1年生は事故が激増!どうする?子どもの安全・防犯対策【危機管理アドバイザー監修】

入学したら話し合いましょう! 子どもの安全・防犯対策

小学生になると、登下校時など子どもだけで行動する機会が増えます。交通事故や犯罪などの危険から身を守るためにはどんなことに気をつければいいか、親子で話し合っておきたいですね。

新1年生は歩行中の事故や事件に注意!

小学生になると親による送迎が少なくなり、お子さんだけでの行動が急に増えます。歩行中の交通事故や事件が激増するのも1〜2年生にあたる7歳児です。
これまでは親に守られていたけれど、子ども自身にも〝自分で身を守る〟という意識が大切になってきます。子どもの危機管理能力を上げるために、事故や事件のニュースを見たときには「○○ちゃんだったらどうする?」と問いかけ、どのように気をつければいいかを話し合いましょう。
4月の緊張感が緩むのか、5月・6月以降は交通事故が増える傾向があります。登下校や学校生活に慣れても、安全・防犯面では4月と同じ緊張感を保てるようにしたいものですね。

交通安全編

注意ポイント

小学1年生の歩行中の死傷事故の約4割は登下校中に起きています。おもに道路での注意ポイントを伝えておきましょう。

まわりに気をつけて歩くようにしましょう

活動範囲が急に広がることで、交通事故に巻き込まれやすい7歳児。子ども自身が安全な行動をとれるよう、周囲に気を配る意識づけをしていきましょう。周囲の車に気をつけることは、交通安全対策以外に車などで近づく不審者対策にもなります。

男の子は「飛び出し」に特に注意を

小学生があう交通事故の原因は「飛び出し」がいちばん多く、33%を占めています。また男女の内訳は、男の子が7割以上と女の子の約2倍なので、男の子は十分に気をつけるようにしましょう。(警視庁「子供の交通人身事故発生状況(平成28年上半期)」より。)

歩行中の交通事故は7歳児が突出!

■歩行中の交通事故死傷者数

子どもだけで行動する機会が増える一方で、危険を察知する能力がまだ低い、7歳児の交通事故死傷者数が突出しています。〈2015年、交通事故総合分析センターまとめ〉

 

防犯編

注意ポイント

子どもをねらった連れ去り事件などを未然に防ぐために、気をつけたいことを確認しましょう。

■小学生をねらった事件が起こりやすい時間帯


午後2時から6時までの下校から夕食までの時間帯に、不審者による声かけや連れ去りなどが多く発生しています。〈警視庁ホームページ「防犯チェックポイント」(2016年7月更新)より〉

決まった道を通る約束を

近道だからといって通学路と別のルートを歩かないようにしましょう。友だちと離れて「ひとりでいる」ことで、ねらわれる危険が高まります。習い事や友だちの家に行くときも、なるべく人通りの多い道を選んで「この道を通る」と決めておくといいでしょう。

どんな人とも一定の距離を保ちましょう

いい人か悪い人か、見た目だけで子どもが判断するのは難しいので、相手がだれでも一定の距離を保つようにしましょう。一定の距離とは向かい合って両手を伸ばし、指先がふれない程度の距離で、誰かに声をかけられても、これ以上近づかないことを教えましょう。

この距離なら「何かあっても逃げられるね」と確認し合います。

声かけのパターンを知りましょう

不審者情報の多くは、子どもの気を引く「声かけ」行為です。それが連れ去りなどの事件につながることもあります。あいさつとは違う、子どもに「答え」や「行動」を求める声かけには絶対に応じないように伝えましょう。

万が一の身の守り方は

通学時だけでなく、帰宅後外出するときも防犯ブザーを携帯し、いざというとき鳴らせるよう練習しておきます。さらに、不審者が手を伸ばしてきたら、すぐさま深くしゃがみこみ、同時に逆を向いて走って逃げます。身長差のある大人の視界から消えることで不意をつき、逃げる隙をつくります。

入学までに通学路を親子でチェックしましょう!

子どもと一緒に家の近所と通学路を歩いてみて、交通事故や犯罪が起こりそうな場所を記した「安全マップ」を作りましょう。気をつけたいポイントがひと目でわかりやすくなります。

 

注意したいのは、こんな場所

◆人に見られずに連れ去られやすい場所◆

見通しの悪い公園、ひと気が少ない路上など。

 

◆ほかの人に気づかれず、車で連れ去られやすい場所◆

駐車場、路上駐車が多い場所など。

朝と夕方、時間帯を変えて歩いてみましょう

商店街であっても開店前の登校時間帯は人通りが少ないというように時間によって街の雰囲気が変わる場合があります。普段は交通量が少ない道でも時間帯によっては交通量が増えます。

いざというとき、 助けを求められる場所を確認

危険を感じたときや困ったとき、助けを求めることができる場所が子どもの行動範囲にあるか確認しておきましょう。コンビニや「こども110番の家」もマップに書きこんでおきましょう。

教えてくれたのは…


国崎信江さん
危機管理教育研究所代表危機管理アドバイザー
家庭を守るための防災・防犯対策や、身近な危険から子どもを守るための研究・啓蒙活動に務める。広く「いのちをまもる」ための活動に取り組んでいる。

 

出典/『小学一年生』別冊HugKum イラスト/坂本直子 構成/村重真紀

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