ジェラートはイタリア発祥の冷たいデザート。イタリア語で「凍った」という意味があり、アイスクリームやシャーベットなどを総称して言います。その歴史は古く、なんと、旧約聖書にも登場するそうです。
ジェラートは自宅で作ることができる? 失敗しないコツは?
ジェラートは自宅でも作ることができます。旬のフルーツやお好みの食材を使って手作りするジェラートは、甘さが調節でき、フルーツなどの栄養も摂取することができるのがうれしいポイント。
しかし、ジェラートやアイスクリームを手作りした際、市販のようななめらかなものではなく、カチコチで固い食感に出来上がったという経験はありませんか?
それはそれで美味しいのですが、「思っていたものと違う…」となっては、せっかく作ったのに悲しいですよね。そんな失敗をしないためにも、なぜ手作りのアイスクリームやジェラートがカチコチになるのか、口当たりがなめらかにするためにはどうすればいいのか、見ていきましょう。

手作りジェラートはなぜカチコチになる?
手作りのジェラートやアイスクリームが固くなるのは、水分量や冷凍温度、空気の含有量が原因だと考えられます。
水分量が多いと、凍らす際に氷の結晶が大きくなり、ジャリジャリとした食感になってしまいます。また空気の含有量が少ないのも結晶が大きくなり、固くなる原因です。
なめらかなジェラートを作るコツ
では濃厚でなめらかなジェラートを作るためにはどうすればいいのか、コツをチェックしていきましょう。

・水分量を調節
牛乳や生クリームを煮詰めたり、フルーツを加熱してピューレ状にしたり、水分量を調節するのがポイントのひとつです。
水分量が多いと、氷の結晶が大きくなり固くなる原因に。また加熱することで、素材の味が濃縮されて濃厚な味わいに仕上がります。
・空気を含ませる
凍らせながら数回に分けて混ぜることで、空気を含んで氷の結晶が小さくなり、柔らかくなりやすくなります。
なめらかな食感にするのはしっかりと混ぜることが重要。生クリームは泡立てたり、フルーツや材料はブレンダーなどでしっかり撹拌したりするのもおすすめです。
・脂肪分と砂糖
牛乳や生クリームなどの脂肪分は、ジェラートをなめらかな口当たりにするために重要な成分です。
また砂糖は、水分の結晶化を抑える役割があり、甘さを控えようと砂糖を減らしすぎると、ジェラートは固く出来上がりやすくなります。
自宅で作るなめらかジェラートのレシピ2つ紹介
夏にぴったりなジェラート、「桃とヨーグルトのジェラート」と「塩ミルクジェラート」のレシピを紹介します。
なめらかで濃厚なジェラートに仕上げるために、加熱したり混ぜたりしますが、お好みの食感にしたり、時間の都合などで、工程を調節してみてください。
桃とヨーグルトのジェラート

【材料】
・冷凍白桃(お好みのフルーツでもOK)… 220g(市販の冷凍白桃2袋)
・生クリーム… 200ml
・ギリシャヨーグルト… 100g
・ハチミツ… お好みの量
・砂糖… 45g
【作り方】
1.冷凍白桃は少し解凍して、ブレンダーでピューレ状にします。

2.生クリームに砂糖を入れ、泡立て器やハンドミキサーでとろっとするまで混ぜます(しっかり混ぜすぎない)。

3.2にギリシャヨーグルト、ハチミツ、撹拌した白桃を入れ軽く混ぜます(マーブル状にしても美味しく見た目もオシャレ)。

4.3を容器に入れて冷凍庫で凍らせます。

5.30~40分ごとにフォークなどで混ぜ合わせるのを、3~4回繰り返し行ったら完成です。


塩ミルクジェラート

【材料】
・生クリーム… 200ml
・牛乳… 500ml
・砂糖… 40g
・塩(岩塩がおすすめ)… ひとつまみ
【作り方】
1.鍋に牛乳、砂糖を入れ、かき混ぜながら弱火で加熱します。

2.1は沸騰させないように、とろっとして半分の量くらいになるまで煮ます。
3.2に生クリームと塩を入れ、ひと煮立ちさせます。

4.容器に入れて粗熱をとります。

5.粗熱がとれたら冷凍庫に入れ、30~40分冷やします。
6.30~40分冷やしたら冷凍庫から出し、フォークなどでかき混ぜ、再び冷凍します。

7.6を3~4回繰り返したら完成です。

容器はステンレスやホーローなどの熱伝導がいいものがおすすめ
ジェラートを冷凍する容器は、プラスティックのものより、ステンレスやホーロー(琺瑯)などの、熱伝導がいいものがおすすめです。
フリーザーバッグに入れても作れますが、その際は、金属製のトレーにのせるなどすると早く冷凍することができます。

ジェラートの美味しい食べ方は?
ジェラートを冷凍庫から出してすぐ食べていませんか? ジェラートには、より美味しいと感じる温度があるようです。
美味しく食べるなら冷凍庫から出して少しおいてから食べる
ジェラートを美味しく食べるのに適している温度は、-8℃から-10℃くらいだといわれています。
家庭用の冷凍庫の温度設定は、-18℃以下に設定されていることが多いです。そのため、ジェラートは冷凍庫から出して、少し時間をおいてから食べると、口当たりなめらかで、より美味しく感じられます。

本場イタリアではジェラートを朝食に食べる?
本場イタリアのシチリア地方では、ジェラートを温かいブリオッシュに挟んで食べる楽しみ方もあります。「ブリオッシュ・コン・ジェラート」と呼ばれ、主に、朝食やおやつとして食べられているそうです。
口の中で温かいパンと冷たいジェラートが溶け合って美味しい1品。

暑くて食欲がないときの朝食やおやつに、ジェラートをパンで挟んで食べてみるのもいいですね。
ひんやり冷たくて美味しいジェラートを作ろう
ジェラートのレシピや作り方、失敗しないコツなどを紹介してきました。お好みの材料で簡単に作ることができるので、子どもと一緒に作って、好きなように盛り付けて食べるのも楽しそう。ジェラートをパンに挟めば、暑い日の朝食や軽食にもおすすめです。ぜひ作ってみてください。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)