実験①リビングでできる紙コップの実験
紙コップを10個並べて、板をのせます。その上に小学生(3年生、体重中およそ35㎏)が乗ったら、紙コップはどうなる?
用意するもの
・紙コップ10個
・平らな板(ガラス板が望ましいが、厚めの段ボールでもOK)
実験の手順
①平らな床に、紙コップを10個並べる。
②用意した板を①に載せる。
③そっと板の上に乗る。
あなたの予想は…⁉
①つぶれてしまう
②まったく、つぶれない
正解は…
②まったく、つぶれない でした!
並べた紙コップの上に板をのせると、上に乗る人の体重(重さ)を板の下の紙コップ全体に分散されます。1個では支えられない重さも、10個ならつぶれないで支えられます。「紙コップチームの勝利!」ですね。
さらに研究を深めるなら…
・自分の体重で、どこまでなら紙コップを減らせるか、実験してみては? 家族のデータもあると、平均的な紙コップの強さも割り出せるはず。
・紙コップの種類別に比べてみるもおもしろそう。(紙製コップ、プラスチック、温かい飲み物用の集めのコップなど)
実験②お風呂場でできる水の実験
水を入れたコップをハガキでふたをします。それを逆さにして、はがきの下の手をそっと離すと、どうなる?
用意するもの
・コップ
・水
・ハガキぐらいの厚紙
実験の手順
①コップに半分ほど水を入れる。
②コップの上に、はがきを載せてふたをする。
③ハガキをしっかり手で押さえて、コップをひっくり返す。
④ハガキを押さえている手をそっと離す
あなたの予想は…⁉
①水はこぼれない
②水はこぼれる
正解は…
①水はこぼれない でした!
ふだん、あまり意識することはありませんが、私たちの周りには空気の力(大気圧)が働いています。ハガキを押さえる手を離しても、コップの水がこぼれないのは、空気の力がハガキの下に回り込んで、ハガキを押さえる力になっているのです。
さらに研究を深めるなら…
・網目状のもの(水切りネットなど)、ティッシュ、新聞紙などでも実験してみましょう。
・コップを逆さにするときの時間(サッとひっくり返す、ゆっくりひっくり返す)で比べてみるのも、おすすめ。
実験③キッチンでできる氷水の実験
氷水で外側から冷やしているジュースがあります。氷水に塩をかけると、ジュースはどうなる?
用意するもの
・ボール
・ステンレスのカップ
・氷
・水
・塩
・ジュース
・スプーン
実験の手順
①ボールに氷と水を入れる。
②ステンレスのカップにジュースを入れ、①の中に入れる。
③ボールの氷水に塩をかける(様子を観察しながら、少しずつ塩を足していく)
あなたの予想は…!?
①ジュースから泡がたくさん出る
②何も変わらない
③ジュースが凍る
正解は…
③ジュースが凍る でした!
氷に塩を混ぜると、融点(固体から液体になる温度)が下がります。そのため、氷はいったん溶けますが、そのとき融解熱として、周りの熱を奪うので、結果的に氷水全体の温度が下がります。氷水の温度は0℃よりも低くなるため、ジュースが冷やされて凍る(シャーベット状になる)のです。
さらに研究を深めるなら…
・紙コップを何個か用意して、水、薄い食塩水(小さじ一杯)、濃い食塩水(大匙二杯)などを作ります。それらを冷凍庫に入れて、凍るか凍らないか、様子を観察します。
実験④キッチンでできる水と砂糖の実験
水の入ったコップの底に、ニンジンを沈めます。砂糖を入れていくと、どうなる?
用意するもの
・大きめのコップ(透明なボールでもOK)
・スライスしたニンジン(厚めに切ったもの)
・砂糖
・水
・スプーン
実験の手順
①コップに7分目ほどの水をいれる。
②スライスしたニンジンを①に入れる
③砂糖を入れ、よく混ぜながら溶かしていく。
あなたの予想は…⁉
①ニンジンが浮かび上がる
②ニンジンは沈んだまま(変わらない)
③ニンジンは浮かび上がったり、沈んだりを繰り返す
正解は…
①ニンジンが浮かび上がる でした!
砂糖を水に溶かすと、水だけの場合よりも比重が大きくなります。砂糖を加えていき、砂糖水の比重がニンジンよりも大きくなると、ニンジンは浮かび上がるです。
さらに研究を深めるなら…
・ニンジンの切り方や厚さを変えると、浮かび上がるまでに、それぞれ砂糖は何杯必要になるでしょうか。表にまとめると、立派な自由研究になります。
・ジャガイモやりんごなど、他の野菜やフルーツでも試すとおもしろいはず。
実験⑤キッチンでできる油の実験
ガラスのコップにサラダ油を入れます。中に入っているタイネツガラスのマドラーはどうなる?
用意するもの
・ガラス製のコップ
・耐熱ガラスのマドラー
・サラダ油
実験の手順
①コップに耐熱ガラスのマドラーを入れる。
②油を①に注ぎ入れる。
あなたの予想は…!?
①マドラーが太く見える
②マドラーが細く見える
③マドラーが見えなくなる
正解は…
③ でした!
サラダ油と耐熱ガラスは、光の進み方(屈折率)が同じです。そのため、サラダ油の中に入れた耐熱ガラスのマドラーは見えなくなったのです。
さらに研究を深めるなら…
・実験で使ったコップ(マドラー+油)の中に、水を入れたらどうなるか。
上から注いだ水は、油の下へ!水と油の屈折率の違いがよくわかるはず。
・他にも、油の種類(ごま油、こめ油、オリーブオイルなど)別に、比べてみるのもおもしろいはず。
ホームサイエンスを楽しもう
5つの実験はどれも家にある材料でできるものばかり。失敗しても大丈夫! むしろ「どうして、うまくいかなかったのかな⁉」「こうしてみたらいいんじゃない?」など親子で一緒に考え、工夫しながら「ホームサイエンス」を楽しんでください。その時間が、親子の時間であり、子どもの好奇心をたっぷり刺激してくれるでしょう。
実験の監修:S・S先生(東京都在住/元公立小学校教諭)
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文・構成/ひだいますみ