毎年9月に各国の指導者が国連に集結。そこでは何が行われるの?【親子で語る国際政治】

今知っておくべき国際問題を国際政治先生が分かりやすく解説してくれる「親子で語る国際政治」。今回は、毎年9月に行われる国連総会について、小学生にもわかるように解説します。

世界各国から大統領や首相が集まる国連総会

毎年9月になると、ニューヨークにある国連本部に、世界各国の大統領や首相などが集まります。テレビのニュースで、各国の指導者が国連総会の演壇に立って演説する場面を見たことがある人もいるかもしれません。

では、なぜ世界中の指導者が毎年9月に集まるのでしょうか。その中心となるのが「国連総会」です。国連総会は、国連に加盟する193カ国が参加する重要な会議です。国連安全保障理事会のように一部の国だけが参加するのではなく、原則としてすべての加盟国が参加できることが大きな特徴です。

9月に行われるのは「一般討論会」

特に毎年9月に行われるのが「一般討論演説」です。各国の首脳や政府の代表が国連総会の場で、自分の国が現在どのような問題に直面しているのか、国際社会に何を求めるのか、どのような外交政策を進めたいのかなどについて発言します。これは、世界の国々が一つの部屋に集まって「世界の問題について、それぞれの国の考えを発表する場」と考えると分かりやすいでしょう。

話し合われるテーマは非常に幅広いものです。戦争や平和だけではありません。気候変動、貧困、食料問題、感染症、核兵器、経済、エネルギー、人権、持続可能な開発など、国境を越えて一国だけでは解決しにくい問題が議論されます。

各国首脳による外交も行われる

2026年の国連総会では、9月22日から28日に一般討論演説が予定されています。また、気候変動、海面上昇、感染症への備え、核軍縮などをテーマとする首脳級の会合も開かれる予定です。つまり、9月の国連は首脳が演説するだけの場所ではありません。さまざまな国際問題について、会議や交渉が集中的に行われる時期なのです。

さらに重要なのが、各国首脳による外交です。国連に世界の指導者が集まるため、この機会を利用して、二国間や複数国の首脳会談も数多く開かれます。普段はなかなか会えない国の指導者同士が直接話し合ったり、外相などの政府関係者が意見交換したりします。

国連総会で採択される決議もあります。ただし、総会決議の多くは安全保障理事会の決議とは異なり、加盟国を直接法律のように拘束するものではありません。それでも、多くの国が賛成した決議には、国際社会の意見を示すという重要な意味があります。

国連がある意味とは?

ここで「国連が世界政府なの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。答えは違います。国連は世界政府ではありません。各国にはそれぞれ政府があり、国連が世界中の国を直接支配しているわけでもありません。

では、国連には何の意味があるのでしょうか。それは、国同士が話し合うための共通の場所を作ることです。国によって考え方が違っていても、同じテーブルにつくことで、対立を少しでも解決したり、協力できる分野を見つけたりできます。

もちろん、国連に集まればすべての問題が解決するわけではありません。国同士の利害がぶつかれば、合意できないこともあります。それでも、戦争や貧困、気候変動など、一つの国だけでは解決できない問題が増えている現在、各国が直接話し合う場の重要性は小さくありません。

毎年9月のニューヨークでは、世界のニュースになるような演説や首脳会談が相次ぎます。しかし、その本当の意味は、華やかな舞台にあります。世界には考え方も利益も異なる国がたくさんあります。その国々が同じ場所に集まり、どうすれば一緒に問題を解決できるのかを話し合うこと。それが、毎年9月に国連で行われていることなのです。

この記事を書いたのは

国際政治先生 国際政治学者

国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教壇に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。

こちらの記事もあわせて読みたい

国連が機能しなくなっている!? これで国際平和や安全は守られるの? 【親子で語る国際問題】
最近、国連が「機能不全」と言われるのはなぜ? 近年、「国連が機能しなくなった」という声を耳にすることが増えました。国際平和と安全の維...

編集部おすすめ

関連記事