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日本の土地を買いたい外国人が増えている
今、ニュースや国会で「外国人が日本の土地を買うときのルール」について、とても大きな議論になっています。もしかすると、皆さんもテレビで聞いたことがあるかもしれません。これは、日本の安全と未来に関わる、とても大切なお話です。
日本は今、世界中の人から人気があります。観光客がたくさん来るだけでなく、「日本の土地を買いたい」という外国の人や会社も増えています。

皆さんは「自分の土地なんだから、誰に売っても自由じゃないの?」と思うかもしれません。しかし、もしあなたの家のすぐ隣に、全く知らない人が引っ越してきて、毎日あなたの家の中を双眼鏡でのぞいていたり、不思議な機械を使っていたりしたらどう思いますか?
きっと、怖くて安心して暮らせませんよね。これと同じような心配が、今、日本という国全体で起きているのです。
日本の安全や、大切な自然を管理できなくなってしまったら…
特に心配されているのが、「自衛隊の基地」や「原子力発電所」といった、日本を守るための大切な場所のすぐ近くの土地です。もし、日本とあまり仲の良くない国の政府や組織が、基地のすぐ隣の土地を買ってしまったらどうなるでしょうか。自衛隊の車や飛行機がいつ動くのかをこっそり見張られたり、大事な無線やレーダーの邪魔をされたりするかもしれません。そうなると、いざというときに日本を守ることができなくなってしまう恐れがあります。

また、北海道などの自然豊かな場所では、森や山が買われることも増えています。森は、私たちが飲む「水」を生み出す大切な場所です。ここを外国の会社が勝手に管理するようになると、日本の大切な水資源がどうなるかわからないという不安もあります。
外国人が土地を買いやすい日本。新たに法律をつくることに
実は日本は、世界の中でも「外国人が土地を買いやすい国」なのです。多くのアジアの国では、外国人が土地を持つことを禁止していたり、厳しいルールがあったりします。しかし日本はこれまで、「お金さえあれば、誰でも自由に土地を買っていいよ」というルールでした。そこで、「さすがに誰でもOKにするのは危険ではないか」という声が大きくなり、国は新しい法律を作ることにしたのです。それが「重要土地利用規制法」という法律です。
この法律は、外国人が土地を買うことをすべて禁止するものではありません。自衛隊の基地の周りや、国境にある島など、「ここだけは特に重要」という場所を決め、その周りの土地の持ち主を国が調べられるようにしたのです。そして、もし電波を妨害するなどの悪い使い方をしていたら、「やめなさい」と命令できるようになりました。いわば、日本の家に「新しい鍵」をかけたようなものです。
安全を守ることと、外国との良い関係を保つことのバランスが重要
「もっと厳しくして、外国人は全部ダメにすればいいのに」と思う人もいるかもしれません。でも、それもまた難しい問題です。日本は外国と仲良くし、貿易をしています。もしルールを厳しくしすぎると、「日本で商売をしたい」という良い人たちまで、「日本は面倒くさいからやめよう」と離れてしまうかもしれません。また、海外に住んでいる日本人が、逆に外国で土地を買えなくなってしまう可能性もあります。
だからこそ、「日本の安全はしっかりと守る」ことと、「世界の人たちと仲良く交流する」ことのバランスをどう取るかが、大人たちの間で真剣に話し合われているのです。
この問題は、単に外国の人が好きか嫌いかという話ではありません。自分たちの住む日本という大きな「家」の安全をどう守り、未来にどう残していくかという、とても大切なテーマなのです。
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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教壇に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。
