自由研究のテーマはどうやって決める?
HugKumでは、小学生のお子さんを持つママやパパ120人を対象に自由研究のテーマ決めについてアンケートで聞いてみました。
Q:自由研究のアイデアはどこから得ていますか?
「子どもが自分で考える」が1位で、2位の「インターネット検索」とほぼ同率です。
実際の道筋としては、お子さんが興味・関心のあることや、普段から疑問に思っていることをいくつか検索し、そこからそれが検証可能であるかどうか、実際にどんな実験方法があるか、どんな考察結果を導き出せそうかを予想して、研究テーマを絞っていくようです。
検索などの事前調査を親が手伝う場合にも、まずは「どんなことをやってみたい?」「調べてみたいことってある?」といった親子の対話の中からお子さんの興味の対象を引き出すことで、お子さんが「自分で選んだ」という当事者意識と達成感を持てるようになるでしょう。
それでは、具体的にはどんな研究テーマがあるでしょうか。アンケートをもとに、学年ごとにおすすめ自由研究をいくつかご紹介します。
小学4年生向けの自由研究テーマ
スライム作り
ビヨーンと伸びて独特の感触がおもしろい「スライム」。手作りすることで化学実験の手応えと完成後の楽しみの一挙両得。聞き慣れない材料の「ホウ砂」は洗浄剤や研磨剤としても使われますので、スライム作りとあわせて、ホウ砂の用途について調べてみてもいいですね。
ママパパの声
やり方
【材料】
ホウ砂 ⇒ 約5g(ドラッグストアやホームセンター、ネットショップなどで入手できます)
洗濯のり(PVA入り) ⇒ 100cc
水 ⇒ (100 + 50 )cc
計量カップ・ボウル・かきまぜ棒・絵の具(着色料)
【作り方】
1)ボウルに100ccと洗濯のり100ccを入れて混ぜ、さらに絵の具を入れて色が均一になるように混ぜる。
2)あらかじめ水50ccにホウ砂5gを溶かしたホウ砂溶液を作っておき、1のボウルに入れてよく混ぜ合わせる。
ホウ砂を使わない作り方もありますので、ネットの情報を参考にしてください。スライム作りのキットなども販売されています。
デビカ 工作 スライミーができちゃう~
星座観察
夏の夜空に輝く、いて座やさそり座や「夏の大三角形」などを見つけて、スケッチや写真にまとめて観察日誌をつけてみましょう。
星座は星座早見表や星座の図鑑などであらかじめ調べておき、灯火や建造物などがない場所で観察します。高機能の天体望遠鏡がなくても、環境条件がよければ双眼鏡や肉眼でも観察することができます。
写真に撮る場合には奨励されるレンズやコツなどがありますので、カメラ専門サイトの情報などを参考にしてください。
ママパパの声
やり方
【用意するもの】
星座早見表(市販のものやダウンロードしたものなど)
懐中電灯
方眼紙
時計
方位磁石
【観察方法】
1)観察ポイントを決め、明るさや星の並び方に特徴のある星・星座を見つけ、そこから星座表を参考に他の星座を探していく。
2)星座を見つけたら方眼紙に記録し、日にちや時刻を記入する。
何日かに分けて記録をつけたり、一時間ごとの星の移動を観察したり、見つけた星座にまつわる伝説などを調べてみてもよいですね。また、既存の星座に加えて、自分で自由に星座をつくって名前をつけてみても。
星座の観察キットなども販売されています。
星座観察キット
警察犬について調べる
動物が好きだけど、家でペットは飼っていないし、動物園に行っても何を観察したらいいかわからない…。そんなときは警察犬や盲導犬など、社会貢献している動物について調べることで、社会科的な発見と知識を得られます。
ママパパの声
やり方
【調べる項目】
向いている犬種について調べる
仕事の内容について調べる
訓練の内容と過程について調べる
【方法】
警察庁や日本警察犬協会のHPなど
日本盲導犬協会や東日本盲導犬協会のHP、またはそのイベント
訓練施設のHPやパンフレットなど
絵が得意なら、犬種のちがいや特徴をイラストで図解してもいいですね。
小学5年生向けの自由研究テーマ
昆虫の標本をつくる
夏の自由研究として定番の昆虫標本。とはいえ、虫が苦手なママパパには手伝いにくいこともあり、実際はそれほどみんながやっているものではありません。標本にふさわしい虫が手に入れば、市販のキットを使って小学生でも昆虫標本をつくることができます。
標本をつくったら、採取場所や年月日・図鑑で調べた内容なども記載すると、学習要素が深まります。
ママパパの声
マルカン はじめてのかんたん昆虫標本セット
ハーバリウムを作る
ガラス瓶の中に乾燥処理をした植物を入れ、保存オイルや防腐剤などに浸したハーバリウムは、見た目もインテリアのようにきれいで、女児の自由研究に人気です。
ハーバリウムは植物標本の意味もありますので、使用した植物について調べたことを記載すると学習面も補強されます。材料にはハーバリウムオイルや乾燥処理された花材を使いますので、材料集めに困ったら制作キットを利用するのも手です。
ママパパの声
ハーバリウム 手作りキット ロングサイズ 2本セット
手作りキャンドル
手作りキャンドルは作ったあと実際に家庭で使うことができ、特別な日の食卓に使えば、お子さんも「自分が作った」と得意な気持ちになれることでしょう。
やり方
【用意するもの】
古いろうそく
クレヨン
紙コップ
割りばし
鍋と耐熱ボウル
【作り方】
1)細かく削ったろうそくを湯煎や電子レンジなどで溶かす。芯の糸は鍋から菜箸などで引き上げておく
2)削ったクレヨンを入れて色をつける
3)紙コップの上に割りばしを渡し、1で引き上げた芯の糸や新しいたこ糸を、その割りばしに挟んで垂らして糸を固定する
4)2を、3の割りばしにかからないよう、紙コップに注いで1~2時間常温で冷やす
5)かたまったら紙コップをはがしとり、芯の長さをはさみで調整してできあがり
キャンドルづくりは火傷に注意して、必ず保護者の方がいっしょにつくってください。
キャンドルの色づけは、最初につくったろうにちがう色のクレヨンを少しずつ足していって、違う色やマーブル模様を作りだすこともでき、色のかけあわせの学習にもなります。
手作りキャンドルも、専用キットを入手してチャレンジできるのでお手軽です。
カメヤマキャンドルハウス ボタニカルキャンドルキット 3個アソート
自分の街の歴史を調べる
定番ですが、調査・理解・総括といった総合的学習能力を高めることができ、フィールドワーク的思考も身につくことから、評価の高いテーマです。
居住している地域の役所や図書館、公的施設、史跡や歴史的建造物をたずね、パンフレット・HPなどで情報を集めます。画像や情報はネットでも手に入りますが、評価アップのコツは実際にたずねていき、自分で写真を撮ったりスケッチをすること。
地図も手描きにして、調べた地区・ポイントごとに章を立て、写真やスケッチ、調べたことや感じたことをまとめてみましょう。単なる資料のひきうつしではなく、実際に取材したレポート風にすることでオリジナルな研究になります。
自分の住んでいる街でもいいですし、祖父母の家に帰省した思い出といっしょに、その地域を研究してもいいですね。
ママパパの声
「身近にあるショッピング施設の歴史を学び、この地方の歴史を学べるから」(30代・愛知県・子ども2人)
【研究のヒント】
・国全体の歴史と、地域の歴史を年表で比較する
・歴史的建造物・史跡の年表をまとめる
・地域のメイン産業のなりたちを調べる
・特産品や名物の発祥由来を調べる
・河川、鉄道、商店街などのスポットに絞って歴史的変遷をまとめる
・地域出身の歴史的人物について調べる
・自分の通っている学校の歴史を調べる
・交通標識や看板から、その区画の特性を読み解く
どこに行けばどんな情報が手に入るかといったことから親子で話し合い、家族のレジャー外出もかねて、自分が住む街の知らなかった一面にふれてみましょう。
小学6年生向けの自由研究テーマ
海の生物の研究
海に行ったら、磯遊びで見つけた生き物や魚を記録に残して、図鑑で調べた内容とともにまとめてみましょう。
干潮時の水位が下がったときに現れる岩場は、潮が引く際に凹部に水がたまり、「タイドプール」と呼ばれる潮だまりができます。ここでは小さい魚や生き物をたくさん観察できます。それを写真に撮って、図鑑の分類別に整理して自分だけの生物図鑑をつくってみましょう。
生き物が苦手なお子さんは、貝殻を収集して図鑑で調べ、「科」や「属」で分けた標本をつくるのもおすすめです。微小貝と呼ばれる大きさ数ミリの貝は、破損されずにきれいな形で拾えることも多いので、採取した微小貝をルーペで拡大してスケッチしてまとめても、オリジナルのイラスト図鑑ができますよ。
ママパパの声
【観察のアドバイス・注意点】
・毒性を持っている生き物もいますので、安易に素手で振れない
・満潮時には水位が上がり、岸から離れた岩場に取り残されることもあるので場所と時間に注意する
磯遊びに便利な道具がありますので、準備を整えてから行きましょう。
エーワン 川磯遊び観察セット2
新聞記事の切り抜き
新聞を切り抜いてスクラップブックをつくってみましょう。新聞に目を通すことで、いま社会で何が起こっているか、どんなことが話題になっているかを知ることができます。ネットやデジタルニュースとちがい、見出しの大きさやレイアウト上の扱いなどから記事の重要度を把握することもでき、それらの切り抜きを自分なりのテーマで再レイアウトすることで、総括やまとめの力が身につきます。
テーマに沿って新聞紙を切り抜いたら、ノートやルーズリーフに貼り付けます。わからない言葉や重要なキーワードに線を引き、それについて調べたことを切り抜きのまわりに書いたり、資料を貼り付けたりすると、単なるスクラップブックではなく手作りの時事ガイドブックが出来上がります。その夏にどんなことがあったか、大人になって読み返してみる楽しみもできますね。
ママパパの声
やり方
【例1:夏休み中の世の中の動きをまとめる】
・夏休み中、もしくは8月中などに期間を定めて、その間にあった出来事を「政治」「社会」「海外」「文化」などジャンル別にまとめる
【例2:特定の出来事の変遷をまとめる】
・気になる事件や時事問題に関して、古い記事から順にスクラップして変遷をまとめる
【例3:新聞比較】
・同じ日の第一面や同一の出来事の記事について、数社の新聞を比較して、記事の大きさの違いや社説の論調などの違いを比べる
自宅で紙の新聞を購読していない場合は、図書館でコピーをとったり、ダウンロードサービスの紙面ビュアーをプリントアウトして代用することも可能です。
化学実験
自由研究の「研究」という響きから、化学実験をイメージするお子さんも多いのでは。といっても、自宅には実験器具もないし、何を用意すればどんな実験ができるかわからない…危険な実験もさせたくない…などの理由からハードルが高いのも現実です。でもこんな時こそ実験キットをじょうずに利用してトライしてみましょう。
ママパパの声
ここではネット通販で入手できる実験キットを、いくつかをご紹介します。
触れる図鑑 つかめる水
商品に入っている2つの溶剤と、 ペットボトルなどの家庭にある容器でつかめる水が作れる実験キットです。
化学のヒカリ水でいろいろな色をつくろう!
混ぜると光る液体を使って、色の調合や色の三原色観察できる実験キットです。
力学 超飛距離ペットボトルロケットキット
付属のテキストと合わせて、ロケットが飛ぶ仕組みを学習できる、ペットボトルロケットの制作キット。
HugKumでは、自由研究のアイデア満載の特設サイトを開設しています。そちらもあわせてご覧ください。
低学年向けの簡単な自由研究テーマ
主に小学4~6年生の自由研究テーマをご紹介してきましたが、その他1~3年生の低学年でもできそうなテーマについても、アンケートからピックアップしました。
工作
ペットボトルや食品の空箱に音の鳴る物を入れて楽器をつくったり、モビールや風鈴をつくったり。男児であれば乗り物をつくっても楽しいです。
ママパパの声
「トイレットペーパーの芯や食品の空き箱などを使えば安上がり」(50代・東京都・子ども1人)
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液体の凍る速さの実験(氷の実験)
家の中で完結できて手軽な割には、立派な理科実験レポートが得られます。凍らせる物によって固まる温度が違うことを確認しましょう。
ママパパの声
「がんばれば一日でもできる」(50代・神奈川県・子ども1人)
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砂浜に落ちているもの探し
海水浴レジャーと自由研究をかねることができて一石二鳥。砂浜では貝柄以外に、珊瑚のかけらや、水で洗われてエッジがまるくなったガラス片なども見つけることができます。
ママパパの声
「ビーチコームがはやってるから」(50代・神奈川県・子ども1人)
雲の観察
普段なにげなく見上げている空も、きちんと観察するといろいろな形の雲があることに気づきます。雲の名前と気象状態との関係を調べても多くの発見が得られます。
ママパパの声
「写真が好きだから」(40代・神奈川県・子ども2人)
植物の成長や花の種類調べ
自宅で育てている植物でもいいですし、レジャーで出かけた山や高原にも観察素材をもとめることができます。スケッチして種名を記すだけでも素敵なイラスト図鑑になりますよ。
ママパパの声
「調べる癖をつける」(40代・千葉県・子ども2人)
新幹線の歴史
鉄道が好きな子におすすめ。新幹線の種類と特徴・走行路線などの詳細をまとめると、大人顔負けの新幹線ガイドができあがります。
ママパパの声
「親が鉄道好きなので」(40代・神奈川県・子ども2人)
昆虫観察
「学習」「研究」と大袈裟にとらえず、好きなことをするのがいちばん。昆虫好きのお子さんなら夢中になるテーマです。
ママパパの声
「昆虫が大好きで毎年、昆虫に関する事で自由研究をしているため」(40代・東京都・子ども2人)
貼り絵
画用紙・折り紙・のりがあればでき、それでいて色の要素をひとつの画面に再統合するという構成力が問われます。ぜひ大作に挑戦してみましょう。
ママパパの声
「作品を飾って記念にもなる」(40代・神奈川県・子ども3人)
夏休みの自由研究は一生モノ
親の負担も大きい夏休みの自由研究ですが、大人になって振りかえると貴重な思い出になります。学校の勉強とはちがう体験型の学習をやりきった記憶は、達成感や自信につながります。またパパやママに相談し協力してもらうことで、親子のコミュニケーションも活発になりますね。自由研究の思い出は、小学生時代の大切な経験として一生モノになることでしょう。
夏休みの自由研究
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構成・文/HugKum編集部