内助の功ってどんな意味?語源は?「内助の功」といわれる場合の三つのスキル

昔からの慣用句に「内助の功」というものがあります。では、内助の功とはどのような意味なのでしょうか?  内助の功の意味や語源について解説します。また、内助の功といわれる場合に必要な三つのスキルも紹介します。

「内助の功」とは

「内助の功」の意味をなんとなくは分かっていても、正確には理解していないという人は多いかもしれません。内助の功の意味と語源を紹介します。

一般的には陰で夫を支える妻のこと

「内助の功」とは、ある人の成功を身内が陰で支えることや、その功績を意味する慣用句です。

必ずしも夫を支える妻のことだけを表すものではありませんが、一般的に妻の働きを表す言葉として使われます。健康面・精神面・生活面などさまざまな部分でサポートし、心身ともにパートナーを支えるのが内助の功です。

また、「内助」とは「内部から支える援助・助力」のことです。例えば、表立って仕事する人が出世をするために、パートナーが陰で献身的にサポートしていた場合にその功績を「内助の功」と呼びます。

いまや妻も外で働き、夫が家庭内で仕事をするなど働き方が多様化しているなかで、「内助の功」の意味も、旧来のジェンダー観を超えて変化していくかもしれませんね。

語源となった1人の女性

内助の功の語源とされているのが、土佐藩初代藩主となった山内一豊の妻・千代の逸話です。千代は一豊のために、実家から嫁入りの際に持参したお金を使って、立派な馬を用意しました。

その馬が「馬揃え」と呼ばれる行事の際に、主君である織田信長の目に留まり、それがきっかけで一豊は出世街道を登り始めることになったのです。

千代が良馬を購入するというサポートをしたからこそ、一豊の出世につながったと考えられ、この話から「内助の功」という言葉が生まれたといわれています。

内助の功と意味が似ている言葉

慣用句や故事成語の中には、同じような意味を持つ言葉がいくつかあります。では、内助の功と似ている言葉にはどのようなものがあるのでしょうか?

「鶏鳴の助」

「鶏鳴の助」は「けいめいのたすけ」または「けいめいのじょ」と読みます。内助の功と同じく、妻が夫を陰ながら支えることを表す故事成語です。

「鶏鳴」は、鶏が鳴いて夜明けを告げることを指します。「鶏の声が聞こえたため夜が明けたと思い、夫を起こそうとしたものの、実は聞き間違いでまだ夜中だった」という故事から生まれた言葉です。

このように夫が仕事に遅刻しないようにと、早起きして尽くす妻の姿が元になっています。

「縁の下の力持ち」

「縁の下の力持ち」は、人目に付かないところで他人のために努力や苦労することを指します。表舞台で活躍している人の裏で、サポートする人のことです。

「縁の下」とは家の床下部分を指します。普段は見えない部分で、立派な家が建っていても床下を意識することはありません。しかし、床下がしっかりと支えられていなければ、家は崩れてしまいます。

このように目に見えないところで支えてくれる人のことを「縁の下の力持ち」と呼ぶのです。

内助の功に求められること

内助の功は、具体的にどのようなことが求められるのでしょうか?  内助の功に必要なスキルについて解説します。

相手を思いやるスキル

内助の功といわれるには思いやりが必須です。パートナーの気持ちに配慮し、さりげない気配りで、気持ちよく過ごせるようにサポートするのが理想です。

基本的にはパートナーの仕事のことには踏み込まないようにするのが前提ですが、意見を求められたときには、しっかり話を聞いてアドバイスしてあげるといいですね。

ここで重要なのが、押し付けがましくしないことです。自分のほうが正しいと意見を押し付けるのではなく、あくまでもパートナーに対する思いやりを持ち、どうすればパートナーにとってよい結果になるかを考えることが大切です。

家計管理のスキル

経済的な面で家族が安心できるように家計管理のスキルも必要です。無計画にお金を使ってしまい、貯金ができないようでは、お金の管理は任せてもらえません。

日々のやりくりをしっかり行うことはもちろん、毎月の収入と支出もしっかり把握し、お金に関する知識をしっかり身に付けましょう。

全てにケチケチしてお金を貯めるということではなく、使う必要のあるお金とそうでないお金を見極めるスキルが必要です。また、急な出費が必要になった場合、すぐに対応できる蓄えをきちんとしておけるかどうかも、内助の功を目指す重要なポイントになります。

料理のスキル

毎日の食事メニューによっては、体調に影響が出ることもあります。家族の健康を考え、栄養バランスのよい食事を用意することも内助の功なのです。

食事に無頓着な人は少なくありません。質より量を重視して食べ過ぎたり、偏った食事で体調を崩したりすることもあるでしょう。

少しずつヘルシーなメニューに変更する、体調がよくないときは消化のよい食べ物を用意するなど、健康面でも気遣いができるとよいと思います。

内助の功でパートナーをサポートしよう

「内助の功」というと難しく感じる人もいるかもしれません。また古い男女観にもとづく旧弊な印象をもつ人もいるでしょう。しかし性別にかかわらず、パートナーが元気に外に出て、気持ちよく仕事ができるようにサポートができれば、それが内助の功といえます。

支える方法はさまざまですが、夫も妻も笑顔でいられるように、自分なりの方法でサポートできるといいですよね。

文・構成/HugKum権田

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