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マネー教育ならキッザニアでしょ!
キッザニアは、実社会の約2/3サイズの街並みに、実在する企業がスポンサーとなったパビリオンが立ち並び、さまざまな職業・社会体験ができます。日本国内には「キッザニア東京」「キッザニア甲子園」「キッザニア福岡」の3施設があります。
キッザニアでは、専用通貨「キッゾ」を使い、買い物やサービスを受けることができるなど、リアルな経済活動を体験することもできます。さまざまな職業体験が楽しい「キッザニア」ですが、今回特に金融教育に注目したオススメのパビリオンのまわり方をご紹介したいと思います。
1. 銀行で口座を開く
まずは自分の銀行口座を開設
まずは「三井住友銀行」が出展する「銀行」のパビリオンで口座を開き、キャッシュカードを作ります。銀行では、銀行員の仕事と、銀行のお客さんの体験ができますが、今回はお客さんとしての体験をしました。
- <銀行でできること>
- ・口座開設手続き
- ・口座へのキッゾの預け入れ
- ・預金の引き出し
- ・残高照会
- ・トラベラーズチェックの両替
他のパビリオン同様、銀行に入れるのは子どもだけ。(取材のため特別に許可を得て撮影しています。)大人でも銀行口座の開設は緊張するもの。はじめて一人で並ぶ銀行のカウンターはドキドキの体験です。開設後はキャッシュカードとお財布がもらえます。
キッゾは、仕事の種類によって金額は変わりますが、仕事を体験をするともらえます。また、入場した時にも毎回50キッゾ分のトラベラーズチェックを受け取ることができます。
筆者の子どもの体験談ですが、口座を開く前は、仕事をした後に受け取るキッゾをしまう場所がなく、親にポイッと預けっぱなしで、あまり大事にしていなかった印象があるのですが、お財布を持つことで自分で管理するという意識が芽生えたようです。
キャッシュカードを使ってみる
早速、作ったキャッシュカードで残高を確認したり、お金を引き出したりしてみます。キャッシュカードをATMに入れたり、暗証番号を打ち込んだりと、本物のATMさながらの体験ができます。
年利10%の利息がつく!
キッザニアの銀行口座に預金されたキッゾには利息がつきます。金利は、なんと年利10%で、半年ごとに利息がつきます。普通預金で、利息がそんなにつくなら、自分の貯金も預けたいと思ってしまう保護者も多いはず…。
便利なお財布がもらえる上、利息がつくなど、良いこと尽くしなので、キッザニアに来たらまず、口座開設から始めることをオススメします!
2. 電子マネーカードを作る
銀行口座を開設した後は、電子マネーカードの「e-kidZoカード」を作ります。「e-kidZoカード」に「キッゾ」をチャージしておくと、ピッとかざすだけで簡単に支払いができます。カード会社の「JCB」が出展しているということもあって、手続きも本格的です。カードについての説明を受け、同意した上で子ども本人が、カードを作成します。
施設内の残高チェッカーでは、カードの残高を確認ができます。残高が少なくなったら「電子マネーセンター」で追加のチャージができます。
小学生でも電車に乗る時などに電子マネーカードを使うことがあると思います。筆者の子どもも使うことがありますが、親がお金を入れているので、カードがお金であるという自覚があまりないようでした。
今回、自分でカードに入金するなど、キャッシュレスなお金のやり取りを学ぶことでき、現金以外にも現金に相当する大切なものがあるという事が学べたと感じます。
ゴールドカードもある!
「e-kidZoカード」で多く支払いをすると、なんと!ゴールドカードにアップグレードできます。しかも、ゴールドカードで支払いをすると1キッゾ割り引いてくれる特典も。本物のカードさながらの仕様で、支払いの時にゴールドカードを見せれば憧れの眼差しを受けること間違いなしです。
3.電子マネーカードを使ってソフトクリーム作り
「e-kidZoカード」を作った後は、キッゾを払って、自分が食べるソフトクリームを作る「日世」が出展するソフトクリームショップにやってきました。支払いは、早速、作ったばかりの「e-kidZoカード」で。ピッとかざすだけで支払いは終了です。
電子マネーカードにお金を預けたことで、手元からお金が消えてしまったので、どこに行ってしまったのかピンとこず、しばらく戸惑っていましたが、カードを使って支払うことで納得ができたようです。
自分で作ったソフトクリームの味は格別!
ソフトクリーム作りは、コーンの上にソフトクリームを上手にまいて、カラーチョコやウェファーでトッピング。ソフトクリームは近くの椅子に座って食べることができます。体験時間は15分ほどと短いアクティビティですが、ソフトクリームは、しっかりボリュームがあるので、食べる時間も考慮しておくのがポイント。時間に余裕を持って次のパビリオンの予約をするとよいでしょう。
4.デパートでキッゾを使って買い物をする
次は「デパート」で買い物をすることに。「デパート」では、販売員の仕事体験もできますが、お客さんとして持っているキッゾで買い物をすることができます。こちらでは、紙幣のキッゾを使うことにしました。
紙幣はカードに比べるとかさばるし、数えるのも大変ですが、お金が実際にお財布から出ていくので使ったという実感があります。また、働いた対価であるキッゾを自分の欲しいものに置き換えるなど、報酬の価値が分かります。
もちろん、こちらも入場は子どもだけ。特に、デパートでの買い物は、キッザニアの「子どものみ」というルールの利点が顕著に現れる場所でもあると思います。親は勉強に役に立つものを選んでとか、お金を使いすぎだとか、口を出したくなってしまうので、ぐっと我慢です。現実の買い物では中々できないので、お金の使い方を子どもの自主性に任すことのできるよい勉強の場だと思います。
5.証券会社で投資を学ぶ
そして、マネー教育の仕事体験としてイチオシなのが、「大和証券」が出展する「証券会社」のコンサルタントの仕事です。顧客の要望にあった投資先を調査して紹介します。どのパビリオンに投資するかをキッザニアの街にでかけて調査します。
顧客の投資先として有望なパビリオンはどこなのかをグループでリサーチをします。
グループで投資先を検討した結果、現地調査の対象はハンバーガーショップに決まりました。調査シートにハンバーガーショップの印象を書き出します。
調査後は会議を行います。「働いている人が楽しそうだった」、「ハンバーガーが美味しそうだった」、「お店が清潔だった」などの意見が出ました。
投資をするかしないかは顧客の判断になりますが、顧客の要望に沿って投資先の情報をレポートし、投資金額を決定してもらいます。投資家がいかに安心してお金を預けることができるかは、コンサルタントの調査の腕にかかっていることを実感しました。
また、他のパビリオンとの大きな違いは「自らが働くことの楽しさ」と共に「お金にも働いてもらうこと」=「資産運用」という概念を体験する事ができる点です。
投資や資産運用など少し難しい内容になるので、オススメは小学生以上になりますが、ぜひ、職業体験+金融教育という視点から体験することをオススメします。
金融教育の大切さ
今回、マネー教育に注目して、キッザニア東京のパビリオンをご紹介してきましたが、いかがでしたか?さまざまな職業体験のできるパビリオンで「お金を得る」、銀行で「お金の貯蓄と管理」、デパートやソフトクリームショップで「お金の使い方」、証券会社で「お金の運用」というお金の役割や循環が自然と学んでいけるプログラムになっていると感じました。
マネー教育の一歩として、楽しみながら学べる「キッザニア」をぜひ、上手に活用してみてください。
また、キッザニアでは知育アプリの「オンラインカレッジ」でゲームを通して楽しみながら投資が学べる「ファンドマネジャー」コースが新しく登場しました。「お金を運用し、投資をするかしないかの判断をする」というパビリオンにはない、投資についてさらに踏み込んだ学びを体験することができますので、こちらも合わせて、利用してみてくださいね。
「ファンドマネージャーコース」の紹介はこちらの記事へ
https://hugkum.sho.jp/96912
【おまけ】キッザニアの新パビリオンを紹介
「パティスリーショップ」でパティシエ体験
最後に、最近オープンしたパビリオンも2つご紹介したいと思います。一つは、あの行列の絶えない話題のAUDREYを展開する「プレジィール」が出展する「パティスリーショップ」パビリオン。去年7月にオープンしたパビリオンで、可愛らしい花束をモチーフにした焼き菓子を作ります。
生地の成型から焼き上がりの確認、デコレーションやパッケージングなど オリジナルスイーツを完成させるまでの多くの工程を学ぶことができます。
最後に、できあがったお菓子をお洒落なパッケージに詰めて完成です!一つはその場で試食、パッケージに詰めたものはキッザニア内で食べることができます。「作る楽しさ」や「食べる喜び」を感じることのできる貴重な体験となりました。
NEWオープン!建設機械開発センター
最後は、今年の3月にオープンしたばかりの「コマツ」が出展する「建設機械開発者」の仕事も体験してきました。建設機械開発者として、建設機械の種類や役割について学んだあと、シミュレーターを使って建設現場に適したバケット(油圧ショベル)やクローラー(ブルドーザー)などの開発・検証を行います。今回は油圧ショベルの検証を行いました。
土を掘るための2種類のバケットが用意されています。それぞれ「やわらかい土」と「かたい土」のどちらに適しているのか、シミュレーターで土を掘る作業を行いながら答えを出します。
一度は見たことのある建設機械が、どんな役割を持っているのか、どんな作業ができるのかを学ぶ事ができて、これから、街で見かける建設現場を違う視点で見る事ができると感じました。
- キッザニア
- 「キッザニア オンラインカレッジ」・ファンドマネージャーコース
- *情報は2024年4月現在のものです。
文・取材 Rina Ota