【マンガ】自閉症の5歳の息子は「絵カード」でトイトレ中!言語聴覚士なな先生がアドバイス

言語聴覚士(通称ST)とは、話す・聴く・食べるなどのリハビリテーションを行う医療の専門職です。なな先生は、全体の約3割と言われる「子どもを対象」とする数少ない言語聴覚士。自閉症の5歳の息子リュウくんを育てる、フリーのデザイナー&イラストレーターのまるさんが、なな先生オリジナル絵カードを使ってトイレットトレーニングに挑戦しました。

生活動作絵カードでトイレトレーニングをやってみた!

生活動作絵カードでは、子どもが毎日よく経験するような日常の生活動作の一連の流れを、ことばで説明してもらいます。

たとえば、「トイレに行く」「パンツを脱ぐ」「(便座に)座る」「うんちが出た」「うんちを流す」のような説明をしてくれたときに、「行く」「脱ぐ」「座る」「出た」「流す」のような動作のことばがしっかり言えているかな?に注目します。

説明の上達には、「使いこなせる動作のことば(動詞)のレパートリー」が鍵になります。動作のことばのレパートリーが広がると、お子さんが自分で作れる文のバリエーションが広がり、説明上手さんになります。なんでも「する」「やる」を使って説明しがちなお子さんと一緒に取り組んでみてください。

 

大人がお手本や例を伝えていくことが動作のことばを学ぶポイントです

取り組むときのポイントは、お子さんが使ったことばを否定せずに、大人がどんどんお手本や例を伝えていくことです。自分のことばで説明し、伝えられるようになることが大切なので、正解は必ずしも一通りではありません。いろんな表現の仕方があるんだなと知っていくことが大切です。

絵カードに慣れたらお気に入りの絵本で応用練習を

説明をする練習をするときには、いつも行っている日常生活の場面や行為を題材に選ぶこともポイントです。

発表会や遠足、運動会といった特別な行事は感動の場面も多く心に残りやすい一方で、普段は使わない表現を使わないと説明が難しい、ということもよくあります。

まずは日頃慣れ親しんでいる普段の状況や行っていることを説明の題材に選ぶと、ステップアップになり、練習した語い表現を普段の生活でも使うチャンスがたくさん訪れるのでおすすめです。

カタコトことばが気になって…編

【マンガ】自閉症の5歳の息子のカタコトおしゃべりが気になって。言語聴覚士なな先生に相談してみた!
5歳になって2語文3語文は出るけど、発音がカタコトなんです 絵カードで「誰がなにをしている」の文を言う練習をします ...
まる|イラストレーター
2018年4月生まれの4歳の自閉症の男の子を育てるシングルマザー。フリーでデザイナー&イラストの仕事をしながら息子との育児の日々をTwitterで発信中。フォロワーは2万人超え。11月30日に刊行した『シンママのはじめての子育ては自閉症の子でした』(KADOKAWA)が好評発売中。https://twitter.com/shishishishimr
    なな先生(寺田奈々)|言語聴覚士
    慶應義塾大学文学部卒。養成課程で言語聴覚士免許を取得。総合病院、プライベートのクリニック、専門学校、区立障害者福祉センターなどに勤務。年間100症例以上のことばの相談・支援に携わる。臨床のかたわら、「おうち療育」を合言葉に「コトリドリル」シリーズを製作・販売。専門は、子どものことばの発達全般、吃音、発音指導、学習面のサポート、失語症、大人の発音矯正。著書に、『0~4歳 ことばをひきだす親子あそび』(小学館)、『発達障害&グレーゾーン幼児のことばを引き出す遊び53』(誠文堂新光社)などがある。https://stkotori.com/connection/

    『発達障害&グレーゾーン幼児のことばを引き出す遊び53』言語聴覚士 なな先生が考案! すぐに試せる絵カード付き 寺田奈々/著  誠文堂新光社

    構成/Hugkum編集部

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