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子どもたちと美術館をつなぐ「CCwM」とは?
未来を担う子どもたちが、芸術や文化に触れることはとても大切です。とはいえ、親子で美術館を訪れるとなると、「子どもといっしょに楽しむのは難しそう」「周囲が気になって子どもを連れて行きづらい」と感じる人も少なくありません。
そんな親子に、もっと美術館を身近に感じてもらいたいという思いから、国立美術館がAdobe Foundationの支援を受け、2024年度にスタートした取り組みが「Connecting Children with Museums(CCwM)」です。

東京国立近代美術館(東京都千代田区)、国立工芸館(石川県金沢市)、京都国立近代美術館(京都府京都市)、国立映画アーカイブ(東京都中央区)、国立西洋美術館(東京都台東区)、国立国際美術館(大阪府大阪市)、国立新美術館(東京都港区)と全国に7施設ある国立美術館では、それぞれの特色を生かしながら、親子がもっと気軽に美術館に足を運べる環境づくりに取り組んでいます。(※)
周囲に気兼ねなく鑑賞できる「ファミリーデー」の実施や、鑑賞プログラム、工作ワークショップ、映画上映会など、子どもたちが参加できる様々な機会が用意されているんです。
「美術館って楽しい!」という体験を通して、子どもたちと美術館をつないでいく…それが、CCwMのめざすところなのだとか。
※2026年のCCwMプログラムは6施設で展開されています。
WEBサイト「おでかけ国立美術館」は>>コチラ
昨年は9,000人超が来場! 東京国立近代美術館「Family Day こどもまっと」が10月に開催
CCwMのプログラムを行う美術館のひとつが、東京・竹橋にある東京国立近代美術館(MOMAT)です。
※MOMATは、英語名「The National Museum of Modern Art, Tokyo」の略称。

皇居にほど近く、北の丸公園の緑に囲まれた同館。東京メトロ東西線「竹橋駅」から徒歩3分とアクセスもよく、近現代の日本美術を中心に幅広い作品を鑑賞できます。
そんな同館で、CCwMの一環として2026年10月8日(木)~10月16日(金)に開催されるのが、「Family Day こどもまっと」。
※10月13日(火)は休館日のため実施されません。

親子で気兼ねなく美術館を楽しめる内容で、昨年は4日間で9,000人以上が訪れた人気イベントです。
子連れにうれしい「こどもまっと」4つのポイント
「こどもまっと」の人気のヒミツは、子連れにうれしい様々な工夫にあります。過去の開催時の写真とともに、4つのポイントをご紹介します。
ポイント1:「静かにして!」は不要。子どもが声をあげて泣いても笑ってもOK
「美術館では静かにしなくちゃ」と思うと、子どもを連れて行くのをためらってしまうこともありますよね。そんな心配も、「こどもまっと」なら不要です。

子どもが主役の8日間だから、声をあげて泣いたり笑ったりするのも大歓迎。周りを気にしすぎることなく、親子で美術館を楽しめます。
もちろん、大声で叫ぶ、館内を走り回るなど、ほかの人の鑑賞を妨げることは控えたほうがいいですが、基本的なマナーを守りながら、子どもの「これ何?」「面白い!」という声をきっかけに、親子で作品について自由に話せるのも魅力です。
静かに作品を見るだけでなく、親子で言葉を交わしながら作品を楽しめるので、美術館がぐっと身近に感じられそうです。
ポイント2:ベビーカーのまま展示を見て回れる
東京国立近代美術館では、通常時も館内をベビーカーで移動できますが、混雑時には使用がためらわれる場合も。一方、「こどもまっと」開催期間中は、終日ベビーカーで館内を移動できるのもうれしいポイント。

ベビーカーでそのまま展示を見て回れるのはもちろん、途中で歩き疲れた子どもを乗せてひと休みすることもできます。
もちろん「抱っこひもで動きたい」という人にも配慮。ベビーカー置き場も、通常時より広く用意されています。


かさばる荷物をコインロッカーに預ければ、身軽に美術館めぐりを楽しめます。
ポイント3:授乳室やおむつ替えスペースを拡充
美術館を楽しんでいる途中でも、授乳やおむつ替えは待ったなし。そんな子連れ事情にもしっかり配慮しています。
美術館エントランスホールの一角には、ボックス型の個室授乳室を用意。完全個室なので周囲を気にせず利用でき、授乳はもちろん、離乳食をあげることもできます。


おむつ替えは、館内3か所にある多目的トイレでいつでもできます。
さらに2026年10月10日(土)~10月12日(月・祝)は、会議室を授乳やおむつ替えができるスペースとして開放。

小さな子ども連れでも、より安心して過ごせるようになっています。
ポイント4:疲れたら休憩、遊びたいときは遊べる! 食事スポットもあちこちに
美術館を楽しんでいると、子どもが「ちょっと飽きたかも」となったり、「疲れたぁ」「おなかすいた!」と言い出したりすることもあるはず。そんなときに頼れるスポットが、館内外にいくつもあります。
1階や2階のテラス席は、緑を眺めながら外の空気を感じて、親子でひと休みするのにぴったり。飲食もできるので、作品鑑賞の合間のおやつや食事にも利用できます。

また、1階の前庭には芝生スペースがあり、レジャーシートを敷いてくつろぐこともできます。

シートの無料貸し出しもあるので、手ぶらでピクニック気分を楽しめるのもうれしいところです。
3連休中には、エントランス付近に「ラー・エ・ミクニ」のキッチンカーも登場。

ドリンクやフードをテイクアウトして、前庭や休憩スペースで味わえます。
さらに地下講堂も飲食可能な休憩スペースとして開放されるため、「どこで食べよう?」と場所を探さずに済みそうです。
エントランスホールには、「こどもまっと」の期間中、やわらかいクッションブロックでつくられたプレイスペースも用意されています。

作品を見て回る合間に、ちょっと遊んでひと息ついたり、気分転換したりできるスペースです。
見るだけじゃない! 親子で楽しむ体験型プログラムが充実
「そもそも、子どもと美術館ってどうやって楽しめばいいの?」「美術の知識がないけれど、大丈夫?」そんな心配も不要です。
作品を見たり、スタッフとお話ししたり、館内を探検したり。子どもが自分なりの楽しみ方で美術館に親しめる、様々なプログラムが用意されています。
ここでは、過去の開催時の写真を交えながら、2026年も実施予定の注目プログラムをご紹介します。いずれも事前予約は不要で、追加料金なし。当日、気軽に参加できます。
特別展示“物語を「みる」”
物語をテーマにした多彩な作品を、物語のあらすじや、作品を読み解くヒントとともに展示。

美術の知識がなくても、「これはどんな場面?」「この人は何をしているの?」など、親子で話しながら作品を見るのも楽しそうです。
期間中の平日には、ガイドスタッフが来場者といっしょに展示を楽しむ活動も実施します。
ファミリー向け対話鑑賞プログラム「MOMATコレクション発見隊」
東京国立近代美術館では、1万4,000点超の所蔵作品から、会期ごとに約200点を「MOMATコレクション」として展示しています。
その作品を、ガイドスタッフなどといっしょに“発見”しながら楽しめるのが「MOMATコレクション発見隊」。

作品をじっくり見ながら、感じたことや考えたことを自由に話します。「自分はこう思った!」と、子どもならではの視点で作品を楽しめるのも面白いところ。
展示室内で、こどもまっとのTシャツを着たスタッフの声かけで始めるので、その場で気軽に参加できます。
子ども向け美術館体験プログラム「MOMATまるごと探検隊」
「MOMATまるごと探検隊」は、ガイドスタッフなどがナビゲーターとなって、展示室だけでなく美術館をまるごと探検するプログラムです。8枚のカードから好きな1枚を選んだら、さあ探検スタート!

カードに写っているものを探しながら、作品や館内外の様々な場所をめぐります。まるで宝探しのように、次々と「見つけた!」を楽しめるワクワク感も魅力です。
階段などを使って歩いて回るため、1人で歩けるお子さんが対象。最後の地点で解散となるため、保護者の同伴が必要です。
子ども向け美術館体験ツール「みつけてビンゴ!」
期間中の平日には、ビンゴに描かれたものを探しながら、作品の中に描かれた形や色、展示室で見かけるイスや人など、様々なものに目を向け、美術館を楽しめる体験ツール「みつけてビンゴ」が無料で配布されます。

「見つける」というシンプルな遊びなので、未就学児から気軽に楽しめます。
子ども向け絵本の読み聞かせイベント「美術館で絵本をひらこう!」
今回の所蔵作品展で作品を鑑賞できる奈良美智さん、佐藤忠良さん、村山知義さんが絵を手がけた絵本を、親子で楽しめる読み聞かせイベントも。

絵本で親しんだ作家の作品を、今度は美術館で実際に見つけてみる――。そんな楽しみ方ができるのも、この機会ならではです。
「子どもがいるから」を理由にあきらめないで。子ども大歓迎の美術館、その想いとは?
「こどもまっと」は、どのような思いから始まったのでしょうか。今回は、企画・運営に携わる職員のお三方に、親子を迎える工夫やその背景についてお話を伺いました。

「当館では30~40代女性の来館がほかと比較して少なく、その理由を尋ねたところ、『子どもがいるから』という声がありました。そこから、お子さんがいても気兼ねなく美術館を楽しんでもらえる機会をつくりたいと考えたんです」と野邉さん。
2023年に始まった「こどもまっと」は、同年2回目の開催で約4,000人が来場するほどの反響に。これをきっかけに、親子がより気軽に参加できるプログラムの充実も進められました。
「このときに、実は想像以上に親子で美術館を楽しみたいというニーズが高いことを実感しました。より気軽に参加してもらうには、予約なしで参加できるプログラムがいいのではないかと考え、2024年からは『MOMATコレクション発見隊』や『MOMATまるごと探検隊』を実施するようになりました」と端山さん。
プログラムが充実していく一方で、親子を迎える運営体制も少しずつ広がっていきました。
「こどもまっとの運営では、ボランティアさん(ガイドスタッフ)も大きな役割を担っているんです」と話すのは山本さん。
実際、「こどもまっと」には館内の様々な部署の職員を始め、協力スタッフ、ボランティア、インターンも関わっています。これほど多くの部署や立場の人が関わる横断的な取り組みは、同館でも珍しいそうです。

3人のお話を伺い、利用者の声を受け止めながら、回を重ねるごとに「こどもまっと」が親子にとってより楽しみやすい場へと進化してきたことがわかりました。さらに、館内の様々な立場の人が総力をあげて親子を迎えていることからも、子連れの来館を歓迎する姿勢が伝わってきます。
11歳の息子を持つ筆者も、「美術館って、こんなに親子を歓迎してくれるんだ!」と、思わずうれしくなりました。
親子でアートにふれる最初の一歩。美術館デビューは「こどもまっと」から
「美術館デビューしてみたいけれど、子どもといっしょだとハードルが高そう」と感じているママ・パパ。この秋、東京国立近代美術館で開催の「Family Day こどもまっと」に足を運んでみませんか。
泣いても、おしゃべりしてもOK。ベビーカーで館内を回ることができ、親子で楽しめるプログラムも盛りだくさんです。子どもといっしょだからこそ楽しめる、美術館の新しい楽しみ方に出合えそうです。
筆者自身、今回の取材を通して「息子と行ってみたい!」という気持ちが高まり、事前予約が必要な3連休の1日に早速申し込みました。息子とどんな作品に出合えるのか、今から楽しみです。
今回ご紹介したもののほかにも、CCwMではこの秋から来春にかけて、子どもたちがアートに親しめる企画が予定されています。
東京国立近代美術館では、アーティストや専門家との出会いを通してアートへの理解を深める「中高生プログラム」を2026年10月〜2027年4月頃に開催予定(全6〜8回・事前申し込み制)。
また、国立映画アーカイブでは、映画上映や解説、子ども向けの映写室見学を行う「NFAJ コレクション 2027 春(仮)」を2027年3月9日(火)〜3月21日(日)に開催予定です。気になる方は各館の公式HPをチェックしてみてください。
写真提供/東京国立近代美術館
【開催概要】
「Family Day こどもまっと」
会期:2026年10月8日(木)~10月16日(金) ※10月13日(火)は休館日のため実施されません。
開催場所:東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)
アクセス:東京メトロ東西線「竹橋駅」(1b出口)から徒歩3分
※ベビーカーや車椅子の方は、エレベーターがある2番出口(美術館までは約500m)をご利用ください。
料金:一般 500円/大学生 250円/高校生以下・65歳以上 無料
※10月10日(土)~10月12日(月・祝)の入場には、オンライン事前予約が必要です。
予約枠は時間ごとに限りがあり、売り切れとなる場合があります。
入場無料・割引対象の方も予約が必要です。
お子さんの急な発熱などの場合も、当日朝9:00までであればキャンセル可能です。
公式HPは>>コチラ
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