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晩秋から冬、6年生が気にすべきは模試の結果ではなく、過去問!
――6年生の秋は模試が多く、中学受験塾では11月くらいになると模試の結果も返ってくる頃です。でも、夏休み、あんなに塾に通ったのに結果がもうひとつ、しかも受験の時期もどんどん迫る。子ども以上に親は焦り、何をしたらいいのかわからなくなります。
6年生だと、保護者の方はますます焦ってしまうでしょうね。でも、この後、入試までの模試の成績は気にしなくていいです。重要なのは、志望校の過去問です。過去問は、その学校に合格するための最高の教材です。なぜなら入試問題の傾向を教えてくれているようなものだからです。偏差値が多少届かなくても、過去問を制覇すれば、かなりその学校の合格に近くなります。
ただ、過去問を解くには、各教科の基礎ができていることが前提です。基礎ができていないと問題の解き方すらわからない、ということにもなります。11月中に子どもの弱いところをなんとかつぶしていきながら、過去問に入っていきましょう。
過去問は、第1志望は5~10年分、第2志望も5年分解く
――過去問ってどれくらいの量解いたらいいものですか?
受験までに第1志望は5~10年分、第2志望は5年分、第3志望以下は2~3年分の過去問をやるのが目安です(出題傾向があまり変わらない場合)。解く時間や問題用紙の大きさなどをできるだけ本番と同じようにし、解いていきます。時間内に解き終わらなくてもいったん区切り、そこで点数を計算するわけですが、問題自体は時間切れになっても最後まで解き切り、すべての問題に触れておきます。
採点は、保護者がしましょう。そして、まずは受験者平均点を超えることを目標にします。
――12月に入ってしまうと、試験日まであと2カ月しかありません。その間にそんなにたくさん解いて分析して……、なんてできるのでしょうか。解き直しにも時間がかかります。
時間が足りないと感じているなら、何かを「省く」という選択も必要です。たとえば「記述が弱い」となり、集中的にやりたいから、あまり記述力を問われない模試があるならそれをスキップしてしまおう、とか。算数はわりと得意で点数もいいから、少し勉強時間を少なくして国語に時間を使うとか。できているところは省いてしまう、という思い切りも大事です。どれをどう省くかは、日頃お子さんの勉強をみている塾の先生や家庭教師の先生と相談するといいでしょう。
まだまだこの時期は、合格点に達していなくても問題ありません。基本的な問題での失点や、ケアレスミスはあると思いますが、それはだれでも同じような感じです。焦らずに、過去問から得られた学校の傾向に合わせて、苦手を潰すことが重要。そう信じて、お子さんにも伝えてあげてください。
そして、「ホントかな?」と思うかもしれませんが、ここからの短い間に効率よく対策ができたら、偏差値が5くらい届かない学校でも十分勝機があります。しっかりと個別に学校ごとの入試問題の対策をして、子どもがとれていないのはなぜなのかを分析し、そこを重点的に強くしましょう。まずは今通っている塾で相談するといいと思いますが、時間的に個別対策をしてもらうのは難しいと思えば、個別塾や家庭教師を追加でお願いすることもありかもしれません。
過去問で苦手な分野がわかったら重点的に勉強する
――過去問をただただ解いていればいいのでしょうか。
志望校の過去問を何年分かやってみると、毎回うまくできない、点を落としている分野が見えてきます。たとえば、理科の大問2でよく力学の問題が出るけれど、これがうまく理解できていないから点数を落としてしまう。ここが取れれば合格点に結びつくのに……、という場合、別の問題集も用意して、力学の問題に集中して取り組むことも重要です。
つまり、過去問だけ解くのではなく、そこから得られた情報をもとに、日々の演習で取り組む内容をカスタマイズする必要があるということです。「いつもここができない……」と落ち込まず、理解できるようにしっかりとフォローしましょう。
――この時期、どれくらい勉強時間をとるといいでしょうか。クリスマスや正月は休んでもよい?
もう、やれるだけやったら良いと思います。後悔しないようにベストを尽くす経験は、今後の人生にも活きてくるはずです。健康を害さない程度に、ちょっと無理するぐらい頑張るのがよいと思います。
ただ、この時期になってもお子さんのやる気が出ない!と悩んでいる保護者の方は非常に多いです。その場合、無理やりやらせようとしても、あまりうまくいきません。決まっている演習問題などを淡々とこなせるように、今、その子にできることをサポートすることに徹してください。
子どもが自信をなくす、うぬぼれる…この時期こその声かけは?
――急に自信をなくして本人がもうダメだと思ったり、逆にそんなうぬぼれて大丈夫?と思うこともあります。どうなだめたり励ましたり、ハッパをかけたりすればいいですか?
自信をなくしているときは、まずは傾聴が大切です。本人の心の内を黙って聞いてあげて、そして、可能なら共感してください。
本番前に不安でつらくなる経験は誰にでもあると思います。そんなときこそ、「合格は大切だし、不安になるのもわかるよ。一生懸命に取り組んでいるから悩むんだよね。でも、今できる限りのことをすることが重要だと思うよ」と伝えてあげてください。結果ではなくて過程が大事、ということですよね。
子どもは、親の期待に応えたい生き物です。でも、保護者が「どうしてもこの学校に入らないと」と、合格ばかりにこだわっていると苦しくなります。親御さんが、合格だけにこだわっているわけではないこと、どんな結果になってもお子さんを応援していることを伝えると、少しは楽になるでしょう。
いっぽう、うぬぼれているときは、それほど心配しなくて大丈夫です。自信があるのは、悪いことではないです。「もっと盤石にしていこう」と、そのうぬぼれを支える勉強のしかたにもフォーカスしながらも、「大丈夫だよ、イケるよきっと!」と、どんどんモチベーションを高める声がけをしてください。
この時期は子どもも大人も心と体の免疫力をつける!
――保護者としては、健康面のフォローもしてあげたいです。
衣・食・住を整えて健康に当日を迎えることはとても大切です。ちなみに、風邪を引かないために、僕がおすすめするのは、免疫力を高める食品です。中でも、受験生におなじみの「プロビオヨーグルトR-1」は、やはり挙げておきたいです。継続的に飲むことで、腸内環境を整え、免疫を高めます。実際、僕も慢性的に扁桃炎を繰り返す体質ですが、効果を実感しています。
また、お子さんだけではなく保護者のメンタルや健康も同じくらい重要です。勉強面の不安はお世話になっている塾の先生にすぐに相談してください。ひとりで抱えすぎないでくださいね。がんばりすぎず、時にはお茶をゆっくり飲む時間を持つなど、息を抜くことも大事です。
そして、穏やかに、ときに厳しく、大半はあたたかく、お子さんに伴走してあげてください。