ランドセルの購入価格の相場はどう変わった?
ランドセルの語源は、オランダ語の”ランセル”。背中に背負えて両手があく軍隊用の「背のう」からきています。国によってさまざまな通学かばんがありますが、ランドセルは日本独自のものだそう。
近年”ラン活”市場は盛り上がりを見せていて、家計に優しいコスパのいいものから、中には10万以上する高級ブランドものまで実にさまざま! 先輩パパママはどのくらいの予算でランドセルを購入したのでしょうか?
ランドセルの相場は昔と比べてどう変わった?
年々ランドセル市場は活気づき、平均価格も上昇傾向にあるようです。
日本鞄協会ランドセル工業会のホームページによると、ランドセルの平均購入価格は、2020年で53,600円、2021年で55,339円、2022年で56,425、そして2023年は58,524円でした。
出典:ランドセルくらぶ|一般社団法人 日本鞄協会 ランドセル工業会
いくら出す?ランドセル購入相場を調査
HugKumでは、6~12歳のお子さんがいる保護者の方120人を対象に、ランドセルの購入価格について独自にアンケート調査してみました。
Q.お子さんのランドセルは、いくらくらいで購入したいですか(購入しましたか)?
アンケートの回答を集計すると上位から、5万円台が21.7%、6万円台が20.8%、3万円台が14.2%、7万円台が13.3%、4万円台が8.3%、という結果が得られました。
上位の5万円台と6万円台を合わせると42.5%と半数近くになり、そのあたりの価格帯がもっとも多数であることがわかります。上でご紹介した日本鞄協会ランドセル工業会の調査とも合致しています。
アンケートでは各価格帯ごとに、その価格で購入した理由についても訊いてみました。順に見ていきましょう。
1万円未満~2万円台
リーズナブルな価格帯のランドセルを選んだ層からは、「学校指定のランドセルがその値段だった」といった理由の他、買い換えを前提に入れた方や、「リーズナブルな価格でもよいものをみつけたから」といった回答がありました。
・学校指定 (50代・東京都・子ども1人)
・安価な商品でも良いのがたくさん出てきているから(40代・千葉県・子ども1人)
3万円台~4万円台
平均購入価格より少しだけお得な価格帯では、「型落ちでリーズナブルなものがあった」「少しでも安いものを探した」といった工夫や努力が見てとれます。
・なるべく安くて良いものを探していた (30代・千葉県・子ども1人)
・双子でまとめて買うので高いのは無理だった (50代・神奈川県・子ども3人)
5万円台~6万円台
最多の購入価格帯であるこの層からは、本人が気に入ったものや、長持ちしそうなものなど、商品そのものを重視して選んだ結果、必然的にこの価格に落ちついたというニュアンスが感じられます。
・1年1万と考えて、6年で予算6万でした。(40代・奈良県・子ども2人)
・あまり安すぎず、高すぎない価格だと思うから (30代・岐阜県・子ども2人)
・高くもなく、安くもないので、長持ちしそう (30代・埼玉県・子ども2人)
7万円台~8万円台
平均購入価格より少しだけ高めのこの層では、「子ども本人が気に入ったので」「値段にこだわらずに良いものを選んだ結果」といった回答が。長く使うものとして、価格は度外視して選んだ結果ともいえそうです。
・値段にはこだわらず子どもが気に入ったランドセルを購入した (40代・埼玉県・子ども3人)
・品質が良いものを買おうとしたら必然的に金額が高くなった (40代・大阪府・子ども2人)
9万円台~10万円以上
平均価格より高いこの価格帯は少数派ではありますが、以下のような回答が得られました。ハイブランドから選んだり、祖父母からのプレゼントだったりと、入学というお祝い事に奮発した様子がうかがえます。
・義母が買ってくれたから (40代・兵庫県・子ども1人)
・本人が希望したのがその値段でした。もっと安いのでいいでしょと思っていましたが、実際見比べると極端に安いものは安っぽさがわかりました (30代・東京都・子ども2人)
価格帯ごとのランドセルの特徴
ここまでで、各家庭の考え方でさまざまな価格帯のランドセルが選ばれていることがわかりました。となると「実際、〇万円台のランドセルってどうなんだろう?」という疑問も。そこで、各価格帯の一般的な特徴を考察してみました。
1万円以下~1万円台のランドセルの特徴
小売店では1万円以下のランドセルは見かけませんが、インターネット上では1万円以下のランドセルが販売されていることがあります。
ただし、インターネット販売の格安ランドセルの場合、試しに背負ってフィット感を確かめるなどの選び方ができません。その意味では、子どもの体に合わないランドセルを6年間使わせる心配も出てきます。
しかし、実際にamazonなどで1万円以下の商品に対する評価を調べてみると、満足しているといった声も少なくありません。また「最悪壊れたら、買い替える予定」といった考え方もあるようです。
2~3万円台のランドセルの特徴
次は、実際に選ぶ人が少なくない価格帯の2~3万円台のランドセルを見てみましょう。
この価格帯は、例えばイオンやニトリなどが出すプライベートブランドから、ネット通販のメーカーまで、幅広いラインアップが確認できます。イオンやニトリが自社製品として自分たちの店舗で販売したり、ネット通販メーカーが小売店を持たないで安く販売したりしているために、手頃な価格で買えるのです。確かに近所に店舗があれば、すぐに出かけて試着させて購入ができるので便利ですね。
4~5万円台のランドセルの特徴
4~5万円もニーズが多い価格帯です。この価格帯には『天使のはね』(セイバン)、『フィットちゃん』(ハシモト)など人気メーカーの主力商品が勢ぞろいしています。人工皮革(クラリーノ)を使ったランドセルが多数です。
大手メーカーの商品であるため、インターネットやテレビなどで盛んにコマーシャルを見かけます。その影響もあって、抜群の知名度があります。知名度から来る安心感で支持されていると分かります。
値段が6~7万円台(またはそれ以上)のランドセルの特徴
値段が6~7万円台、それ以上のランドセルをチェックしてみましょう。「工房系」といわれるかばん専門店のランドセルや百貨店などの商品が中心です。
「工房系」では土屋鞄を筆頭に、中村鞄製作所、萬勇鞄、黒川鞄工房、鞄工房山本、神田屋鞄製作所、ランドセル工房生田などが有名です。人工皮革(クラリーノ)のランドセルもありますが、この価格帯は牛革を中心に本革の商品が主力になっています。
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価格別!男の子、女の子におすすめの定番ランドセル
最後に、価格帯別で代表的なランドセルをご紹介します。
2~3万円台のおすすめランドセル
2~3万円台の価格帯は、イオンやイトーヨーカドー、ニトリなどのプライベートブランドが主力になります。
イオン『はなまるランドセル24』
本体35,000円(税込38,500円)で販売されている商品です。4万円台では同じかるすぽシリーズの『MYカラー』、6万円台では『みらいポケット』などの商品も販売されています。
イトーヨーカドー『ラクラクランド』
イトーヨーカドーの『ラクラクランド』も本体29,000円(税込31,900円)と手ごろな価格で購入できます。上位モデルは『あんしんぽけっと』で、本体59,000円(税込64,900円)の大容量ランドセルになります。
4~5万円台のおすすめランドセル
4~5万円台は大手ランドセルメーカーが、標準モデルの商品を次々と投入する価格帯になります。ここではHugKumの調査でも突出して人気の高かった『天使のはね』と『フィットちゃん』をチェックします。
フィットちゃん『安ピカッ』
人気ブランド、フィットちゃんのベーシックなタイプのランドセルです。基本性能に優れた商品でありながら、シンプルなデザインと、男女のどちらにも似合う色が用意されています。
天使のはね『天使のはね スゴシリーズ』
同じく人気ブランドの天使のはねでは、最も軽く、最も安全で、最も強くて丈夫なランドセルが揃ったのがスゴシリーズです。
6~7万円台(またはそれ以上)のおすすめランドセル
最後は6~7万円台、あるいはそれ以上のランドセルを紹介します。この価格帯は「工房系」と言われるかばん専門店の商品や、百貨店の商品、さらには大手メーカーの上級モデル、オーダーメードのかばんなどが該当します。
土屋鞄『牛革 ベーシックカラー』
かばん専門店の土屋鞄がリリースする、本革のベーシックなランドセルになります。高品質で飽きのこないランドセルが欲しいという方には、有力な候補になってくれるランドセルと言えそうです。
黒川鞄工房『はばたく®ランドセル(スムース牛革ワイド)』
注文を受けた後に、少数限定で製作する黒川鞄工房のランドセルです。本革でありながら、本社が富山県という雪国にある工房のランドセルらしく、雨や雪に強い特殊加工が施されています。
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今回は、ランドセルの購入価格に関するアンケート調査の結果と、価格帯別のランドセルのおすすめをまとめてみました。子どもが6年間、喜んで使ってくれるランドセルを、適切な価格で選びたいですね。
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構成・文/坂本正敬ほか、HugKum編集部