【シングルマザーの中学受験奮闘記】小4,小5でもやる気を出さない息子の、塾通いの目的はもしかして…! 塾長との談判で気づいた私の誤算

通塾

シングルマザーと息子の中学受験奮闘実録。2回目は、子どもが塾に通い始め、なかなか上がらない成績に直面し、塾長に直に相談しに行きます。その結果は…!?

前回までの流れ】

● 考えもしていなかった中学受験…。友達の影響で「塾に行きたい」と言いだす息子

● もともと勉強が好きではないから「入塾テストで落ちるだろう」と思っていたら、運よく合格

● そんなことから怒涛の中学受験の渦に巻き込まれていくことに…

 

前回の記事はこちら

「ママ、僕、塾に行きたいんだけど」望まぬ中学受験に巻き込まれる。軽い気持ちで塾に行かせたのが運の尽き・・・【シングルマザーの中学受験・奮闘実録|全寮制中高一貫校を選択した理由】

なんともおめでたい母親

母親というのは、どこか楽観的なところがあるのかも? と思うことがあります。特に私などは、その典型です。

子どもが塾に通い始めたら「きっと勉強が好きになる」とか「成績が上がれば、“友達に負けたくない!”という競争心も芽生えるだろう」「そうなればトップ校への入学も……」なんてことを、疑いもなく信じていました。今思い返してみれば、「なんとも、おめでたい母親」としか言いようがありません。

勉強の様子

なんでそんな楽天的な考えを持っていたのかといえば、「お金を払って週3回も通わせているんだもの、当然のこと」などと思っていましたから。

これも、私の大きな勘違いでした。

塾に行く目的が違った母と子

小学3年生の2月末からなんとか塾に滑り込んだ、息子。難問を解いたという理由だけで、学力別に3つに分けられたクラスの内、真ん中のクラスからスタートとなりました。とはいえ、実力が伴っていないので、1か月後のクラス替えテストではあっさりと一番下のクラスに移されることに。母親の「頑張ってくれるだろう」という期待と願いと想いはものの見事に打ち砕かれてしまいました。

きっと本人もショックを受け、「もう辞めたい」と言い出すかと思いきや、息子は意外なほどあっけらかんとしていました。「落ち込んだりしてない?」と聞いても、「別に大丈夫だよ!」と頓着がない様子でした。

表面的には気にしていないようでも、きっと心の中では「次は頑張るぞ」と思っているに違いないと母親である私は期待していました。少なくとも私が小学生の頃だったら、クラスが落ちた悔しさをバネに頑張るに違いありません。私の思いと息子の反応とのギャップに苛立ちさえ感じたものでした。

さらに私の期待を裏切ることが起こります。次のテストが近づいてくるというのに、息子はまったく勉強する素振りすら見せません。そんな息子の姿を見て、いてもたってもいられず、仕事そっちのけでテスト対策に付き合ったのです。こうなってしまうと、まさに親の受験そのもの。

そんなこんなで、クラス替えテスト当日。ひょうひょうと帰宅した息子に「テスト、どうだった?」と聞いたら「できた、ばっちりだよ!」というので、すっかり安心しました。これまた、おめでたい母親であることが、この後すぐにわかりました。

後日、テストの結果を確認した時に、あまりの点数にくらくらっとめまいが…。なんと、前回の結果よりもさらに悪くなっていたのです。

テスト

ところが息子は、そんなことお構いなし。じつに楽しそうに塾に通います。気に病んでいるような感じは、どこにも見られません。そんな姿を見て、私はある疑いを持ち始めました。「ひょっとして、この子は中学受験をすることが目的ではなく、塾に行って友達とぺちゃくちゃ話すことを目的にしているのでは?」…と。

やる気スイッチが入らぬ、息子…。 塾長へ直に相談!

その後も成績は上がらず、4年生になっても意欲的に勉強に取り組む姿勢が見られないまま、ダラダラと塾へ通う息子…。そんな風だから、毎回行われる小テストも情けない点数ばかり。

ついに業を煮やした私は、塾長に面談を申し入れました。しかし、私も仕事が忙しく、塾長も多忙なため、なかなか日程の調整がつきませんでした。

やっと面談ができた日。それまで溜まりに溜まった息子への愚痴とぼやき、塾への不満をぶちまける私。

「塾に入れたら、もっと真面目に勉強してくれると思っていたのに…。全然成績上がらないじゃないですか! どうしたらいいんですか!?」と詰め寄る私に、「まあまあ落ち着いてください、お母さん。4年生、5年生の男の子なんてそんなもんですよ。下手したら6年生の受験直前までのんびりしている子もいますからね」。

塾の先生も、成績の悪い子をもつ父兄への対応には慣れているのでしょうか? 私の怒りの矛先をうまく交わして、どこか肩透かしをくらったような形になりました。

面談風景

幾分気持ちが落ち着いたところで、塾長からは次のような質問がありました。

「ところで、お母さん。息子さんを入れたい学校、あるいは入ってもらいたい学校ってありますか?」と…。

「はぁ…?」と、私は答えに窮してしまいました。今の今まで「息子が入りたい学校、親が入れたい学校」なんて考えもしなかったのです。息子が息子なら、親も親。本当におめでたい親子…。

塾長と面談したことで、
・目標もないのに勉強するわけがないこと
・目標とする学校の偏差値も知らない
・自分の学力と偏差値との差をどうやって埋めるのか

そんなことが明確になっていないわけですから、成績なんて伸びるわけがないですよね。何をおいてもまずは、目標を明確にしなければならないことに気づいた私。

早速、地元の私立中学校を研究することにいたしました。

今回の学びと葛藤《まとめ》

● 塾に通うだけでは、成績は上がらない。やる気スイッチが入らなければ、どうにもならない

● 塾で一番下のクラスに落ちてもやる気を出さない息子の塾通いの目的は、友達とのコミュニケーション?

● 目標が定まらなければ、成績なんて伸びるはずがない。目標を明確にすることが大切

前回の【中学受験・奮闘実録】はこちら

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執筆/清宮ゆう子

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