運動不足を解消する、屋内の新運動プログラムを開発!
例年の酷暑により、日中の屋外活動が制限され、子どもたちの運動不足が懸念されます。
そんな社会課題を解決すべく、キリンホールディングス株式会社(以下キリン)とJFA(公益財団法人 日本サッカー協会)は共同で、幼稚園・保育園の屋内で子どもたちが自発的に楽しく身体を動かせる「屋内運動プログラム」を開発しました。
夏の暑い日でも屋内での活動の場所を提供することで、安全に配慮しながら運動不足の解消やコミュニケーションの促進といった健康維持を図り、免疫ケアをサポートするものです。

7月に都内の貞静幼稚園で新運動プログラムのデモンストレーションがありましたので、ご紹介したいと思います。
屋内の新運動プログラムの特徴
・3歳から6歳の幼稚園・保育園児を対象
・1プログラムあたり4~5種類のメニューを組み合わせ、20分程度の運動を行う
・子どもたちが自発的に楽しめるストーリー仕立てのプログラム構成
・幼稚園・保育園の先生が指導を行える内容
・ボールを使った運動を取り入れ、子どもたちに刺激を与える
・ボールと関わる時間を幼少期から持つことで「ボールがともだち」と実感できる
森へ冒険に行こう! 物語性のある新運動プログラム

講師の貞静幼稚園の先生から「今日ここはお部屋ではなく、森のなかです。早速みんなで森のなかを冒険したいと思います」と声かけがあり、新運動プログラムのデモンストレーションがスタート。
本プログラムの特徴はただ単に体を動かすのではなく、森に冒険に行くといったストーリー性があり、子どもたちが自発的に楽しめる内容になっていることです。
JFAによるとボールを使うというサッカーの要素は取り入れつつ、幼児には難しい技術的な点に重点を置くのではなく、簡単な動きで、小さなお子さんでも楽しみながら興味を持って身体を動かせるような工夫がされているとのこと。また、サッカーの専門の指導者がいなくてもできるように、幼稚園や保育園の先生が直接指導しやすいよう設計されています。プログラムは4〜5種類の運動メニューで構成され、約20分の運動を行いました。
深呼吸と動物のものまね準備運動

まずは、心を落ち着かせることで、精神の安定や怪我の防止につながる深呼吸から始まります。
そして、準備運動として、クマやウサギなどの動物の動きを取り入れた準備運動を行います。片道ずつ違う動物の動きをすることで、創造性を持った全身運動となり、子どもたちが主体的に体を動かせるように促します。
園児の皆さんは、楽しそうにクマのようにハイハイしたり、ウサギのように飛び跳ねたり、準備運動の時点ですでに、盛り上がりを見せていました。
集中力を高めるボール運動

準備運動が終わったところで、ボールに触れます。ボールにも“マルちゃん”と名前をつけ、お友だちのように接します。まずは、ボール運動の集中力を高めるために、先生がボールを落とし、ボールがバウンドしたら子どもたちがジャンプするという運動を繰り返します。
ボール遊びをしながらパス運動

次は、ボールを使ったパス運動に入ります。列に並び、前後の子にボールを手渡します。
はじめはなかなか連携が取れず、ボールが落ちてしまうことがありましたが、声をかけて幅を縮めたり、お互いに協力したりすることで上手にボールを手渡すことができるようになりました。
運動能力だけではなく、相手を思いやるコミュニケーションも大切だと感じました。
最後はボールを投げる運動も

後半は少し複雑な運動に。ダッシュやジグザグに人を避けながら後ろに並ぶ動きなど、走る運動とバランス感覚、協調性を高める動きをしました。
また、今回は広めの体育館だったので、最後は少し離れた距離でボールを投げる運動などもできました。
どの運動も部屋の広さにより臨機応変に対応できるので、教室のような狭い室内でも、外遊びに代わる運動は可能だと感じました。
先生や子どもたちの反応は?

また、講師を担当した担任の中林楓花先生は「普段の遊びは園庭で氷鬼、室内ではおままごとなどのごっこ遊びが中心ですが、このプログラムを取り入れることでルールを考えながら身体を動かす運動遊びができました。身体だけでなく頭も働かせる点が、普段の遊びとの大きな違いでとても良いと感じました」と話していました。
また、先生として、プログラムを導入することでの負担はあるかという質問も。これには、「先生に指導しやすいように設計されていて、一から指導内容を作るのではないので負担が少なく、導入しやすいと感じた」ということです。
子どもたちからは「楽しかった!」の声
デモンストレーションを体験した園児たちからは、「全部楽しかった」、「家でもやりたい」との声があがり、楽しい時間を過ごした様子がうかがえました。
今後の展開に期待
本プログラムは、昨年より展開している、子どもの自発的な免疫ケア習慣の定着を啓発する「免疫ケアサポートアクション」と連携し、全国の幼稚園・保育園約1,000園への導入を目指しているとのこと。
家庭でも取り入れられる簡単な運動なので、保育施設に限らない今後の幅広い活動に期待したいと思います。
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取材・文 Rina Ota