世界で累計5億体を売り上げるという爆発的な人気を誇るフォトジェニックドール「L.O.L. サプライズ!」。日本でも、お笑い芸人の渡辺直美や、SNSで大人気の Hinata(野々山ひなた)たちのCMでも反響を呼びましたが、今回は映画『L.O.L. サプライズ! ウィンターディスコ ザ・ムービー』となって、スクリーンにお目見えしました。
「L.O.L. サプライズ!」は、開封するワクワク感もセットに楽しめる“サプライズトイ”と呼ばれるジャンルの玩具です。日本では、タカラトミーから2018年7月に発売されましたが、ポップでカラフル、かつバリエーション豊かなドールが小学生を中心に人気を博し、今や子どもから大人まで幅広い層の心を鷲づかみしたようです。
物語の世界に入り込んで進行役を務めるのは、「L.O.L. サプライズ!」の開封動画で知られる動画クリエイター、タハニとマイカル。映画の主人公は、女の子たちが憧れるダンスパーティー“ウィンターディスコ”を心待ちにしていたミッドナイト(ドールキャラクター名)です。でも、なぜか自分にだけパーティーへの招待状が届かなかったことにショックを受けた彼女は、パーティーをめちゃくちゃくにしようと企みますが……!?
キュートなドールキャラクターたちのカワイイ動きがたまらない
実写パート、アニメパート、ストップモーションアニメパートと3つの形式で描かれる本作ですが、やはりミッドナイトをはじめとするドールキャラクターたちが、生き生きと動き回るストップモーションアニメのパートが、愛らしくて最高にキュートです。
いろいろな衣装をまとったドールたちが、ダンスをしたり、スケートをしたり、歌ったりするショータイムのパフォーマンスも秀逸。また、ミッドナイトが目から涙を流すというエモーショナルなシーンなどは、観ていて胸がキュンとなります。
背景となるセット美術もすばらしく、暗闇にホタルが舞う美しいシーンなども実に味わい深いです。エンドロールでは、これらのメイキングシーンも観られるので、お楽しみに。
「自分を貫いて」という今日的なテーマに感動
他人になかなか理解してもらえないけど、とてもクリエイティブな発想の持ち主であるミッドナイト。彼女が勇気を出して一歩を踏み出し、「どんな場所でも本当の自分を見せよう」と、声高に歌い上げるシーンは、本作のハイライトの1つです。それは、昨年公開され、メガヒットした『アナと雪の女王2』とも通じるテーマなのかも。昨今、いろいろな分野で問われている多様性が、本作の物語にもしっかり織り込まれています。
もちろん、自分だけ招待状が来なくていじけてしまったミッドナイトの暴走ぶりはいただけませんが、悪いことをしたことについてきちんと反省したり、友だちを思いやる友情が描かれたりと、彼女の成長ぶりも描かれている本作。観終わった後、心がほっこりする1作なので、まさに子どもと観るにはぴったりの内容だと思います。
出演:タハニ・アンダーソン マイカル=ミッチェル・ハリス 日本語吹替版の声の出演:松田颯水、Lynn
監督(実写パート):Jared Hillman 監督(ストップモーションパート):David Lauer 監督(アニメーションパート):Luke Harris
公式HP: https://lolsurprise-movie.jp/
文/山崎伸子