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Q4:入学時に、家庭でできる具体的なことはありますか?
A4:家庭での〝アクティブラーニング〟が自分で考える子の素地になる
「学校以外の時間を習い事などを詰め込みすぎないで、親も一緒にたくさん遊ぶ、いっぱい話をする、週末は外へ連れていって、子どもの興味を広げてあげることです。家の手伝いをさせて〝家庭力〟を上げることも重要だと思います。
例えば、お母さんと一緒に料理して、どうして先に砂糖なの? いつ塩入れるの?と考えたり、日曜にお父さんとニュースを見て社会問題について話し合ってみたり、温泉でお湯がどうやって湧くかを考えたりできますよね。
それらすべてを〝家庭力〟といっているんですが、言葉が違うだけで家での〝体験学習〟です。これが能動的に考える力になるのです」
日常生活の中で思考力を高めるには料理が最適!
たくさんの「なぜ?」「どうして」にぶつかります。
Q5:子どもが新生活の影響などで不安定になったときは、家庭でどうフォローしていくのがいいでしょうか?
A5:〝魔法の言葉〟を持っている安心できる親子関係があれば、外での自信につながる
「学校でも、習い事でもなんでも、小学生って外でうまくいかないことがたくさんあると思うんです。
そういう困ったときに子どもが親にちゃんと頼って、解決できる親子関係は素敵だなと思うんです。
不安がるわが子が一瞬で元気になるような、言葉でも、仕草でも、食べ物でも、布団でもなんでもいいんですが、そういう〝魔法のアイテム〟〝魔法の言葉〟をもつのは大切ですよね。
外でくじけても、家で立て直せる、そういう関係性を築いていくために、小学校時代は親も学んでいく6年間だと思うんですよ」
Q6:やはり心配になってしまう基礎学力。何から始めるといいでしょうか?
A6:「家庭力」「計算力」「語彙力」の3つを意識すると、家庭で力がぐんとついてくる
「小さいときに身につけておいたほうがいいなと思うのは、計算と漢字、あとは語彙力。ドリルには固執しないでOKです。
語彙力というのは兄弟関係の違いなども影響するので、家庭によって力のつき方がいちばん変わる点でもあります。目指すべき語彙力のレベルは、6年生で『本屋大賞』を受賞した作品を読んで、理解できること。
6年かけて、自分が持っていない価値観を早い段階から身につけるのは重要なことだと思います。
テレビドラマでも、本でも、漫画でもいいので、いろんな価値観やものの見方を受け止め、感じることが大事です。目安は大人と対等に話ができるレベルです」
親でも先生でもない大人と話せるようになることが目標です。
Q7:子どもたちを見ていていいなと思う子は、どんな子?
A7:自分で意見を言える子です
「これからは、学歴だけじゃない自己発信力もつけてたくましく生きる力をつけていく時代。実体験だけでなく、多様な価値観を知るのは子どもにとってもいいことなんです。
塾に行かなくても、日常をしっかり生きて、世の中のことに関心を持って会話をすることを意識していくと、点と点がつながって線になり、理解が深まる。
子どもたちを見ていていいなと思うのは、自分で意見を言える子です。
黒板が見えないから席をかえてほしいとか、些細なことでも質問できて、自分で疑問を解決することができる。
それが実社会で役に立つ力なんです。発信することに慣れていない子どもが増えていますから。
これからは、親の声かけが直接学力につながっていくとも言えますよね。ドリルばかりやらせるのではなく、子どもとの会話を大切にする、そういった時間こそが成績に反映される教育になっていくと、私は確信しています」
少人数制できめ細やかな指導が受けられる。来年度の入室説明会は満員状態。
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男の子の特性を生かした成績上昇のための具体策が100以上。習慣づけから環境づくりまで参考になることがぎっしり詰まっています。
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記事監修
『小学一年生』2019年度は2020年度の教育改革に向けて、アクティブラーニング的手法を取り入れた内容に進化。時代の変化に合わせた記事・ふろくで、自分で考える力を育てます!
記事監修
1925年の創刊以来、豊かな世の中の実現を目指し、子どもの健やかな成長をサポートしてきた児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターに関わっていただき、子ども達各々が自身の無限の可能性に気づき、各々の才能を伸ばすきっかけとなる誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載しています。
『小学一年生』2019年5月号 別冊『HugKum』 イラスト/yamyam 構成・文/田中 希