プロが選ぶ「節分」が学べる絵本7選|恵方巻の具の意味は?お腹にいる鬼ってなに?

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「節分」は、読んで字のごとく「季節」の分かれ目です。邪気の象徴である鬼を払って新しい年の福を願う伝統行事には、さまざまな由来が伝えられています。読書アドバイザーの児玉ひろ美さんに、節分行事にちなんだ様々な「いわれ」を学べる絵本を選んでいただきました。是非「豆まき」の前にお子さんに読み聞かせてあげてください。

 

『まめまき できるかな』 2歳から

すとうあさえ:文 田中六大:絵 ほるぷ出版

ありそうでなかった、日本の伝統行事である豆まきを幼い子に伝える絵本です。節分の日、まこちゃんはマリやお手玉を使って豆をまく練習をしました。すると、庭から鬼たちがやってきました。まこちゃん、鬼を追い払えるでしょうか?巻末には節分の由来や豆の食べ方のアドバイスなども掲載されています。

『おにはそと! ふくはうち!』 3歳から

いもとようこ:作 金の星社

節分の由来は諸説ありますが、その一つを伝える物語絵本です。訳あって鬼のお嫁さんにされたおふく。春を待って、菜の花を目印に、村へ逃げ帰ってきました。もちろん、鬼は追いかけてきます。そこで、母親は炒り豆を鬼に投げつけ、「この豆から花が咲いたら、おふくを返す」と言いました。以来、鬼は花が咲く日を待ち続けているのです。

『おなかのなかに おにがいる』 3歳から

小沢孝子:作 西村達馬:絵 ひさかたチャイルド

お腹の中にいる鬼ってどんな鬼?「泣き虫鬼」?「怒りんぼ鬼」?それとも「けちんぼ鬼」?それは、お腹の持ち主と同じ性格をしているんですって!節分の日、豆をまくのは、お腹のなかの良くない鬼をおいだすため。お腹のなか、きれいにできるかな?由来絵本としては珍しいタイプですが、子どもにとっては共感し易いテーマのようです。

『こぶじいさま』 4歳から

松居直:再話 赤羽末吉:絵 福音館書店

おなじみの「こぶとり」の昔話は、日本の五大昔話のひとつです。できれば、就学前に1度は読んであげましょう。さまざまなタイプの絵本がありますが、お薦めなのは、やはり、このロングセラー絵本。鬼の歌の部分は、歌わなくても構いませんが、歯切れよくリズミカルに読んでください。

『おばあちゃんの恵方巻』 5歳から

野村たかあき:作 佼成出版社

いつの間にか全国区になった「恵方巻」ですが、その由来や意味をご存知ですか?節分の日に、きりちゃんとおばあちゃんが一緒に「恵方巻」を作ります。実際に作る手順を追いながら、7種類の具の意味なども祖母から孫へ語られ、大人でも初めて知ることがたくさんあります。巻末には絵本巻のレシピも。

『鬼が出た』 5歳から

大西廣:文 梶山敏夫ほか:絵 福音館書店 親子で

「鬼ごっこ」という言葉にもあるように、「鬼」は私たちの身近にある言葉です。本書は、日本に伝わる鬼の絵、彫刻、写真や物語を手掛かりに、鬼についていろいろな角度から考える絵本です。小学校中学年以上を対象にした作品ですが、写真も多く、読んであげれば5歳くらいから楽しめます。幼い時期に、全部は理解できずとも、大人と一緒に良質な絵本を見る経験は子どもの好奇心を大きく育てます。

『富士山 うたごよみ』 小学生から

俵万智:短歌・文 U・Gサトー:絵 福音館書店

節分翌日の春に始まり、啓蟄、夏至と続く二十四節気を、短歌と富士山をモチーフにした絵で綴った美しい絵本です。折に触れご家族で開き、画文一如の世界に親しんで下さい。ちみに「立春」」は「二月四日頃、春のはじまりです。さあ、春になりますよと知らせるように吹く南寄りの強い風を、春一番と呼びます。」と総ルビで書かれています。

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教えてくれたのは

児玉ひろ美|JPIC読書アドバイザー・台東区立中央図書館司書

JPIC読書アドバイザー 台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活躍。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。

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