twitterフォロワー40万人! 保育士“てぃ先生”に聞く魅力的な伝え方

ツイッターのフォロワー数約40万人。てぃ先生は、保育者として、園児たちのおちゃめな様子を世間に向けて広く発信し続けています。「伝えること」は重要なスキル。てぃ先生はどうやって素材を集め、読み手の興味を引き出す文章を書いているのか、気になって話を聞きました。

 

【人気保育士 てぃ先生連載エッセイvol.1】 「子育てを楽しくするには、考え方をちょっと変えるだけ」

 

 

「もちろん、ツイッターと園の保護者に伝えるものは別。園では、その子のことをよく知っているからこそ共有できる、とっておきの姿を伝えることがほとんど」という、てぃ先生。保護者に保育を伝えるコツは、子育てにも生かせることがいっぱい。てぃ先生が「心がけていること」7つをお知らせします。

 

1、常にアンテナを高く立てて観察、そして記録、記録

休憩中や退勤後、スマホのメモ帳に子どもの様子をたくさん記録しています。もらさず、エピソードを残しておくために。保護者に、毎日「わが子」のエピソードを伝えるので、そのためのリソースとして利用しています(※ツイッターにも、そのごく一部を使用)。

2、思い込みを持たず、必ず子どもに聞く

いすから立とうとする子に、「落ち着きがない、危ない」と思って、つい「ちゃんとすわってて」といってしまう。でも話を聞けば「ママ(先生)のそばに行きたかった」とわかる。ちゃんと聞いて、本心がわかるともっといとおしくなる。それを保護者にも伝えて、そんな気持ちを分かち合いたい!

3、保育中に気分のムラを出さない

むやみに叱る、ときどき不機嫌になる。そういう保育だと、子どもは「素」が出せなくなってしまいますよね。ぼくらはプロなんだから、そこはコントロールしないと…。ぼくはいつもにこやかで、話しやすい保育者でいたいですね。

4、毎日、クラス全員の子と最低5分かかわる

幸い、ぼくの園は職員が少なくないので、子ども全員と毎日、「1対1」の時間をつくるよう意識しています。子どもがひとりになったときを狙って接近。「天気がいいねー」なんてあいさつしたりしながら(笑)。対で向き合うと、伝えたくなる何かに出会うこと多し、ですよ。

5、保護者が「何を聞きたがっているか」に応える

通常、親が知りたいのは、「みんなで何をした」ではなく、「自分の子がどうだったか」です。特にわが子の・課題・(イヤイヤが出てきたなど)が、園でどんな様子だったのか。保育者にとっても、そこを語ることには、大きな意味があると思っています。

6、書くとき、「 」(せりふ)を入れる

・今日は絵を描きました・という記録。でも、その活動中に聞き取った、その子のせりふを書き加えてみる。「これは○○なの」。たったひと言、その子の言葉が入るだけで、リアル感が全然違ったものになりますよね。

7、おもしろく、わかりやすく、聞いて(読んで)もらえる内容、分量になるよう工夫する

保護者との関係性づくりのために、「この先生はおもしろい、もっと話をしたい!」と感じてもらうことは大事じゃないでしょうか。作り話は(ツイッターでも)ありえませんが、より響く言葉を選ぶ、無駄な言葉を削って読みやすくする。そういう努力を続けています。

 

てぃ先生
都内保育園保育士(30歳)。2012年に始めたツイッターがブレーク。それをまとめた『ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか』(ベストセラーズ) や、そのコミック版も出版中。

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写真/黒石あみ 文/大枝桂子 出典/『新 幼児と保育』6/7月号

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