家族写真や動画…「思い出」という大事なデータを自然災害で失わないために、やったほうがいいこと

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自然災害はいつ起こるかわかりません。日本は地震の多い国ですが、近年は豪雨などによる停電や水害も増えています。予測できない災害が起きたとき、家族の写真や動画などの大切な思い出の詰まったデータを守るにはどうしたらよいのでしょうか。

日々、増えていくデジタルデータ

子どもが産まれた日、初めて歩いた日、入学式、家族旅行、子どもたちと過ごす日々には残しておきたい記念日がたくさんありますよね。デジカメやスマホで、手軽に子どもの成長記録として撮影できるのは便利ですし、シェアも楽になりました。その一方で、昔のように撮るたびに現像した写真をアルバムに貼る、という方は減ったように思います。

スマホの容量も大きなものが多いので何年間分の画像や動画がそのまま、という方も多いのではないでしょうか。

ある日突然大切なデータが消えてしまうかも

この大切なデジタルデータは、地震による家屋倒壊水害による家財の水没火災による家財の焼失など、予測のできない自然災害によって、一瞬にして失ってしまう可能性があります。スマホが突然壊れたり、という日常の不安ももちろんありますよね。

パソコン本体やスマホの落下、上から物が落ちてきた衝撃、水没など災害時に発生する、想定外のトラブルで、保存してある画像や動画を見ることができなくなるということもあります。落雷も電子機器には禁物。

一瞬のうちにすべてを奪ってしまう可能性のある自然災害。大切なデータを自然災害から守る手だてにはどんなものがあるのでしょうか。

今回はIT・家電コラムニストの小口覺さんにアドバイスを伺いました!

ビジネスシーンだけではないバックアップの必要性

ビジネスシーンでは、会社の機密事項や取引先との記録など重要なデータを日々取り扱っています。そんな大切なデータが消失してしまわないように、こまめにバックアップを取っているところが多いと思います。

では、家庭ではどうでしょうか?なかなか、常にバックアップを取ることはしていないのではないでしょうか。

各家庭にも「思い出」という大切なデータがあります。それらの大切なデータもバックアップしておくことによって、災害などから守ることができるのです。ある日突然やってくる自然災害によって大切なデータが失われないためにも、面倒がらずに、小まめなバックアップを心がけましょう。

バックアップにはどんな手段がある?

では、バックアップにはどのような方法があるのでしょうか。いくつかの方法をご紹介します。

 

USBメモリ・SDカード

デジカメなどに多く使われているSDカードや、パソコンにあるデータを簡単に移動できるUSBメモリは、比較的安価なこともあり広く普及している記録メディアです。

SSD

SSDはUSBメモリやSDカードと同じくフラッシュメモリのひとつで、パソコンの内蔵ドライブや外付けの記憶装置として利用します。HDDに代わって記憶ストレージとして利用されることが増えてきていますが、HDDに比べると価格が高いという難点もあります。

HDD

SSDに比べ読み込み・書き込み速度の面では劣りますが、容量も大きく価格もSSDより安価なので外付けの記憶装置として広く使われています。多くの画像や動画のデータをバックアップしておくにはおすすめです。

DVD・Blu-ray

映像や写真などを保存できる円盤状の記録媒体で光ディスクと呼ばれるものです。どちらも比較的安価に購入することができます。光学ドライブがあれば簡単にパソコンのデータを書き込むことができ、長期保存にも向いています。

クラウドストレージサービス

クラウドストレージサービスとは、データをインターネット上のサーバーに保存し、他の端末やほかの人とデータを共有することのできるサービスのことを言います。データを複製してクラウド上に保管することによって、万が一手元のデータが破損しても再建することが可能です。

AmazonユーザーならAmazon Prime会員に加入すると、写真データであれば無制限で保存できるそうです。iCloudはiPhoneユーザーでしたら一番スムーズに使えるサービスです。そのほかにもGoogle など様々なクラウドサービスがあります。ご家庭のニーズに合わせて、無料、有料とも検討してみてください。

外付けのHDDやSSD、Blu-rayなどの物理的なバックアップは手元ですぐにデータを取り出せるという利点がありますが、地震などの災害による破損の心配もあります。

物理的なバックアップとクラウドサービスでのバックアップと併用することによって、データ焼失の危険性は下げられるのではないでしょうか。

普段からできる災害対策

大切なデータを焼失してしまわないために、普段の生活の中でもできる災害対策はこちら。

耐震対策

地震の揺れによって家具が倒れたり、物が落下した場合、パソコンやスマホに衝撃を与えてしまうことも。中のデータも失われてしまいます。また、家具の転倒は人への危害にも直結するので、2方向からの対策として必須だと考えられます。デスクトップのPCも、モニター本体共に倒れないようにしておきたいですね。

背の高い家具は転倒防止対策を施すことや寝室に置かないことなどを徹底し、落下の危険のあるものは滑り止めマットなどを使うなどの対策をすると良いでしょう。

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停電

災害時には停電になる可能性もあります。夜間に停電になった時に備えて、懐中電灯やランタンを家族みんながわかる場所に置いておくと良いでしょう。寝室の枕元にスマホを置いておけば停電時のライト代わりになり、いざというときの通信手段にもなります。

また、備えとしてポータブル電源もおすすめです。一般家庭ならば、高価な大きなものでなくても比較的安価な小型のもので十分です。可能であれば小型のポータブル電源器を複数個用意しておき、寝室とリビング・1階と2階というように分散させておくと、家族それぞれのスマホや電子機器をつなぐことができたりと、いろいろな場面で役立ちます。

スマホなどのモバイルバッテリーも常に充電しておくのが安心です。

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落雷

近年増えている豪雨被害と同時に多く聞かれるのは落雷事故です。

落雷と聞くと感電や停電が思い浮かびますが、近くに雷が落ちた後に家電製品の不具合が起こることがあります。

これは、雷が落ちる時に瞬間的に起きる高い電圧によって過大な電流が流れ込む現象で「雷サージ」と呼ばれます。雷サージによって過電流が流れ込んだパソコンやルーターなどが破損したり、内部が焼損してしまったりする恐れがあります。

雷が近づいたときにコンセントを抜くのが最善ですが、大型家電や稼働中のパソコンなどその都度コンセントを抜くことが難しい場合には雷サージ対応の電源タップを使用すると良いでしょう。

また、雷による停電時パソコンの電源を安全に落とせるように、しばらくの間電気を供給できるUPS(無停電電源装置)というものもあり、テレワークなどで常時パソコンを利用している人などにおすすめです。

エレコム 電源タップ 雷ガード

エレコム 電源タップ タワー型 延長コード 8個口 USB×5ポート

APC 無停電電源装置

各種保険

災害に備えて自宅にある家電製品などの保険や補償を見直しておくのも大切です。

パソコンには通常メーカー保証が無償で1年間ついている場合が多いですが、ほとんどが自然災害には対応していません。しかし、有償ではありますが各メーカーが提供する延長保証には、落雷や落下による破損や水こぼしに対応するプランもあります。購入後でも加入できるプランもあるので必要に応じて検討しても良いかもしれません。

サポートサービス > 延長保証|NEC LAVIE公式サイト (nec-lavie.jp)

延長保証サービス|サポート|dynabook(ダイナブック公式)

アクシデンタルダメージサービス | Dell 日本

データを守ることも大切だけれど

           

ここまでは、日ごろ撮りためた子どもの写真などのデータを守る手段についてご紹介しました。地震や水害、火災や落雷など、自然災害によって家族の大切な思い出が失われてしまうのはとても残念なことです。

しかし、災害が起き不運にも被災してしまったときには、まずは自分や家族の命を守ることが最優先です。そのためにも普段から防災意識をもって対策しておくことが重要です。

デジタルデータを守るための災害対策は、そのまま被災時のライフラインの確保にも繋がると言えます。家具の転倒や物の落下防止・停電時の電源確保などは、被災時の通信手段が断たれないようにする対策にもなります

予測のできない自然災害が起きたとき、普段からの少しの対策で「大切な家族」と「思い出」を守れるのなら、防災グッズや災害対策を今一度見直してみるのも良いかもしれません。

 

お話をうかがったのはこの方

小口 覺(おぐち さとる)さん/ライター・コラムニスト
ITや家電などを中心に「DIME」などの雑誌やWebメディアで活躍。自慢したくなる家電を「ドヤ家電」と命名し、日経MJの発表した「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定されました。

ポータブル電源は、災害時も普段も使えるおすすめ商品

今回お話を聞いた中で印象的だったのは、「ポータブル電源はそこまで大型のものでなくても十分事足ります。複数個買っていくつかの部屋に分散しておくと安心ですよ。小型の電源ならば、キャンプ時に使うなど普段から利用するようにすればしまい込んでおくよりもったいないと思わないし、使い方も慣れておけるので良いと思います。」

防災特集をみると大きくて高価なポータブル電源が紹介されていることが多いですが、なかなか簡単に手の出る価格ではないなと思っていたので、このアイデアはとても参考になりました。そして、普段使いにしてしまえば「元が取れる」という主婦的感覚も満たされる気もしました。

ほんの少しの意識や対策で大切なものが守れるならば、すぐにでも家の中を見直したいですね!

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文・構成/ひむかちほ

構成/HugKum編集部

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