太陽の大きさってどのくらい? 月と同じくらいの大きさに見える理由とは

太陽なくして地球の生物は生きていけません。しかし、重要であるわりに、太陽について詳しく説明するのは案外難しいものです。その大きさ・年齢・構造・地球からの距離などについて学び、家庭内での太陽博士を目指してみましょう。

太陽とはどんな星?

太陽は、遠くにあるけれどとても身近な存在でもあります。まずは、太陽の大きさと、地球からの距離について確認しましょう。

太陽の大きさは地球何個分?

太陽の直径は「約139万km」です。地球の直径が約1万2700kmですから、ゆうに地球の「109倍」の直径があります。

  • 直径:約139万km
  • 質量:1.9891×10の30乗kg
  • 体積:1.40927×10の18乗k㎥

 

太陽の質量は地球の約33万倍あり、体積にいたっては地球の体積の約130万倍です。この差から分かるように、太陽は地球よりはるかに大きな星なのです。

地球からどのくらい遠くにあるの?

地球・太陽間の距離は「約1億5000万km」です。

しかし、現在のところ、太陽と地球の距離を直接測る方法はありません。太陽があまりに地球から遠いところにあるため、計測の基準となる線が地球で表せないからです。

そのため、まずは地球に一番近い金星までの距離を測りました。レーザーで計測した結果をもとに「ケプラーの第三法則」を使って地球から太陽までの距離を求めたのです。

月の大きさと同じくらいに見える理由

月の直径は、地球の1/4ほどしかありません。対する太陽の直径は地球の約109倍で、月の約400倍あります。月と太陽にはこれだけ大きさの差があるにもかかわらず、なぜ地上から見ると同じくらいの大きさに見えるのでしょうか。

これには、地球からの二つの天体までの距離が関係しています。太陽までの距離は約1億5000万kmですが、月までの距離は約38万kmしかないのです。

地球と太陽の距離は、地球と月の距離の約400倍あります。この「約400倍」という数値が偶然そろったため、月と太陽が地球からは同じくらいの大きさに見えるのです。

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太陽の年齢とその構造

太陽の誕生をきっかけに、地球など太陽系の惑星が生まれました。ここでは、太陽系唯一の恒星・太陽の年齢と姿について解説します。

太陽は何歳なの?

太陽が生まれたのは「約46億年前」だといわれています。

太陽の年齢は、太陽系とほぼ同じ頃に生まれたとされる隕石(いんせき)から求めました。隕石に含まれる放射性同位体という物質がどれくらい減ったかを調べることで、隕石の年齢が分かります。

途方もない年月を過ごしてきた太陽ですが、質量から推測できる寿命(約100億年)から考えればまだ壮年期です。これから先、50億年は地球を明るく照らし続けてくれるでしょう。

どんな姿をしているの?

太陽の構成は、内側から以下のようになっています。

  • 放射層
  • 対流層
  • 光球
  • 彩層
  • コロナ

 

核で放射されたエネルギーは、長い時間をかけて外側へ移動していきます。光球は太陽の表面ですが、地球の大気と大地のようなはっきりした境目はありません。

光球部分の温度は約6000℃、彩層は約1万℃、コロナは約100万℃にもなります。彩層が磁力線によってコロナまで持ち上がる「プロミネンス」は、特に壮大な現象であるといえるでしょう。

ところどころに見られる周りより少し温度の低い場所を「黒点」といい、ときどき黒点付近で「フレア」という爆発が起こります。燃えさかる太陽と表現するように、太陽はまさに超高温の炎に包まれた星なのです。

太陽の大きさが変わる理由とは?

「太陽の大きさが変わったような気がする」と感じたことがある人はいないでしょうか。

答えとしては、「本当に変化する」「気のせい」のどちらも正解です。その理由について見ていきましょう。

変化の要因は軌道にあった

地球は1年かけて太陽の周りを回っています。その公転の軌道は正円ではなく「楕円」を描くため、地球から太陽までの距離は微妙に変化しているのです。

先ほど、地球から太陽までの距離を約1億5000万kmといいましたが、これはあくまで平均に過ぎません。

公転により太陽との距離が開けば、ごくわずかではありますが太陽の見え方は小さくなります。逆に、距離が縮めば大きく見えるというわけです。

1年で最も大きく見えるのはいつ?

地球が太陽に最も近づく日のことを「近日点(きんじつてん)」といいます。近日点を通過するのは、毎年「1月4日」前後です。地球との距離は約1億4710万kmとなり、1年で最も太陽が大きく見えます。

反対に最も遠くなる「遠日点(えんじつてん)」では、距離約1億5210万kmとなり、太陽がほんの少し小さくなるのです。

ただ、「1日のうちに太陽の大きさが変化する」ということはありません。これは、地平線に近くなると大きく見えて、頭上にあるときは小さく見えるという「目の錯覚」によるものです。

太陽について詳しく知ろう

地球が太陽の光を受けて輝く「惑星」であるのに対して、太陽はそれ自身が輝く「恒星」です。主に水素とヘリウムからなる高温ガスの塊であるため、地球の地面のようなものはありません。

太陽は、知れば知るほどおもしろくなってくる魅力的な天体です。調べたり観察したりして、太陽について詳しくなってみるのはいかがでしょうか?

なお、太陽は直接見ると目を傷めてしまう危険があるため、観察するときは必ず「日食メガネ」のような専用の観測道具を用意しましょう。

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文・構成/HugKum編集部

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