亥の子とはどんな行事? 由来や歴史、亥の子餅の作り方や亥の子唄、亥の子祭りについて解説

日本の伝統行事のひとつである「亥の子」。「亥の子の祝い」や「亥の子祭り」とも呼ばれますが、もしかしたら、全国的にあまり知られていない行事かもしれません。そこで当記事では、亥の子はいつなのか、どんなことをするのかを、その由来や歴史とともに解説していきます。また、亥の子に食べる亥の子餅の作り方や、亥の子に歌う亥の子歌(亥の子唄)とはどのようなものなのか、さらに、京都や国内の亥の子餅のおすすめもご紹介していきます。

亥の子とは

「亥の子」は、「亥の子の祝い」、「亥の子祭り」ともいわれる行事です。これは、いつ行われ、どんなものなのか説明していきます。

亥の子の意味

「亥の子」は、「いのこ」と読みます。これは、亥の月の最初の亥の日に行われる行事で、田の神様をお祀りする収穫祭のことです。

おもに西日本で行われる行事なので、東日本ではなじみがないかもしれません。

亥の子は2021年11月11日

亥の子は、亥の月の最初の亥の日に行われます。亥の月や亥の日とは何なのかを説明しましょう。

かつては、年・月・時刻を十二支で表していました。亥の月とは旧暦の10月のことで、新暦である現在では、11月のことを指します。亥の子は、亥の月の最初の亥の日なので、2021年は11月11日となります。

2021年以降5年の亥の子の日付は次のとおりです。

2021年 11月11日(木)
2022年 11月6日(日)
2023年 11月1日(木)
2024年 11月7日(日)
2025年 11月2日(日)

亥の子の由来は?

亥の子の由来は、古代中国にあります。古代中国では、無病息災を願う宮廷儀式「亥子祝(いのこいわい)」が行われていました。この儀式は、亥の月亥の日亥の刻に、穀物の入った餅を食べて無病息災を願う儀式で、平安時代に日本に伝わり、宮中行事として、貴族の間に広まるようになったといわれています。

その後、亥の子が稲刈りの時期と重なっていたことから、農家の人たちの間で収穫祭として広まったといわれています。また別の地域では、いのししが子沢山なことから、子孫繁栄や子どもの成長を願うようになったようです。

亥の子は収穫のお祭りとして広まりました

亥の子には何をする?

亥の子祭り

西日本で行われている「亥の子祭り」は、子供たちがわらで作った「亥の子槌(づち)」や、大きな石に数本の縄をつけた「石亥の子」を持って町を練り歩き、亥の子唄を歌いながら地面をつくお祭りです。

子供たちは近所の家をまわって、亥の子餅やお菓子、お小遣いをもらうこともあるといいます。これは、旧暦の10月の亥の日の夕方から翌朝早朝にかけて行われます。なんだか、ハロウィンみたいですね。

亥の子唄や亥の子餅についてはのちに詳しく説明します。

こたつを出す

その昔、江戸時代ごろには、「こたつを初出しするなら亥の子に」という風習があったのだそう。これは「こたつ開き」と言われ、亥の子にこたつを出すと火事を防ぐ、という言い伝えがあったようです。

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亥の子唄・亥の子歌とは

亥の子石の際に歌う歌が「亥の子唄」や「亥の子歌」です。愛媛や広島、山口、三重などでは、亥の子祭で歌われています。

亥の子唄の歌詞の意味

歌詞は、地域によって異なります。多くの場合、無病息災や繁盛を願うような、縁起をかつぐ歌詞です。また、振る舞いのない家には、悪態をつくような内容の歌詞がある地域もあるようです。

亥の子餅とは?

亥の子餅とは?
亥の子餅とは?

 

亥の子では、行事食として「亥の子餅」を食べます。亥の子祭りで子供にも配られるという亥の子餅の由来や歴史をご紹介していきます。

亥の子餅の由来

現在の亥の子餅は、いのししの形をしたお餅で、小豆をあしらってあるものや、きなこがまぶされたものなどがあります。それを旧暦の10月の亥の日亥の刻に食べるのが風習です。

亥の子餅は、古代中国の「亥子祝」のときに食べられていた、穀物の入ったお餅が由来となっています。その当時、亥の日の亥の刻にお餅を食べて、無病息災を願っていたのだそうです。

お餅を食べる風習も日本に伝わり、現在では亥の子の頃になると和菓子店で販売されます。

亥の子餅の歴史

亥の子餅も、「亥子祝」とともに平安時代に日本に伝わりました。この亥の子餅は『源氏物語』にも登場、「光源氏と一緒にいる紫の上のもとに美しい容器に入った亥の子餅が届けられた」というくだりがあります。

当時の亥の子餅は、豆、小豆、大角豆(ささげ)、胡麻、栗、柿、糖(あめ)といった七種の粉を混ぜ合わせて作っていたそうです。

亥の子餅の作り方

亥の子餅は手作りできますよ。親子で作ってみませんか。

◆材料

  • 干し柿 適量
  • 栗(ゆでて皮をむいたもの) 適量
  • 白ごま 大さじ1
  • 粒餡 240g
  • もち粉(白玉粉) 50g
  • グラニュー糖 70g
  • 水 90ml
  • きなこ 適量

◆作り方

  1. 干し柿、栗は細かく刻む。白ごまは軽くすり潰す。
  2. ボウルに1と粒餡を入れて混ぜ合わせ、12等分にして楕円形に丸める。
  3. 求肥を作る。耐熱ボウルにもち粉、グラニュー糖を入れて軽く混ぜ、水を少しずつ加えながらよく混ぜる。
  4. 3にラップをふんわりとかけ、電子レンジ(600w)で1分ほど加熱する。
  5. 4を水けをつけたゴムベラで練る。
  6. 4と5を3〜4回繰り返し、透明感が出たら求肥のできあがり。
  7. 求肥を12等分し、麺棒で伸ばして2を包む。これを12個作る。
  8. 7の表面に竹串で筋を入れ、そこにきな粉を振る。

京都&国内の亥の子餅のおすすめ

10月下旬頃から、和菓子店に亥の子餅が並び始めます。どんな亥の子餅があるのか、その特徴とともにご紹介しましょう。

「ゐのこ餅」(仙太郎)

京都に本店をかまえる「仙太郎」の「ゐのこ餅」は、こしあんを、軟らかく煮た小豆と餅を搗いた生地で包んであります。特徴は、表面に一筋の焼印が入れられていること。これは猪の牙を表現しているのだそうです。関西・中部地方では、2021年11月1日~11月30日、関東地方では2021年10月16日~11月30日に販売されます。

ゐのこ餅-仙太郎

「亥の子餅 御膳餡入」(とらや)

羊羹でおなじみの「とらや」も亥の子餅を販売しています。とらやの亥の子餅は、鎌倉時代の文献を参考にして作られているのが特徴で、きな粉・干柿・ごまが生地に混ぜ込まれ、御膳餡が包まれています。このお菓子は、茶道の炉開きにも使われます。販売期間は2021年11月1日〜11月30日です。

亥の子餅 御膳餡入-とらや

亥の子には、亥の子餅で子孫繁栄や無病息災を願おう!

「亥の子」は西日本を中心に伝承される行事です。小さい頃に亥の子の行事をやっていた人が身近にいれば、話を聞いてみるといいですね。亥の子の日には、子孫繁栄や無病息災を願って、ぜひ亥の子餅を食べてみてください。

文・構成/HugKum編集部

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