【助産師監修】基礎体温の平均や測り方、周期グラフの乱れ方や注意点を解説

基礎体温は、月経周期や排卵日を把握するためだけのものと思われがちですが、そのほかにも体で起こるさまざまなことを知ることができます。そこでこの記事では、基礎体温とはなにか、基礎体温でわかること、基礎体温の測り方を解説。また、月経周期による体温と体の変化なども紹介します。

基礎体温とは

基礎体温は、人間が生命を維持するために必要最低限のエネルギーしか使っていないときの体温です。平たくいうと、安静状態にあるときの体温のことをいいます。

基礎体温でわかること

基礎体温は女性ホルモンのバランスが反映されます。そのため、基礎体温をつけると次のようなことがわかります。

・月経周期のパターン
・排卵の有無(推測)
・妊娠しやすい時期

これらのことから自分自身の体と心のリズムがわかり、好調の時期なのか不調の時期なのかを判断しやすくなるのがメリットです。また、PMS(月経前症候群)の症状が出やすい時期も掴むことができます。

一般的な基礎体温の周期グラフ

基礎体温は、4つに分けられた時期(月経開始日から次の月経の前日までの日数こと)ごとに特徴があります。まずは、それぞれの時期で体に起こる変化を見ていきましょう。

一般的な基礎体温の周期グラフ
一般的な基礎体温の周期グラフ

卵胞期

卵胞期は卵巣の中の卵子のもととなる原始卵胞が成熟する期間です。成熟卵胞から卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮内膜が徐々に厚くなっていきます。

卵胞ホルモンのはたらきによって、気分が安定し、心身ともに活発で好調な時期です。

排卵期

排卵前後数日間を排卵期といいます。排卵は、卵胞ホルモンの分泌がピークとなり、成熟卵胞から卵子が排出されることです。この期間に卵子と精子が受精すると妊娠する可能性があります。

ホルモンバランスが急激に変動する時期なため、気持ちの起伏が激しくなり、不安定になりがちです。また、透明で粘り気のあるおりものが増えていきます。

黄体期

黄体期は、排卵が終わり、月経がはじまるまでの期間のことをいいます。この期間に排卵後の卵胞が黄体に変化。黄体ホルモンがたくさん分泌され、子宮内膜はより厚くなります。

黄体ホルモンの影響により、胸の張り・痛み、便秘、肩こり、眠気が増す、反対に眠れないなどの不快な症状が現れやすくなります。また、イライラや不安感、やる気が出ないなどの心の不調も現れやすい期間です。

月経期

月経期は、月経が起こる期間です。受精卵が着床しなければ、子宮内膜がはがれ落ちて血液とともに体外に排出されます。これが月経です。

黄体は退縮し、エストロゲンと黄体ホルモンの分泌量が急激に低下することで、冷えや頭痛、生理痛などの症状が出ることがあります。また、出血によって貧血になったり、身体がだるくなったりすることもあります。

基礎体温の平均

女性の基礎体温は「低温期」と「高温期」の二相に分かれていて、これを一定のサイクルで繰り返します。

前述した4つの月経周期の平均的な体温について解説していきましょう。

卵胞期

卵胞期は「低温期」と呼ばれ、基礎体温の平均よりも下の数値になります。低温期の体温は、一般的35℃台です。この低温期は、月経が始まってから排卵するまでの約2週間続きます。しかし、個人差もあり月経周期が長い方は卵胞期が長くなると考えられています。

卵胞ホルモンが大量に分泌されるため、身体も心も安定しやすい期間です。また、肌の調子もよくなる傾向にあります。

排卵期

排卵期の基礎体温は、引き続き低温期でさらにもう一段階体温が下がります。最低体温日の1〜2日前後に排卵が起こると、徐々に体温があがり「高温期」に突入します。

高温期は基礎体温の平均よりも上の数値で、一般的には36.7℃前後です。平熱が高い人は、37℃以上になるケースもあります。

黄体期

黄体期は引き続き「高温期」です。黄体ホルモンの分泌により体温が上がります。

黄体ホルモンが多く分泌されるため、倦怠感やイライラ、集中力に欠ける、強い眠気などの症状を起こすことがあります。

月経期

基礎体温がガクッと下がると月経期に入ります。体温が下がった状態の「低温期」が約2週間続きます。

ただし、ストレスやホルモンバランスが乱れている人は、低温期になっても基礎体温が下がりきらない場合もあります。そのような場合には病気の疑いがあるので、婦人科を受診することをおすすめします。

基礎体温の測り方

それでは、基礎体温の測り方を説明していきましょう。通常の体温計での測り方とは違うので、注意してくださいね。

基礎体温の測り方を解説します

婦人体温計を用意する

基礎体温を測るときには、婦人体温計を用意します。婦人体温計は0.01℃まで測れる体温計です。「予測式」と「実測式」の2種類あり、予測式は短時間で平衡温(測定部が体の内部と同じくらいになった温度)を予測して表示、実測式は5分間測定して正確な基礎体温を測れます。

朝起きたらすぐに基礎体温を測れるよう、枕元やベッドサイドに婦人体温計を用意して眠りましょう。

朝目覚めてすぐ計測する

朝、目覚めたら、起き上がらずにそのまま寝た状態で基礎体温を検温しましょう。検温は、毎朝同じ時刻に行うのが理想です。

ただし、同じ時刻に測れないこともあるかもしれませんね。そのような場合は検温した時間をメモしておいてください。時間がずれたとしても、起き上がらないことが大切です。うっかりと起き上がってしまった場合は、その日は飛ばして次の日からまた記録しましょう。

婦人体温計を舌の裏側に当てる

婦人体温計の先の感温部を、舌の裏側のつけ根部分に当てます。具体的には、「舌小帯」と呼ばれる舌の裏側のいちばん奥にある中央のすじの両側のどちらかの部分です。婦人体温計を舌で押さえ、口を閉じ測りましょう。検温中は口で息をしないように注意してください。

基礎体温を確認・記録

婦人体温計に表示された体温を確認し、体温を記録します。基礎体温を記録するためのアプリを活用すると続けやすいでしょう。

基礎体温の乱れ方と注意点

基礎体温を記録して見てみると、一般的な周期と違った乱れ方をする場合もあります。どのような乱れ方をしたら注意しなければならないか、解説していきましょう。

ずっと低温期が続く

月経から次の月経までの期間、基礎体温が低い状態で数値がほとんど変わらないという場合には、無排卵の可能性があります。無排卵では、、不正出血が起こったり、不妊症になったりすることが考えられます。低温期が続く場合には婦人科を受診しましょう。

高温期が2週間以上続く

排卵後の高温期が2週間以上続く場合には、妊娠の可能性があります。これは、黄体が黄体ホルモンを分泌し続ける作用によるものです。

高温期が短い

高温期が短いのは、黄体ホルモンの分泌期間が短くなっていることを表します。こうなると、卵巣のはたらきが悪くなり、妊娠しにくくなります。また、妊娠しても受精卵がうまく育たないこともありえます。

高温期に一時的に基礎体温が下がる

高温期に、一時的に基礎体温が下がる場合には、卵巣のはたらきが悪くなる「黄体機能不全」の疑いがあります。基礎体温表のグラフがM字のようになっていたら、婦人科を受診してください。

基礎体温が低い

低温期が35℃台、高温期でも36℃前後の人は、低体温といえるでしょう。低体温になると冷えや排卵への影響、臓器機能の低下、免疫力の低下などを起こします。湯船につかる、冷たい飲み物を控える、筋肉量をアップするなど、日頃から体を温めるような生活習慣に切り替えましょう。

基礎体温を測って記録しよう

女性にとって「基礎体温」を測ることは自分の身体を知ることができ、健康のバロメーターにもなります。基礎体温を正しく測って、記録することを継続しましょう。

参考:女性の月経周期や基礎体温は年齢により変化 高温期も年齢により変化 日本人女性31万人を調査(保健指導リソースガイド)

あなたにおすすめの記事はこちら

排卵日はいつ? 何日間あるの? 計算方法や妊娠確率、排卵日に起こりやすい体調不良について解説【医師監修】
「赤ちゃんが欲しい」「妊活を始めようかな」と考えている方は、排卵日についてどのくらい理解していますか。排卵日は妊娠しやすい日と言われており、...
【医師監修】生理中、眠いときは寝たほうがいい? 生理前・生理後にだるさや頭痛、眠気が続く原因と対策をチェック
生理中の「眠い」を無視せず、寝たほうがいい! 生理が始まると、異常な眠気を感じたり、寝ても寝ても眠気が取れないと感じたことはありませんか。...

記事監修

河井恵美|助産師・看護師

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

文・構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事