そんな中、自分に猛アプローチをしてくるチャラリーマンの小西（前田公輝）からの誘いに乗った朱里でしたが、あることで彼にガッカリ。その後、モヤモヤした思いを抱え、たまたま1人で立ち寄ったペルシャ料理店で、思わぬ“出会い”を果たします。そこで朱里が一目惚れしたのは、エキゾチックなベリーダンサーのSali。そう、その正体は田中さんでした！

この2つの顔を演じ分ける木南さんに驚嘆。地味で目立たない田中さんの昼バージョンと、ド派手メイクでセクシーに腰を振る夜のダンサーバージョンとのフリ幅がすごくてギャップ萌え。加えて、要所要所で笑いもとっていく田中さんも実にチャーミングでした。

また、朱里がピックアップする「結婚相手に望む条件」が、男性の前でと、自分1人の時とではまったく異なる点もクスッと笑えました。朱里の「普通がいい。最悪、不幸にならないためのリスクヘッジがしたいだけ」という本音が生々しい。女子トークでのトピックになりそうなネタが満載のドラマなので、幅広い世代が共感できそうです。

人というのはまるでプリズムのようで、誰しもが一見、正面からは見えない隠れた面を多数持っています。だからこそ面白い。その輝きを目にすると、新鮮な驚きや発見があり、それこそが人と交流することの醍醐味だなと、コロナ禍を経て強く思うようになりました。

アラフォーの田中さんと、23歳の朱里という、タイプも世代も違う2人も、少しずつお互いを知ることによって、いろんな変化が起きていくのでしょう。今後のラブコメ的な展開に期待しつつも、原作コミック同様に「自分探し」が大きなドラマの軸となっていきそうで、実に楽しみです。

第2話では、田中さんのために朱里が笙野に復讐!？

第2話では、田中さんの大ファンになった朱里が、自分も田中さんのように踊りたいと、ベリーダンス教室に通うことを決意。Miki先生（高橋メアリージュン）の指導を受ける朱里ですが、いざやってみると思うように手足が動かずに大苦戦。

また、セクシーなダンサーの正体が田中さんだと気づいた笙野は、ドレス姿の田中さんに「おばさん」「痛々しい」と無神経な言葉を投げつけます。田中さんは気にしない素振りを見せますが、ぶち切れた朱里は笙野への復讐を誓い、彼を陥れようとある行動に出ます！

今回は、田中さんや笙野の知られざる一面が垣間見れそうな予感。田中さんの影響で、少しずつ自分の価値観を変化させていく朱里や笙野にもぜひ注目してください。

文/山崎伸子