兄弟の穏やかな日常が一変する!?ヒューマンサスペンス
市役所で働く平凡で真面目な優しい青年、小森洸人(柳楽優弥)は、両親を亡くしてから自閉スペクトラム症の美路人(坂東龍汰)と2人暮らし。
洸人は、弟のルーティーンに合わせて凪のような平穏な日々を過ごしていました。
ある日、兄弟の前に「ライオン」と名乗る男の子(佐藤大空)が現れ、この出会いをきっかけに彼らは事件に巻き込まれていきます…。
物語の冒頭では、雨が降りしきる中、森の中にある橋の上でライオンが母親らしき人物に首元に手をかけられるという不穏なシーンが流れます。兄弟の前に現れた少年が、どうやら“訳あり”だということがわかります。
ドラマのはじまりからハラハラするような展開で、こんなに集中してドラマを見るのも久しぶり!断片的に映し出される、ライオンに関する別の場所での出来事や過去のシーンなどにも今後の展開のカギがあるようで目が離せません。
自閉スペクトラム症の弟役、坂東龍汰の演技に注目
美路人は自閉スペクトラム症(ASD)でその特性からコミュニケーションが苦手だったり、こだわりが強い部分があり、ライオンとの突然の出会いでパニックを起こします。美路人がこれから、ライオンとの関わりの中で心にどのような変化が訪れるのか!?というのも見どころです。
初回放送後には、美路人役の坂東さんの演技がすごい!とSNSでも話題になるほど。坂東さんの目の動きや表情の変化など繊細な演技にも注目していきたいポイントです。
美路人は知覚・芸術の分野に突出したセンスを持っていて、現在は小さなデザイン会社でアーティストとして働いているのですが、ドラマの中で使われている絵画は自閉症の画家・太田宏介さんが描いたもので、素敵な絵画を見るのもドラマの楽しみのひとつです。
※ここからは1話のネタバレがあります
ライオンの母親は誰なのか
第1話の後半では、洸人は美路人のためにも平穏な日々を取り戻すために、ライオンを警察に保護してもらおうと考えます。しかし、ライオンから渡されたスマホに届いた「じゃあ、あとはよろしく」と差出人不明のメッセージを見て、もしかしたら自分にライオンを任せるという意味なのか?と考え、とりあえず一晩だけ小森家に泊まらせることに。
その夜、ライオンがカレーにたっぷりとマヨネーズをかけるのを目にして、子どもの頃に少しだけ一緒に暮らした異母姉の愛生(尾野真千子)のことを思い出します。愛生もなんにでもマヨネーズをかけていたからです。
「もしかしたら、あの人の子かも?」洸人はライオンの母親の目星をつけたころ、ライオンの体に複数のアザがあるのを見つけ、ライオンが虐待を受けているのかもという疑いを持つ展開に。
警察に連絡をしようと思いながらも、「本当にこれでいいのか、どうしたらいいのか?」と洸人は葛藤します。
凪いでいた生活が一変することを決意
翌朝、ライオンと二人で警察署の近くまで来ると、洸人は大声を上げて先を歩くライオンを追いかけます。そしてライオンの手を強く握り、なにかを決心した表情で警察署ではなく職場へ向かったのでした。その時のライオンの力強い眼差しは特に印象的です。
普段なら洸人の迎えの遅れに厳密だった美路人ですが、その日に限っては時間を過ぎてもいつものカウントすらせず、ルーティーンを自ら無視していました。美路人の言葉にならないライオンへの気持ちが表れているのでしょうか。
そしてその頃…、小森兄弟が暮らしているのとは別の場所で、橘祥吾(向井理)が警察署で行方不明届を提出していました。それが、愛生とその子どもだった……というところで1話が終了。
洸人はどうしてライオンを任されたのか、ライオンの家族に何があったのか……。完全オリジナルストーリーなので先が見えない展開に、SNSでは視聴者の考察が飛び交い初回放送後から大盛り上がりです!
第2話では、決心して始めてみたものの3人の生活はトラブル続き。そして新たなキャストの登場も気になるところです。お楽しみに!
さまざま事件を3人でどのように乗り越えていくのか必見
「自分はお兄ちゃんだから、こうしないといけない、弟のために生きていかなければいけない」と自分に言い聞かせながら、どこか違う場所を求めているような洸人を見ていて、もどかしさを感じる部分もありましたが、洸人がライオンの手を握ったところが、勇気を出したはじめの一歩。その姿を見て、全力で洸人と美路人を応援したい!という気持ちになりました。
小森兄弟の絆や人を思いやる気持ちが素敵で、2人には絶対に幸せになってほしいと感情が入ってしまいます。続きが気になりすぎて次回の放送が待ちきれない!これから巻き起こるさまざま事件を3人でどのように乗り越えていくのか、最後までしっかり見届けたいと思います。
※崎はたつさき
金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』 TBSテレビ 毎週金曜日22時から放送
公式サイトは>こちら
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文/やまさきけいこ