【インタビュー】仲里依紗流、仕事と家庭を両立させる“エコ”の心得とは?

撮影/山崎伸子

女優、声優、モデルとして、常に自分らしい個性を輝かせてきた仲里依紗さん。NHKの連続テレビ小説「エール」では、夫婦で喫茶店を営む、妄想癖の激しい隣人役をチャーミングに好演。また、YouTube公式チャンネル『仲里依紗です。』でアップしている動画からは、飾らないおちゃめな素顔を垣間見ることができます。

10月2日に公開された、ドリームワークス・アニメーション『トロールズ ミュージック★パワー』では、日本語吹替版の声優として、ロック村の女王・バーブというエッジのきいたキャラクターを熱演。ミュージカルシーンでは、圧巻の歌唱も披露しています。

一児のママでもある仲さんは、仕事と家庭をどんなふうに両立させているのでしょうか?仲さんを直撃して、話をうかがいました。

ミュージカルの歌唱シーンは、ひたすら頑張りました!

A UNIVERSAL PICTURE ©2020 DREAMWORKS ANIMATION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

『トロールズ ミュージック★パワー』は、トロール王国から盗まれたハッピーの源=“音楽”を取り戻そうと、カラフルな妖精、トロールたちが大奮闘するミュージカルアニメ映画です。日本語吹替版では、ヒロインのポピー役を上白石萌音さんが、ポピーの幼なじみブランチ役をウエンツ瑛士さんが担当しました。

―映画を初めて観た時の感想から聞かせてください。

トロールズは見た目も可愛いし、音楽も元気いっぱいでノリノリになれるナンバーばかりなので、大好きな映画となりました。

仲里依紗演じるロックのック村の女王・バーブ A UNIVERSAL PICTURE ©2020 DREAMWORKS ANIMATION LLC.ALL RIGHTS RESERVED.

―荒くれ者のロック・トロールたちをまとめ上げるバーブ役をどう捉えましたか?

バーブは本来純粋な子で、真っ直ぐすぎて、空回りしてしまうだけなのかなと。彼女は、良かれと思い、バラバラになっているトロールたちをまとめようとするので、きっと本人は悪いことをしているという意識がないんです。みんなの心を1つにしたいという点では、ポピーと同じなのかなと思いました。

―声を当てるうえでは、どんなことを意識しましたか?

オリジナル版のバーブはハスキーでセクシーな声だと聞いていたので、果たして自分にそういう声が出せるかなと不安でしたが、一生懸命、頑張りました。

―ミュージカルシーンでの美声は、他のキャスト陣も絶賛されていますが、ご自身としては、いかがでしたか?

いやいや、共演者のみなさんこそ、すごいですから。私は、とにかくひたすら頑張ってついていったという感じです。

また、バーブはロックの女王ということで、音楽の趣味にはとても共感しました。私もロックが大好きなので、今回は日本語の歌詞になっていますが、昔から聴いていた曲を歌えたので、楽しかったです。

子育てにおいては、常に子どものことを肯定します。

撮影/山崎伸子

―『トロールズ ミュージック★パワー』は、「多様性」を説く物語で、人と自分は違って当たり前で、その個性を認め合い、大事にしていこうというメッセージが非常に刺さりました。

私も、教科書や先生の教えではなく、アニメ映画でそういうことを自然に学べることは、すごくいいなと思いました。親の言うことだと、子どもはなかなか聞いてくれないけど、エンターテイメント作品のなかで、わかりやすく描かれていると、すんなりと心に入っていくような気がします。

――個性を認めるという意味で、子育てにおいて、仲さんが気をつけていることってありますか?

否定しないことです。子どもがやること、言うことに対しては「すごい!いいね!」と、すべてを肯定します。もちろん、人を傷つけたり、誰かのものを盗ったりとか、100人が見て100人がダメだと思うことは、ダメだと言いますが、自分の表現や気持ちについては、常に肯定します。

例えば、塾などについても、「僕は勉強しなくても、他にやりたいことがあるから、勉強がすべてじゃない」と言われたので「そう思うのなら、やらなくていいんじゃない」と言いました。きっとあとで、自分でやっぱり勉強は必要だと思うだろうから、自分で気づいた時にやればいいか、という感じです。そこが一番学びになるので。

―それは簡単そうで、なかなか難しいことにも思えますが。

だんなへもそうで、自分で気づくようにと、洗濯物を目の前でたたんだりします。でも、なかなか気づいてくれないと、ああ、無理なんだと諦めたりもしますが(苦笑)。

―そこで、目くじらを立てたりはしないんですか?

立てないですね。叱り続けて直らないものは、直らないから。というか、お互いに無理をしないことですね。私だって、ごはんを作りたくない時は、惣菜やお弁当で済ませたりしますし。やっぱり、ストレスを無くすことが一番大事かなと思っています。

気持ちを“エコ”に切り替え、怒ることにパワーを使わないようにすること

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―例えば、家族と意見が食い違った場合は、どうやって解決するのでしょうか?

常識的な範囲での話ですが、相手の言い分を自分が受け入れる代わりに、私は私でその分、気にせずに、やりたいことを楽しむようにする、という感じでしょうか。

だんだん年を重ねていくと、すごく“エコ”になっていき、怒るパワーを使いたくなくなるんです。いろんなことでキリキリするのも嫌なので、自分の好きなところにだけアンテナを伸ばしていくほうが、上手くバランスが取れるのではないかと。

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―“エコ”は、精神衛生上にも良さそうですね。

わーってなると、活性酸素が溜まって、体がさびちゃうので、のんびりと楽しいことだけをやれることが理想です。なかなか難しいとは思いますが。

コロナ禍では、ゆっくりした生活も大事だなと実感しました。以前は、一日中バタバタしていたんですが、のんびり過ごすことで、心も豊かになる気がします。

家のなかで過ごす時間が多くなるので、家の環境を整えるのも大事だなと思いました。自粛中は、料理も毎日やるなど、体にいいことをしていて、まさにエコだったなと。また、仕事が入ると忙しくなりますが、やはり自分の気持ちを穏やかにして、なるべくエコを心がけていきたいです。

―最後に、これから『トロールズ ミュージック★パワー』を観る方々へのメッセージをお願いします。

この映画は、親子で観ても、また、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に行っても、年齢に関係なく楽しめると思います。また、映画を観たあとは、劇中の曲を聴いたり、子どもと一緒に歌ったりもできるという、すごくお得な映画です。ぜひ、ご家族でチェックしてみてください。

『トロールズ ミュージック★パワー』は10月2日(金)より全国公開中
監督:ウォルト・ドーン
声の出演:アナ・ケンドリック、ジャスティン・ティンバーレイク…ほか
日本語吹替版の声の出演:上白石萌音、ウエンツ瑛士、仲里依紗、宮野真守、松本梨香、吉野裕行、平田広明、木村昴、斉藤壮馬、浪川大輔、ミキ・昴生、関智一、ミキ・‎亜生、速水奨…ほか
公式HP: http://trolls.jp

取材・撮影・文/山崎伸子

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