新米って?
5月頃に田んぼに植えられた、小さくて可愛らしい苗。9月、10月頃には黄金に輝く稲穂となり、収穫の時期を迎えます。
秋に収穫し、その年の12月31日までに精米されたものを「新米」と呼びます。
年を越えて精米されると「古米」と呼び方が変わりますので、「新米」が食べられる時期は、実に3、4ヶ月程度なのです。これは貴重ですよね!
お米には7人の神様がいる!?
お米には、6人の自然の神様と作り手の、合わせて7人の神様がいると言われています。どんな神様がいるんだろうね?本当かな?とそんなお話もお子さんとできると、より、興味関心を引き付けることができるかもしれません。
新米を美味しく炊くには、4つの秘訣がある!
鍋で新米を炊く場合、ちょっと気をつけるだけで、うんと美味しくご飯が炊けるポイントがあります。
①洗米は、優しく素早く!
洗米の目的は、表面のぬかを取り除くこと。
ただ、洗米時にも米が水を吸うため、ゆっくり洗っていると、ごはんがぬか臭くなってしまうんですよ!
また、強く洗いすぎると、柔らかい新米は割れてしまうことがあるので優しく洗うこともポイント。
②水加減に気を付けて
洗う前の米の容量の10%増しを標準としますが、米の品種、炊きあがりの好みにより調節してみてください。
また、炊飯器の目盛りは上から見ると誤差が出やすいので、計量カップなどで水を正確に計ると良いでしょう。
③吸水は最低でも30分以上、水の温度もカギ
米の中心部分まで吸水させると、芯のないふっくらとしたごはんに仕上がります。
また、水の温度が冷たいほど、ゆっくりと時間をかけて水を吸っていきます。冬場は水温が低いので1時間、夏場は30分が目安です。
④蒸らしは美味しくなるための大事な時間
炊きあがっても、ふたをすぐには開けず10~15分ほど蒸らします。米粒の水分の分布を均一化するため、蒸らし時間は大切なのです。
新米を「鍋」で炊くと、どのように子どもの五感が育つのか
新米は炊飯器で炊いても、とても美味しく炊けるのですが、一度は「鍋」で炊いてみることもオススメします。
というのも、新米を「鍋」で炊くと、子どもの五感を刺激するポイントがたくさん詰まっているから!
【五感とは】
身体の皮膚・目・耳・鼻・口の5つの器官で感じる触覚・視覚・聴覚・嗅覚・味覚のこと。
もちろん、土鍋ではなくても、厚手のステンレス鍋などご家庭にあるお鍋でも美味しく炊けます。
ぜひご家庭にある鍋で挑戦してみてください。
五感を刺激するとどんないいことがあるの?
「脳が活性化される」と言われています。
具体的には表現力が付く・想像性が高まる・感覚が豊かになる・集中力が付く・危機管理能力が付くなどです。
触覚を育てる
米びつに手を入れたとき、子どもはまるで砂浜に来たかのような、キラリと目を輝かせる表情をしてくれます。「サラサラしてるね」「いつも食べているごはんよりもとっても固いね、このままじゃ食べられないね」など、さわった感覚や、手から零れ落ちるさらさらした感覚を言葉にして表現してみて。手先の感覚をより豊かにしてくれるでしょう。
視覚を育てる
浸漬前後で比べると、色の違いは一目瞭然です。
洗米や浸漬で余分なぬかも落ち、水に浸したあとの新米は真っ白です。「お水を吸って、ふっくらごはんになる準備をしているのかな」そんなことも、鍋で炊くからこそ味わえるワクワクの体験です。
ここでは「どうして白くなるんだろう?」「お水につけただけでピカピカになったね!」など好奇心を刺激する声掛けをしてみてください。さらには、よく観察すると、米粒一つ一つがすこし大きくなっているのも分かるはず。
視覚を磨くことは集中力や視覚優位が養われ、「目で見たほうが理解しやすい」など勉強にも役立つことでしょう。
聴覚を育てる
鍋に火をかけ約5分後、「ヒューヒュー」という音が聞こえてきます。
「よーく耳をすませてみて?!」と、耳を傾けると、蒸気とともに、鍋の蓋がカタカタと揺れる音や、蒸気が漏れだす音が聞こえてきます。
「お鍋の中で、お米が踊っているのかな?」「お鍋の中で、あつい!あつい!って言ってるのかな?」など、聴覚が刺激されると子どもの想像力を育むきっかけにもなります。
嗅覚を育てる
蒸気が出てくると同時に、いい香りもしてきます。炊きあがるお米の甘い香りを感じることで、普段意識しづらい嗅覚も研ぎ澄まされます。ただし、蒸気はとても熱く、やけどの危険がありますので気をつけてくださいね。
味覚を育てる
最近の炊飯器はとても性能が良く、美味しく炊くことができますが、洗米・浸漬、そして炊けるまでの過程を五感を使って楽しんだ土鍋ご飯は、炊飯器で炊くごはんとはまた違う特別な味になるはず。
新米ごはんは一粒一粒が艶やかでふっくら。香りも豊かです。そして、もちもちとした新米は、口の中で甘みが広がり美味しく食べることができます。炊き立てのごはんは、「ご飯でご飯が食べられる!」と言うほどに主役になり、味覚は刺激されることにより成長していきます。
五感を磨いて、食を楽しもう
当たり前に炊いて、日々当たり前に食べるご飯ですが、そこには長い月日の自然の力や、作る人の想いが詰まっています。
それらを「五感」を使いながら全身で感じると、よりごはんが美味しく感じることでしょう。
秋のいい季節、おにぎりにしてお出かけというのもよさそうです。お子さんも一緒にお鍋でご飯を炊いてみたら食べ物への感謝、興味の心がより一層深まると思います。★
この記事を書いたのは…
出産後、薬剤師として医療に携わる中で、子どもたちの心身の不調が増えていることに気づく。また、自身の子どもの喘息・アトピー性皮膚炎など、子どもの健康に不安を感じることが増えた。どうしてなのかと考え着いた先は、体を作る土台となる「食」。たくさんのことに興味関心をもつ幼児期に「食選力」を身につけ、自分の身体、そして将来、大事な人の身体も大切にできる大人になってほしい。その想いで、キッズ食育マスタートレーナーとして青空キッチン、食育イベントを大田区を中心に開催している。