こんにちは!離乳食インストラクターの中田馨です。ツルツルとのどごしのいいうどん。食べやすいので、大人も子どもも好きなメニューの一つです。今回は、うどんを幼児食に取り入れるときの献立の立て方や作り方のポイントを話します。
幼児向けうどんの作り方ポイント
うどんは短く切る
「幼児期になり、良くカミカミできるようになった」と言っても、まだ大人より口の中の大きさは小さく、咀嚼力も弱い幼児さんです。勢いよくツルツル!!っと吸い込むこともあります。離乳食が終了し、1歳半頃に幼児食に移行するときは、2~3cm程度の長さに切ります。子どもの食べる成長と共に、徐々に長さを調整していきましょう。
大人よりも長めに茹でる
ゆでうどんを使う場合は、すでに柔らかいものが多いものですが、コシのあるうどんや乾麺を使う場合は特に、表示の時間数よりも多めに茹でてて軟らかくしましょう。コチラも子どもの成長と共に、徐々に湯で時間を調整しましょう。
味付けは大人の1/4~1/2
「大人と同じメニューが食べられるようになってきた」とはいえ、内臓機能はまだ未熟な幼児さん。味付けはまだまだ薄味にします。
うどんをメインにした幼児食の献立例
うどんは、栄養で言うと炭水化物です。1食の献立で取り入れていきたい栄養は、ビタミン/ミネラル、たんぱく質です。いくつかのメニューを例に挙げて献立の立て方を例に挙げてみましょう。
1歳半~2歳の1食に摂りたい食事の目安
主食
うどん 1/2玉
たんぱく質
肉/魚 15~20g
大豆・大豆製品 35~40g
卵 25~30g
ビタミン・ミネラル
淡色野菜 100g
緑黄色野菜 80g
海藻・きのこ類 10g
果物類 100g
3~5歳の1食に摂りたい食事の目安
主食
うどん 2/3玉
たんぱく質
肉/魚30~35g
大豆・大豆製品 40~50g
卵 50g
ビタミン・ミネラル
淡色野菜 130g
緑黄色野菜 100g
海藻・きのこ類 10g
果物類 150g
シンプルなわかめうどんにした場合
<材料>
子ども1人分
・うどん 1/2~2/3玉
・わかめ 5g
・万能ネギ 少々
・煮干しだし 200ml
この材料で、足りないものは、ビタミン/ミネラル、たんぱく質です。ですので後、1~2品おかずがあると栄養満点になります。例えば、
・鶏肉とかぼちゃの煮物
・豚肉の野菜炒め
・ほうれん草のおひたし+冷ややっこ
肉うどんにした場合
<材料>
子ども1人分
・うどん 1/2~2/3玉
・牛肉 15~25g
・玉ねぎ 20~30g
・万能ネギ 少々
・煮干しだし 200ml
この材料で、足りないものは、ほんの少しのビタミン/ミネラル。ですので後、1品野菜のおかずがあると栄養満点になります。例えば、
・茹でにんじんサラダ
・もやしのナムル風
・かぼちゃの胡麻和え
などと合わせると良いでしょう。
肉や野菜たっぷりの煮込みうどんなら1品で完了!
筆者がよく自分の子どもにしていたのは、うどん1品で完了メニュー!肉(魚)とたっぷりの野菜を煮込んだうどんを作れば1品で献立完了です。
みそしょうゆ味の煮込みうどん
しょうゆだけでなく味噌のコクもプラス。ことこと煮込んだやわらかい具がたっぷりの主食は風邪の回復期にも◎です!
◆材料
(子ども2人分)
ゆでうどん 1パック(約180g)
豚バラ肉 40g
さつまいも 小1/5本(40g)
長ねぎ 3cm
にんじん 2cm
ほうれん草 1株
だし汁 2カップ弱
【A】
しょうゆ 小さじ1
みりん 小さじ1
みそ 大さじ1/2
◆作り方
【1】豚肉は3cm長さに切る。さつまいもは1cm厚さのいちょう切りにして水にさらす。にんじんは薄い半月切り、長ねぎは薄い小口切りにする。
【2】ほうれん草はサッとゆでて水にさらし、2cm長さに切る。
【3】鍋にだし汁と【1】を入れて、野菜がやわらかくなるまで煮、うどんと【A】を加え、弱火で3分ほど煮る。うどんがやわらかくなったら【2】を加える。
教えてくれたのは
栄養士。ふたりの女の子のママ。家族のために作り続けてきたおいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。子どもの食物アレルギーをきっかけに、アレルギー料理にも力を入れている。
『ベビーブック』2013年11月号
幼児食うどんのおすすめレシピ
豆乳カレーうどん
かぼちゃと豆乳でまろやかに仕上げた、子供でも食べやすいカレーうどん。麺の長さを半分に切るとより食べやすくなり、食事がスムーズに進みます。
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
かぼちゃ 1/8個
いんげん 6本
玉ねぎ 1/2個
ゆでうどん 3玉
サラダ油 大さじ1
カレー粉 少々
豆乳 500cc
塩 小さじ1と1/2
◆作り方
【1】かぼちゃは1cm角に、玉ねぎは縦に薄切りに、いんげんは長さ1cmに切る。うどんは半分の長さに切る。
【2】鍋にサラダ油を中火で熱し、かぼちゃと玉ねぎを炒める。玉ねぎがしんなりしたら、カレー粉を加えてサッと炒め、豆乳を加える。かぼちゃがやわらかくなったら、うどん、いんげん、塩を加えて煮立たない程度に温める。
教えてくれたのは
鈴木 薫さん
シンプルでおいしい実用的なレシピが人気。双子の女の子と男の子のママ。
『ベビーブック』2013年7月号
フォー風うどんプレート
サラダチキンの使いみちはサラダだけにあらず!しっかり味の染み込んだサラダチキンでびっくりのおいしさなんです。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
冷凍うどん 3玉
サラダチキン(プレーン)1パック
パプリカ(黄) 1/2個
レタス 3~4枚
ごま油 小さじ1
しょうゆ 少々
◆作り方
【1】パプリカは3?4cm長さの薄切りにする。
【2】鍋に水3と1/2カップ、うどん、【1】、レタスとサラダチキンを食べやすい大きさに手でちぎりながら入れ、サラダチキンのパックに残った汁も入れる。強火にかけ、煮立ってうどんがほぐれたら1~2分煮て、しょうゆ、ごま油で調味する。
◆ポイント
大人アレンジするなら、好みで粗びき黒こしょうをたっぷりかける。
教えてくれたのは
ダンノマリコさん
フードスタイリスト。日々のご飯を手間は省いておいしく作る達人。男児を育てながら、ママ友達に料理の楽しさを伝えている。著書に『フードスタイリストのアイデア満点ほめられ弁当』(主婦と生活社)など。
『ベビーブック』2018年5月号
汁なしカレーうどん
サッと茹でたピーラー野菜を彩りよく添えて。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
うどん(チルド) 3玉(乾麺の場合は300g)
合いびき肉 250g
にんじん 1/3本
大根 80g
ズッキーニ 1/3本
【A】
カレールー(甘口) 3かけ(60g)
水 1と1/2カップ
麺つゆ(ストレート) 1/4カップ
サラダ油 小さじ1
◆作り方
【1】フライパンにサラダ油を熱して合いびき肉を炒め、【A】を加えて煮て軽くとろみをつける。
【2】にんじん、大根、ズッキーニはピー ラーで縦に細長くスライスする。
【3】沸騰した湯で【2】をサッとゆでて取り 出し、半分に切った(もしくは折った) うどんをゆでて冷水にとり、冷やして水けをきる。
*ズッキーニがなけ ればきゅうりでも。
【4】うどんを【1】に加えて軽く混ぜ、器に盛り、【3】の野菜を添える。
教えてくれたのは
阪下千恵さん
料理研究家、栄養士。家族のために作り続けてきたおいしくて、栄養バラ ンスのいいレシピが人 気。二人の女の子のママ。
『ベビーブック』2016年8月号
具だくさんうどん
具だくさんの栄養満点うどんも、いつもの見慣れたものでなくじゃなく、小さな目玉焼きを上にあしらうだけでこんなにかわいい一品に。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
うどん 3玉
豚薄切り肉 100g
にんじん 1/4本
長ねぎ 1/4本
キャベツ 1枚
なると 1/4本
【A】
だし汁 5と1/2カップ
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
うずらの卵 4個
サラダ油 少々
◆作り方
【1】にんじんはいちょう切りに、長ねぎは小口切りに、キャベツと豚肉は1cm幅に切る。
【2】フライパンにサラダ油を熱して、うずらの卵の目玉焼きを作る。
【3】鍋に【A】を沸騰させ、【1】を入れて野菜がやわらかくなるまで煮、半分に切ったうどん、5mm幅に切ったなるとを加えて煮る。
【4】器に盛って、【2】をのせる。
教えてくれたのは
阪下 千恵さん
料理研究家、栄養士。おいしくて、栄養バランスのいいレシピが人気。二人の女の子のママ。
『めばえ』2015年4月号
ツルツル食べられる具だくさんうどんで、これから訪れる暑い夏も親子で元気いっぱい過ごしてくださいね!
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在15歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、22年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する和の離乳食パクパクセミナー、離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで4000人が受講。