「禁句」をテーマにした、8人の人気作家による児童向けの短編集
『大禁句辞典』は、8人の人気作家による児童向けアンソロジー(短編集)。8つの物語で描かれるそれぞれの「禁句」から、友だちとのすれ違い、不思議な思い出の真相、探偵の謎解き、不気味な村の秘密、恋愛の形、友情、コメディ、詩的な世界という異なる8つの体験を味わうことができます。

掲載作品
- 1.コロッケパンとレアカード/あさばみゆき
- NGワードを言ってしまったら記憶を消される社会。カードゲームで出会った僕と天の、合言葉と友情をめぐるSF。
- 2.鏡の家のアリサ/富安陽子
- 主人公のアリサが幼い頃に遊んだ「もう一人のアリサ」の記憶をたどる。不思議と友情が交差する物語。
- 3.田島になにをいってしまったのか問題/石川宏千花
- 仲良しの田島から「それ、禁句だから」と言われてしまった主人公。すれ違いの理由を探る物語。
- 4.探偵のかくしごと/秋木 真
- 小学生探偵の一真に「幽霊をつかまえて」と依頼が届く。幽霊が苦手な探偵が、手がかりをもとに謎を解く。
- 5.その名をよぶな/藤白 圭
- 親切な村へ転校した一太。素朴な質問がきっかけで友だちの兄の様子が豹変し、村の異様な決まりに気づく。
- 6.ふたりの色は変わっていく/櫻 いいよ
- お互いの性別を知らない瀬名と郁。郁が瀬名に告白したことで、ふたりは相手の知らない一面と向き合うことになる。
- 7.スギやヒノキなどの植物から発生する物質が原因となり、くしゃみや目のかゆみといったアレルギー反応が出る”あれ”/にかいどう 青
- 「花粉症」と口にした途端、発症してしまう世界で、花粉症とは思えない不思議な症状を訴える人たちを前に思わず……。
- 8.ぼんやりしたこうすけ/ 斉藤 倫
- いつもぼんやりしていると周囲から言われるこうすけは、逃げてしまった小鳥のぴーすけを探しに出る。言葉が人や世界を形づくることを描く。
そもそも、小学生にとってまだなじみのない「禁句」という言葉をテーマにするにあたり、この謎めいた言葉をより身近で面白く感じてもらうために、『大禁句辞典』の編集工程の中で新しい仕掛けを取り入れました。
「ヨンデミー」読者モニターの感想から見えてきた『大禁句辞典』の魅力
この書籍をつくるにあたり、タッグを組んだのが「ヨンデミー」です。
ヨンデミーは、AIを活用した子ども向けのオンライン読書教育サービス。200万件の読書データをもとに、AIのヨンデミー先生が子ども一人ひとりの「好み・読書力・気分」に合わせて本を選び、学年ではなく「ヨンデミーレベル」(難易度)でその子の読む力に合った本を紹介してくれます。ゲーム感覚で楽しめる仕掛けもあり、子どもが自然に読書習慣を身につけることができるEdTechサービスです。

今回の『大禁句辞典』の各作品にもそれぞれのヨンデミーレベルが設定されており、一冊全体のレベルは37。小学4〜6年生を読者の目安としています。
『大禁句辞典』を事前に読んだ、読書アプリ「ヨンデミー」会員の小学生(小2〜小6/個別インタビュー6名・アンケート23名)によるこの本への評価は、★3.96 (★5点満点)で、同レベル帯のヨンデミー平均3.85を上回っています。会員の小学生たちはそもそも読書が好きな子ばかり。子どもたちのリアルな声から、この本の魅力がどこにあるのかが見えてきました。
魅力① お気に入りの作品に出合える

「自分には合わない」を0点、「一番好きな本と同じくらい好き」を10点として、8つの作品をそれぞれ採点してもらった結果、23人のうち22人が1つ以上の作品に9点以上をつけました。また、本への評価が★3以下だった6人のうち5人にも、9点以上をつけた一編がありました。 8編というジャンルの幅が、子どもたちの読書の入口を広げていることがわかります。
「『面白い話とか、ワクワクする話とか、怖い話まで、すごい幅広いいろんなお話がいっぱい入ってる短編集』(小学4年生)という言葉通り、どんな読者にも”自分の一話”が見つかる構成になっています」
魅力②「 一番好きな話」と、「一番心に残る話」が違う

23人のうち7人は「一番好きな話」と「一番心に残っている話」が異なりました。 また、「読んでいて禁句が気になった話」があった17人のうち、15人が、「読んでいて禁句が気になった話」と「一番好きな話」が異なりました。ただ好きな話を楽しんで終わり、ではなく、 言葉について考えたり、心に残る物語にも出合えるというのもこの本の魅力といえるでしょう。
魅力③ 新たな「好き」へのきっかけになる

23人のうち13人が、8つの作品のうち「一番好きな話」に選んだ作品は、 それぞれが過去1年に読み、高評価をした本とは、系統の異なるものでした。様々な物語がつぎつぎと現れるからこそ、本人もまだ気づいていなかった「好き」を発見できるということがわかりました。
アンケートでは、6/23人が『一つのお話が短いので読みやすかった』と回答。また『1章ごとに話が違うので本が苦手な人も読みやすい本です』(小学4年生)という声もありました。読むのが得意でない子の入口としても機能する一冊です。
「言ってはいけない言葉」 の裏には「思いやり」 がある!
アンケートでは、「禁句」という言葉を知っていた子どもは23人中わずか2人でした。一方で、「言わなきゃよかった」と思った経験がある子どもは15人にのぼりました。言葉としてはなじみがなくても、「禁句」は小学生にとって身近な経験であることがわかります。
ただ読むだけじゃなくて、読みながら考えるができる本
(小学6年生)
平然と言っている言葉が人を傷つけたり、自分とは違う考え方をする人がいるとわかった
(小学5年生)
このような感想からもわかるように、様々なジャンルの8つの作品に触れることで、「言ってはいけない言葉」を軸に、「思いやり」についても考えられるのも『大禁句辞典』の大きな魅力。「禁句」という言葉から、「難しそう」「過激な内容なのでは?」と懸念をもつ保護者の方もいましたが、作品を読むことで人間関係について子どもたちが深く考えられることに気づきました。
この本の中のどれか一話、絶対に好きになると思います
(小学4年生)
すでに短編形式に慣れているお子さんはもちろん、短編集を探していなかったお子さんも「謎解きが好きなら」「笑える話だから」と、普段の好みを入口にするのもおすすめです。子どもたちが太鼓判を押す一冊、ぜひお子さんと手に取ってみてください。
「禁句」というと、どんな場面、どんな言葉を、思い浮かべますか?
本書『大禁句辞典』は、あさばみゆき、富安陽子、石川宏千花、秋木真、藤白圭、櫻いいよ、にかいどう青、斉藤倫、という、豪華児童書作家陣による短編アンソロジーです。
『大禁句辞典』ができるまでの紹介はこちら
この記事を書いたのは
音楽大学卒業後、出版社勤務を経て、現在はフリーライター・編集者として活動中。小学生2人の母。主に教育系、不登校への取り組み、著名人インタビューなどを執筆しています。子育ての中で感じた疑問や発見を活かしながら記事を作成することを心がけています。