【中学受験】成績安定は小5での個人塾への転塾がきっかけ!大学付属校を目指し合格を掴むまでの軌跡

今年度も中学受験の入試シーズンが近づいてきました。Hugkumでは、中学受験に取り組んだ親子を取材し、本音の体験談をお届けしています。今回お話を伺ったのは、東京都在住のⅯさん一家。現在、大学付属校中学1年生のモクくん(仮名)は、毎日のびのびと学校生活を楽しんでいます。息子を見守り、応援してきたお父さん、お母さんにお話を伺いました。

本人が決意して、小4から受験生活をスタート

―中学受験のきっかけを教えてください。

父)子どもが、突然、「中学受験をしたい」と言い出したんですよ。4年生になる頃だったかな。小学校の友達とも仲がいいし、まさか息子が受験するなんて、思ってもいませんでした。でも、本人が「やりたい」と言っているんだから、止めるのもなと思い…。一応、「どうして、中学受験したいの?」と聞いたら、「ずっと野球をやりたいから」と答えました。

母)中学生になったお姉ちゃんの様子を見て、高校受験は大変そうだなあと思ったみたい。内申書とか、定期テスト対策とか…。「ぼくには高校受験は無理だ」と思ったようです。

父)たまたま、中学受験をする友達が多かったのも、影響したのかもしれません。仲のいい友達が塾に行き始めたので、本人もそうしたいと思ったようです。

―お子さんの行きたい学校はありましたか?

父)息子は、ちょっとマニアックなところがあって、記録とかデータとかに興味があるみたいです。箱根駅伝が好きで、毎年よく見ていましたし、そのデータにも詳しかったんです。だから「中学受験するのはいいけど、じゃあ、どういう学校に行きたいの?」と聞いたら、「箱根駅伝に出ている大学の附属校に行きたい」と。

―学校選びに関して、親御さんの意見はどうでしたか?

父)まあ、いいんじゃないかと思いました。そもそも、中学受験を考えていなかったので、親として特に行かせたい学校はなかったし、本人も「高校受験、大学受験を回避したい」と考えてのことだから、そこは息子任せでした。いやあ、本当に志望校がなかったんです(笑)。私は国学院久我山出身なので、サッカーも野球もそこそこ強いぞと勧めてはみましたが…。息子としては、野球やサッカー、陸上部などスポーツが盛んな学校であれば、男子校でも共学でもどちらでもよかったみたいです。

母)中学受験は、親にとっても初めてなので、やはり頼りにしたのは塾でした。まあ、早慶とは言わずとも、それなりの偏差値の大学付属校で、本人が楽しく通える学校ならいいなあと思っていました。

5年生の春に大手塾から個人塾へ。その後、成績が安定へ

個別塾への転塾で成績が安定するように。

―塾選びはどうしましたか?

母)もともと2年生から、学校の勉強の補助的な塾には行っていたんです。中学受験することに決めた後、4年生の春から、大手の進学塾に1年弱、通いました。

―その塾に決めた理由は何ですか?

父)スポーツや英語などの習い事の曜日の関係で、うまくタイミングが合うのは、その塾だけだったんです。でも…。

母)思うように成績が上がりませんでした。その塾は、子ども本人がちゃんとしないといけない塾で、今考えると、先生はあんまり面倒見がよくないスタイルだったんです。たとえば、宿題が全然できていないのに、本人が適当に丸付けをしたものを見せると、「あ~、できているね」で終わっちゃう。本当は、全然できていないのに…。それで、5年生になったとき、姉が行っていた個人塾に転塾しました。

―習い事との両立はできましたか?

母)中学受験をするんだから、「塾、頑張ろうね」と声をかけ、野球はやめました。本人も覚悟を決めたようでした。

―スポーツ好きな男の子の場合、なかなか切り替えできないのでは? よく決心できましたね。

父)意外に、そこでは悩みませんでした。コロナ禍の影響があったのかもしれません。外で友達と遊んだり、野球の練習や試合も少なかったので。そもそも、勝つことを至上主義とするクラブではなく、野球を楽しみながら基礎を学ぶスタイルだったので、本人もそこまで執着していなかっただろうと思います。

―個人塾の勉強はどうでしたか?

母)宿題の量が多すぎて、最初のうちは、全然回り切らなかった感じです。でも、そこは宿題の間違えたところは、徹底してやり直しをさせる方針。できるまで、やり直しをさせるので、親としては、大変丁寧で、面倒みの良い塾だったと思います。

−お子さんは塾をどう思っていたのでしょうか。

父)一度、「もう塾に行きたくない」と言って、泣いたことがあります。親としては、かわいそうになって、「そうか、そうか」と言いかけたんですが…。

母)私は、「自分で『中学受験をする』って言ったんだから、塾には行きなさい」と言いました。たしか、その日の2時間目から行かせたんじゃなかったかな。もともと、姉が通っていて、塾の先生をよく知っていたし、お姉ちゃんのほうは良い結果が出ていたから、塾への信頼は高かったんです。

父)実は、最初から、その塾に行かせようと思っていたんですよ。たまたま習い事の曜日と合わなくて、5年生からになりましたが、やっぱりその塾が合っていたのだと思います。

―成績の推移はいかがでしたか?

父)クラス分けで言うと、ずば抜けて成績がよいわけではないけど、上のクラスになんとなく引っかかっているタイプ。転塾後は、大きく崩れることもない代わりに、大きく伸びるというわけでもありませんでした。60前後くらいになってからは、ず~っと平行線。本人は、もっと早く個人塾に行っていたら、もう少し成績が伸びたかも…と思っていたようでした。

母)得意なのは、社会。国語はまずまず。理科と算数は苦手でした。成績よりも気になったのは、雑で乱暴な字の書き方をしていることでした。あまり、成績面で叱ったことはありませんが、字を丁寧に書くことだけは、口を酸っぱくして言い続けました。

―反抗期はありましたか?

父)うちの子は3月生まれで、小柄です。ゆっくり育つタイプで、今でも座ってテレビを見ていると、私のひざの上に乗って甘えてくるような子ですから、反抗期はまだ先なんでしょうね。

―ゲームにハマるなど、困りごとはなかったですか?

父)もともとゲームとかは、あまり関心がないようでした。ゲーム機は持っているし、友達と遊びに行くときはゲーム機を持っていくけど、もともと家ではあまりやりませんでした。

母)もともと心配性で、気が小さいんですよ。ゲームをすると、塾についていけなくなると思っていたようです。

父)ときどき、野球中継は見ていたので、「観たいなら、宿題をちゃんとやっておきなさいよ」とは声をかけていましたが、それくらいかな~。

―理想的な受験生ですね。

母)そうでもないんですよ!「宿題、終わったの?」と聞いたら、本人は「終わったよ~」と言っていたのですが、その後、塾の面談で、実は終わっていなかったことが判明。授業のない日も、自習室に通うことになりました。

6年生の夏休みは塾オンリーの生活

夏休みはほぼ毎日塾で勉強した。

―夏休みはどのように過ごしましたか?

父)6年生の夏休みは、塾オンリーの毎日でした。毎日、朝10時~19時まで塾に通っていました。

―お弁当を持って塾に行くということですね。お弁当で気をつけたことはありますか?

母)昼食の時間は30分なのですが、先生に〇付けをしてもらったり、質問したりするので、実際に食べる時間はほんの5~10分くらいだったようです。本人から「あまり量を食べられないから、おにぎりにしてほしい」と言われ、おにぎり+さっと食べられる唐揚げとか卵焼きなどを持たせました。あと、軽食として、ゼリーも持っていっていました。昼食が軽い分、朝ごはんと夕ごはんはバランスよくきちんと食べるというスタイルでした。

―2学期に入ると、そろそろ具体的な志望校選びの時期ですが、すんなり決まりましたか?

父)大学付属校といっても、雰囲気や内部進学率などが学校によって違いますから、いろいろ検討しました。うちから通いやすく、偏差値的にもまあ行けそうだなと思う学校を勧めてみたのですが、息子は「校風がちょっと自分には合わないかも…」とパス。結局、親も息子も意見が一致したのが、A校(進学した学校)でした。

 

志望校を絞り込んで、いよいよ受験期へ突入したⅯさん一家。一見、順調そうな受験生活の挙句に経験したのは、ジェットコースターのような数時間でした! 果たして、その結果は? 後編に続きます。

 気になるMさん一家の受験物語、後編はこちら

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取材・文/ひだいますみ

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