【キッザニアでマネー教育】無料で投資について学べる「キッザニア オンラインカレッジ」の「ファンドマネジャー」コースを体験してみた

新NISA制度や日経平均株価の最高値を更新など、投資への関心が集まる中、子どもへのマネー教育の需要も高くなっています。金融経済教育を受けてこなかった親世代からすると、子どもとお金の話をするのは抵抗があったり、何から始めて良いか分からない方も多いはず。この春、人気の職業・社会体験施設のキッザニアの知育アプリの「オンライン カレッジ」で無料の「ファンドマネジャー」コースが開設。さっそく体験してみました!

マネー教育、何から始めれば?

「キッザニア オンラインカレッジ」の「ファンドマネジャー」コースの体験イベント。キッザニア東京「こども議会」のこども議員たちが参加しました。

子どもにマネー教育を受けさせたいと思いつつも、何から始めて良いか分からない方に朗報です!あの人気の職業・社会体験施設の「キッザニア」を運営するKCJ GROUPの知育アプリ「オンラインカレッジ」でゲームを通して楽しみながら投資が学べる「ファンドマネジャー」コースが先月末に新しく登場しました。

3月の子どもや若者に対する金融経済教育を推進する国際的な啓発活動のグローバル・マネー・ウィーク(Global Money Week)に合わせてオープニングイベントが開催されたのでコースを体験してきました。

オンラインカレッジって?

「キッザニア オンラインカレッジ」は、キッザニアのノウハウを活かし、オンラインでさまざまな仕事や社会について、子どもが楽しく学ぶことができる知育アプリです。しかも、無料!そのアプリのコースの中に資産運用会社アセットマネジメントOne(AM-One)監修の「ファンドマネジャー」コースが新設されました。

AM-Oneとは?

AM-Oneは、運用資産残高が約65兆円という国内トップクラスの規模を誇る資産運用会社です。金融経済教育の分野における啓発や普及活動の力を入れていて「AM-One 未来をはぐくむ研究所」という組織があります。子ども向けの投資についてのサイトなど資産運用のプロが商品とは切り離した中立・客観的な立場で情報発信しています。

自分のお金がどう社会に貢献し、どう使われているのかを学ぶことが大切

「キッザニア オンラインカレッジ」の「ファンドマネジャー」コースを体験中のイベントの参加者。

どんなマネー教育が必要なのか?そして学校でどんなことを学ぶのか?マネー教育に不安に感じる親御さんに向けて、「金融経済教育は、自分のお金がどう社会に貢献し、どう使われているのかを学ぶということが最も大切なことです」と「AM-One 未来をはぐくむ研究所」の所長の伊藤雅子さんは話してくれました。

投資は社会貢献につながることを学ぶ

開発担当のファンドマネジャーによると、当初は、投資への理解や会社の認知度向上が目的だったそうですが、商品からは独立した立場である「AM-One 未来をはぐくむ研究所」が手掛けることで、投資が社会貢献につながるという教育面のコンテンツを充実することができたそうです。

自己利益の追求だけではない、本質的に必要とされる金融に関する事を学ぶことができる「ファンドマネジャー」コースの特徴を探ってみました。

ゲーム感覚で楽しい!ファンドマネージャーコースを体験してみた

コンテンツには、動画、トレーニング、ワークショップの3つのコースがあります。

コンテンツには、ファンドマネジャーの仕事の紹介の動画、仕事を疑似体験するトレーニング、オンラインワークショップの3つのコースがあります。

まずは、動画でファンドマネージャーのお仕事を学ぶ

はじめにファンドマネジャーの仕事について動画で学びます。

まずは、投資信託とは何か、ファンドマネジャーの仕事が私たちの生活とどのように関わっているのかを動画で学びます。実際にファンドマネジャーが働くオフィスに潜入し、仕事の内容や仕事をする上で大切にしていることを知ることができます。

投資信託を運用するトレーニングを積む

街を歩いてインタビューをして情報を集めます。一回のゲームの所要時間は10分から15分です。

ファンドマネジャーとして投資信託の運用にチャレンジします。RPG型のゲームで、自ら街の中を歩いて情報を集め、投資先を選び、世の中で起きるイベントに対して「投資する」か「見送る」かの判断をしていきます。長期でお金を増やすことで人々、会社、社会全体が豊かになることをゲーム感覚で学ぶことができます。

難易度モードを選べる、投資判断にも挑戦!

ゲーム会社の社長さんから話を聞いて投資の判断材料にします。

投資をするかどうかの条件が出てきます。初心者モードでは、良い条件に「◯」のマークがついてあり、低学年のお子さんでも判断が分かりやすくなっています。難しいモードではヒントがなくなり高学年のお子さんも楽しめる工夫がされています。

資産を失うリスクも学ぶ

時々流れてくるニュースなども判断材料になります。

投資は選択を間違えれば、資産を失うというリスクも学ぶことができます。この時は、海外の着物の材料を運ぶ輸送費の値上げの情報が入ってきたにも関わらず、着物屋さんに投資したためお金が減ってしまいました。

リスクがあるということから、ファンドマネジャーには、情報の収集能力、分析力や決断力が求められ、長期で運用することで、粘り強さも必要であることを学ぶことができます。

社会に還元されるってどういうこと?

投資は具体的な金額が表示されるのではなく、増減がグラフで表示されます。

ファンドの運用状況は増減はグラフで表示され、具体的な金額は示されません。その代わりに、投資に成功するとインフラが整ってきたり、街が豊かになっていくのがわかり、自分のお金が社会に貢献されていることが実感できます。

投資の目的は、報酬だけではなく、社会貢献であるという点が、他の金融ゲームとは違う点だと感じました。

また、アプリの中のドーナッツヘブンという会社では、寄付の活動などもしています。寄付をしているというポスターがさりげなく、お店に貼られているので見つけるのも楽しいですし、投資することで間接的に社会の役に立つ活動をしているということを学ぶことができます。

投資は忍耐と努力が必要

ゲーム内では10年という長い期間の運用となり、資産運用には、忍耐と日々の勉強が必要であることを知ることができます。

今回、キッザニアの体験施設であるパビリオンに開設しなかったのは、投資は一度きりの体験ではないからだそうです。何十年というスパンで運用していくものなので、何度もチャレンジすることが大切ということで、オンラインでのコースの開催となったそうです。

運用10年から学べるもの

また、投資というと、すぐにお金儲けができる!というイメージがありますが、ゲーム内では、10年という長い期間の運用をすることで、投資は短期的な利益追求ではなく、忍耐や日々の勉強が必要であることを知ることができます。

開発の担当者の方は、当初10年という期間は子どもたちが飽きてしまうのではないかと不安もあったそうですが、実際の投資を実感して欲しいという思いから、ゲーム内でのアクティビティを充実させることで、続けられる工夫をしたということです。

学んだ後は、運用シミュレーション体験へ

イベントでは、キッザニア東京「こども議会」のこども議員たちが運用シミュレーションのワークショップに参加したり、アプリの「ファンドマネジャー」コースを体験。

今回のイベントでは、実際にAM-Oneのファンドマネジャーと投資の運用シミュレーションをするというワークショップもありました。現役のファンドマネジャーからアドバイスを受けながら自分で投資先を決めるというマネー教育の体験です。

国内では行列ができ、海外進出を予定しているラーメン屋さんと会員制の高級レストランのどちらかに投資をするかという課題に答えます。それぞれの強みや弱みを見比べながら考えます。子どもたちの意見を参考にして、最終的には担当のファンドマネジャーがどちらに投資するかを決定します。

ラーメン屋さんに決定!

どちらの企業に投資するかを考える資料。カジュアルなラーメン屋と高級な会員制のレストランと全く形態の違う飲食店のどちらに投資するかを検討しました。

最終的には、ラーメン屋さんに投資することになったのですが、「ラーメンは海外でも人気で、将来的にも成長が期待できる。人材確保が難しいという弱みもタッチパネルを使うなど解決策がある」など的確な意見が出ました。

参加した子どもたちからは「お金が循環して、社会をよくしていることを学ぶことができた」、「投資について、分かりやすかったし、楽しかった」という感想が聞けました。

楽しく課題に向き合う子どもたちの様子を見て、筆者も子どもとお金の話をするのはまだ先と思っていましたが、今すぐ始めておきたいと思いました。

子どもとお金の話をしよう!

AM-Oneの取締役社長の杉原規之さんが参加者にアドバイスをする場面も。

投資は社会貢献の一つ

投資を、「不労所得」で楽して儲けたと捉える偏見も払拭する必要があります投資家がいなければ企業は大きくならず、経済も成長していきません。投資は自分のお金を社会に循環させ、社会に貢献する方法であることを伝えていく必要があります。

海外との金融経済教育の落差も気がかり

世界と比べて、日本の金融経済教育の遅れは顕著です。学校などで金融経済教育を受けた人の割合は、日本が7%に対して、米国は20%と日本の約3倍。(金融広報中央委員会「金融リテラシー調査 2022年」より)日本には清貧という言葉あり、長らく、お金は汚いというイメージがありました。子どもとお金の話をするのもタブーという風潮も金融経済教育が広まらない理由のひとつです。

「金融経済教育は小学生からでも早すぎることはないです。抵抗感のない若いうちから、自分のお金が社会に役に立つという観念を学ぶことが大切です」とAM-Oneの取締役社長の杉原規之さんは話してくれました。

杉原さんいわく、日本では若い世代向けのマネー教育の教材が少なく、投資がお金儲けだけではなく、社会貢献できるということを学んで欲しいという思いから開設に至ったそうです。

マネー教育の素晴らしい第一歩

今回の「キッザニア オンラインカレッジ」の「ファンドマネジャー」コースを体験してみて、ゲームという取り組みやすい形でなら、家庭で子どもとお金やお金の使い方の話ができると感じました。

また、職業体験施設のキッザニアでは、職業体験を通して「お金を得る」、銀行で「お金を貯める」、お店で「お金を使う」という体験はできますが、長期で「お金を運用し、投資の判断をする」という体験まではできなかったので、ファンドマネジャーの仕事をオンラインで体験することでお金に関する流れを完結することができるのも素晴らしい点だと思いました。

「ファンドマネジャー」コースは、マネー教育を始める良いきっかけになると思いますので、ぜひ、親子で体験してみてくださいね。次回は、「キッザニア東京」のパビリオンで実際に体験できるマネー教育にオススメのコースをご紹介しますのでお楽しみに。

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