「怖い」「眠れない」なかなか寝つけない息子、心理的に原因が?【医師がアドバイス】

『小学一年生』(小学館発行)が読者のママ・パパのお悩みを大募集! 日常の子育てや、発達・健康上の心配など、専門家の先生に解決の糸口をアドバイスしていただきます。

Q:子どもがなかなか寝つけないようです。

先日、寝る前に子ども部屋をのぞいたところ、長男の布団がモゾモゾと動いていて、声をかけたところ「眠れない」と言うのです。天井のシミが顔に見えてきて怖くなったり、すみっこに誰かがいるような気がして怖くなったりと、日によっていろいろなのだそうです。
また、夜中に怖い夢を見て目覚めることもあるのだそうです。何か心理的なことが原因なのでしょうか。
よく眠れるようにしてあげたいのですが、何か良い方法があれば教えてください。(ひろさん)

A:眠りにつくまで子どもの心に寄り添い、安心させましょう。

寝るときに怖いと感じて眠れなくなってしまう。この年齢の子どもではよくあることです。7~8歳頃までは、バーチャルな世界と現実の世界を混同してしまいがちです。親御さんも子どもの頃に、怖い映画やお話を聞いた後、怖くて眠れなくなった経験があるのではないでしょうか。

この子もおそらく、テレビや映画、あるいはゲームなどで怖いものを見てしまった、というようなきっかけがあったのではないかと思います。

もし、怖いものを見たことがきっかけで眠れないのであれば、「寝るまで手をつないでいてあげるね」などと優しく声をかけましょう。「お父さんお母さんがついていてくれる」と思えば、安心して眠りにつけると思います。

ほかの原因として考えられるのは、寝る直前まで、テレビやスマホ、タブレットなどを見ていた場合です。画面から発しているブルーライトの刺激によって、脳が日中と同じような活動状態になってしまい、いつまでも眠れなくなります。

心当たりがあれば、布団に入る2~3時間前から画面を見るのをやめて、親子のコミュニケーションを楽しむなど、穏やかに入眠できる環境を整えましょう。

それから、全くの別件で心理的に負荷になるような心配事があり、それをうまく口にできない場合も、不眠の原因になることがあります。そういったことがないか、子どもの様子を見て探ってみるのもよいかと思います。

それから一般論として、夫婦仲が悪いなど、家庭内での不和が子どもの心に影を落とすことがあります。その場合は、大人ができるだけ解決に向けた努力をすることが必要です。

いずれにせよ、親が子どもに与える安心感こそが最良の「眠り」へとつながります。子どもの様子を見ながら、一番安心できる方法を考えてあげてくださいね。

私がお答えしました

川上 一恵 先生|かずえキッズクリニック院長・医学博士
診療の傍ら、地域の小学校、幼稚園、保育園の校医、園医も務める。日本小児科学会認定専門医。日本小児科医会「子どもの心相談医」。

『小学一年生』2022年8月号 別冊『HugKum』 イラスト/かまたいくよ 構成/天辰陽子

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

あなたにはこちらもおすすめ

寝つきが悪い・眠れないのはなぜ? 大人から子どもまで、考えられる原因と対処法を解説
子育て中のパパ・ママの皆さん、最近よく眠れていますか? 親子にとって快適な睡眠は心身ともに健やかに暮らすためには不可欠のはずです。 小...
「 朝起きられない…」原因は子どもの自律神経の乱れ?睡眠ファースト育児が解決のカギ
子どもの朝の寝起きがよくないことで、ママやパパが必要以上にイライラしたり、準備に時間がかかったりすることがありますよね。どうすれば、朝すっき...

再構成/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事