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まとめ方を選ぶ視点が大切!
自由研究のまとめ方については、情報がありすぎてどうやって選んだらいいのか困るという声もよく聞きます。
この記事では、模造紙、図鑑やアルバム、タブレットでのまとめ方をご紹介します。
まずは「まとめ方を選ぶポイント」をお伝えします。
自由研究のテーマに合わせて、まとめ方を絞ろう
まずは、自由研究のテーマ・題材に合わせて、まとめ方を絞り込んでみましょう。絞り込んだ中から、最終的にはお子さんが決められるとよいです。
「これにする!」と自分で決めたもののほうがアイデアがわきますし、モチベーションも上がります。
最も優先すべきことは「お子さんに合っていること」
お子さんの発達、関心を考慮して、お子さんに合ったもの・無理のないものを選ぶのは最優先事項といえます。例えば、ひらがながやっと書けるようになったばかりの子にとって、模造紙いっぱいに文字を書くのはなかなかハードルが高いですよね。
「これやりたい!」「これならできそう」とお子さんが自分で判断しながら選べるようにしましょう。
展示することも想定しておこう
新学期が始まると、画用紙や模造紙にまとめたものは壁に掲示され、工作などの立体作品はロッカー上や長机の上に展示されるのが一般的です。展示スペースのことを考えると、サイズ感を意識するのも大切です。模造紙なら1枚に収まるように、工作ならお子さんが一人で学校まで運べるくらいにしましょう。
また、現在は感染対策のため、「作った人以外は触らないようにしましょう」と指示が出ることもあります。
そうすると、ガチャガチャマシンや段ボール迷路など、触って遊べるような工作を作ってもお友だちに遊んでもらえません。手作り図鑑や手作り絵本など、ページをめくるタイプのものも同じで、お友だちに見てもらうことができません。せっかく作ったのに見てもらえないと、お子さんも残念に感じるかも。
そのあたりも考慮してみましょう。
書き写すのが苦手な子には一気に見渡せる「模造紙」がおすすめ
黒板の文字をノートに書き写すのが遅い子、計算ドリルの計算式をノートに書き写すのが難しい子は、決して勉強ができないわけではありません。ただ、“ある特徴”があるのです。
書き写すのが苦手なのには理由がある
文字を書き写す作業には、「読む」「記憶する」「書く」の3つの動作があります。この中の「記憶する」が苦手だと、書き写すのに時間がかかったり、書き間違いが多くなったりします。
ページをめくる必要のない「模造紙」がおすすめ
そんなお子さんには、一目でパッと見てわかる「模造紙」にまとめるのがおすすめです。ノート・調べた本・タブレット…と見る対象がたくさんあると、このタイプのお子さんには情報量が多いかもしれません。模造紙なら、書く場所が一カ所なので、一点集中で作業を進めることができます。
また、紙が大きいので、低学年のお子さんでも文字の大きさを気にせずまとめることができます。マス目入りの模造紙だと、さらに文字や図を書きやすいので、実験や地図を使ったまとめには特におすすめです。
模造紙だと大きすぎると感じるようでしたら、画用紙2~3枚程度にしてみましょう。パッと見て、どこに何を書いたかわかることがポイントです。
収集する・コンプリートに達成感を感じる子は「マイ図鑑」「オリジナルファイル」を!
ひとつのことに長い期間熱中できる、カードやシールを集めるのが好き、というお子さんの収集欲・達成感が満たされる方法を見ていきましょう。
集めるのは「昆虫採集」だけじゃない!
ママパパ世代は、“集める”“図鑑”というと「昆虫採集」を思い浮かべるかもしれませんね。そんな、“集めたい”という気持ちを形にしたいのは、昔も今も同じです。
「マイ図鑑」「オリジナルファイル」は、様々なジャンルで実践することができます。自分でテーマを決め、それに当てはまるものをたくさん調べ、まとめます。
例えば「花」がテーマなら、朝顔・バラ・チューリップ・ひまわりなどについて、写真やイラストを入れてまとめていきます。
書く項目をテンプレートのように決めておき、1ページに1つずつ書いていくと見やすいですね。「オリジナルファイル」は、調べるものによって、カードサイズやA4サイズなどいろいろなサイズでまとめることができるので、お子さんに負担のないものが選べます。
・乗り物図鑑(電車・車・バイク・船・飛行機など)
・生き物図鑑(虫・魚・花・恐竜・珍しい動物・かわいい動物など)
・世界の国旗図鑑
・キャラクター図鑑(ポケモン、マリオ、どうぶつの森など)
・レシピファイル
・夏のコーディネート 洋服デザインファイル
昆虫や植物に限らず、お子さんの関心の高いことから考えてみましょう。
自分のペースで達成感を積み重ねられる!
「マイ図鑑」「オリジナルファイル」は、自分のペースで1つずつ、確実に進めていくことができます。
実験だと、成功だけでなく失敗する可能性もありますが、図鑑やファイルなら、自分の見通し通りに進めることができるので、1つ書き終わるごとに「できた!」「こんなに集まった!」と達成感を積み重ねていくことができます。
自分で決めた方法でコツコツ進められるお子さん、予想外のことが苦手なお子さんにもおすすめです。
学校タブレットでまとめるのもアリ!
夏休みは家にいる時間が長く、ついついスクリーンタイム(タブレットやゲームなど画面を見ている時間)が長くなってしまいますよね。デジタル機器が好きなお子さんには、タブレットを使った自由研究もおすすめですよ。
タブレットをつかって“まとめる”
実験や調べたことについて、タブレットでまとめることもできます。
学校で使っているタブレットのアプリを使って、プレゼンテーションにしていくのです。全国的に見ると、PowerPoint、Googleスライド、ロイロノートなどを使っている自治体が多いようです。
お子さんにとっては、タブレットを使う事自体が楽しいことです。
遊び感覚で、ローマ字入力やスライドの作り方を学ぶことができます。国語でローマ字を学習するのは3年生ですから、低学年のお子さんにはハードルが高いかもしれません。高学年のお子さんだと、大人顔負けのスライドを作る子もいますよ。
タブレットをメインに使った自由研究
お子さんが家でゲームやスマホばかりいじっていると、「スマホ漬けは嫌だな…」と気になりますよね。
そんな場合は思い切って、タブレットを使った自由研究をさせてみてはいかがでしょうか。特に中学年以上なら、もう4年間くらい自分のタブレットを使っているわけですから、基本的な使い方には慣れてきているはずです。
展示することを考えると、学校タブレットを使ったものが良いでしょう。いくつか例をご紹介します。
・プログラミングアプリでオリジナルゲームを作る
・地図アプリを使って世界の国々や名所を調べてまとめる
・オンライン社会科見学に参加する
・動画編集で、オリジナルCMを作る/YouTuberごっこをする
筆者が小学校の教員をしていたときは、一人に1台のタブレットが配られた直後でしたが、子どもたちはどんどんITスキルを高めていきました!
実際に、2年生で自宅のぬいぐるみを使ってコマ撮りアニメーション作った子、プログラミングアプリでミニゲームを作った子がいました。また、YOASOBIに憧れた5年生の子は、音楽編集アプリ(DTM:デスクトップミュージック)で、オリジナルの曲作りに挑戦しました。
その子はそれまで音楽の授業に全く興味がなかったのですが、タブレットで音楽を作る経験をしてから、楽器や音楽の捉え方が大きく変わったそうです。
タブレットというと、子どもたちは必要な情報を調べたり、動画を見たりすることが多いですよね。
タブレットやPCで、時間をかけて何かを創り出す経験は、なかなか学校ではできないものです。「プログラミングでこんなものを作る!」と明確に決めていなくても、まずはアプリを使っていろいろ試す中で、アイデアが出てくるかもしれません。
お子さんの「達成感」「満足感」を 大切に
自由研究というと、「“夏休みならでは”なことをやったほうがいいのでは?」と感じるママパパもいるかもしれませんが、最も大切なのは、お子さんの気持ちです。
「やったー!できたー!」という達成感や、「自分の思った通りにやれた」という満足感がもてていれば、大丈夫です。「もうちょっと工夫したほうが・・・」と完成度に口を出したくなることもありますが、親はあくまでも選択肢を与える程度で最終的にはお子さんに判断を委ねましょう。
「自分で決めた!自分でできた!」という自己効力感が、今後につながるはずです。
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文・構成/yurinako