山形名物「じんだん」とは? 「ずんだ」との違いや作り方、じんだんシェイクやトーストアレンジも紹介!

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「じんだん」とは、枝豆をすり潰して砂糖で味付けたもの。山形名物のひとつです。
枝豆をすり潰して砂糖で味付けしたものといえば、「ずんだ」を思い浮かべる方も多いのでは? そこで本記事では「じんだん」とはどのようなものか、「ずんだ」との違いや作り方を紹介していきます。

山形名物と聞いて、まず何を思い浮かべますか? 「いも煮」や「米沢牛」と答える方が多いのでは? 「じんだん」も山形名物の1つです。しかし、あまり馴染みがないという方も、多いのではないでしょうか。

ここからは、甘くて濃厚な豆の味が美味しい「じんだん」について紹介していきたいと思います。

山形名物「じんだん」とは?

山形名物「じんだん」は、茹でた枝豆をすりつぶし、砂糖や塩などを加えたもの。鮮やかな緑色のペースト状で、主に団子にかけたり、饅頭や大福の餡として用いられます。

「じんだん」と「ずんだ」との違いは?

実は「じんだん」と「ずんだ」は同じもの。地域ごとにその呼び名が変わるのです。

「じんだん」は、山形県南陽市を含む、置賜(おきたま)地方の方言。山形市では「ぬた」ともいわれています。そして宮城県では、同じものが「ずんだ」や「じんだ」と呼ばれているのです。

伊達政宗も愛した「じんだん」

山形県置賜地方を治めていた、伊達政宗も「じんだん」を好んで食したのだそうです。また、ふるさとの味として、「じんだん」をほかの戦国武将にも振る舞ったといわれています。

「じんだん」に使われる「だだちゃ豆」とは?

山形では、じんだんに使われる枝豆は、「だだちゃ豆」という品種が使われています。だだちゃ豆とはどんな豆なのか。一般的な枝豆との違いや旬の時期をチェックしていきましょう。

だだちゃ豆

だだちゃ豆とは?

だだちゃ豆とは、山形県鶴岡市で昔より栽培されてきた枝豆です。その枝豆のうち、だだちゃ豆は豆のうす皮が茶色い「茶豆」に分類されます。つまりだだちゃ豆は枝豆の一種で、山形県に昔から根付いていた品種です。

だだちゃ豆は、香りが良く、甘味があって濃厚な味わい。噛めば噛むほど、豆の旨味を感じます。そのため「枝豆の王様」と呼ばれることもあるそうです。甘味が強いだだちゃ豆は、じんだん作りに最適というわけですね。

ちなみに枝豆は大豆を熟す前に収穫したもので、「枝豆」という名前は、枝のまま茹でることに由来するといわれています。昔は「枝なり豆」と呼ばれていて、そこから「枝豆」といわれるようになったそうです。

だだちゃ豆に含まれる栄養は?

だだちゃ豆には、大豆と同じように大豆イソフラボンや良質なタンパク質、ビタミンB1などのビタミン類、カリウムやカルシウム、葉酸や亜鉛といった栄養が豊富に含まれます。

さらに注目すべき栄養素は、オルチニンです。オルチニンは、成長ホルモンの分泌を促し、美肌効果も期待できます。このオルチニンが、シジミよりも多く含まれているそうです。

枝豆との違いは?

だだちゃ豆は枝豆の1種であるため、パッと見てこれらを見分けるのは難しいでしょう。しかし、一般的な枝豆の外見は緑色をしていますが、だだちゃ豆のさやには茶色いうぶ毛が生えています。そのため、一般的な枝豆よりも少し茶色がかって見えることがあるようです。

また、含まれる栄養素の違いについて見ていくと、茶豆は一般的な枝豆よりも、アミノ酸や糖分が多く含まれているとされています。

だだちゃ豆の旬は?

だだちゃ豆の収穫時期は、7月下旬~9月上旬まで。8月下旬に最盛期を迎え、この時期のだだちゃ豆は、茶豆特有の深い味わいを楽しむことができます。

美味しい「じんだん」の作り方

「じんだん」の材料は枝豆と砂糖、塩といたってシンプル。使用する枝豆はだだちゃ豆でなくてもOK。冷凍のものでも、一般的な枝豆でも作ることが可能です。

また、「じんだん」作りには、ゆがいた枝豆をすり鉢などで潰す工程がありますが、すり鉢がなくても大丈夫。フードプロセッサー、もしくは、丈夫な袋に入れて、綿棒などで叩いても作ることができます。では、一緒に「じんだん」を作っていきましょう。

美味しい「じんだん」を作るポイントは?

・枝豆は柔らかめに茹でる

柔らかめに茹でることで、潰しやすく滑らかになります。

・枝豆のうす皮も取る

豆をさやから取り出す際、うす皮も一緒に取りましょう。そうすることで、口当たりが滑らかなじんだん餡になります。

材料

・枝豆(さやから取り出した豆の重さ)… 120~150g
・砂糖… 40g
・塩… 小さじ1/3
・水… 80cc

作り方

1、枝豆は流水でサッと洗います。

2、鍋に湯を沸かし、火を弱め、枝豆を柔らかめに茹でます(15分くらい)。

3、枝豆は柔らかめに茹で上がったら、ざるにあげて冷まします。

4、手で触れる温度になったら、さやから豆を取り出します。このとき、うす皮も一緒にむくのが滑らかな、「じんだん」になるポイント。

5、枝豆をフードプロセッサーなどで潰します。丈夫な袋に入れて綿棒で叩いてもOKです。

6、鍋に潰した枝豆、砂糖(分量の半分)、塩、水を入れて火にかけます。

7、焦げないように混ぜながら加熱し、煮たったら、残りの砂糖(残りの半分)を入れてさらに煮ます。

8、よく混ぜ、滑らかになったら火を止め、じんだんの完成です。

作った「じんだん」の活用方法は?

作った「じんだん」は、団子や餅以外にも使うことができます。「じんだん」を使った、おすすめの食べ方を見ていきましょう。

じんだんシェイク

クリーミーで濃厚な豆の味を楽しめる、じんだんシェイク。氷を入れると、暑い夏のデザートとしておすすめです!

【材料】

・じんだん… 50g
・バニラアイスクリーム… 75g
・豆乳(もしくは牛乳)… 50cc
・氷… 適量

【作り方】

1、ミキサーに豆乳、じんだん餡、バニラアイスクリーム、氷を入れて攪拌します。

2、お好みの硬さになったら完成。

トーストにのせて食べてると美味しい

「じんだん」は餅や団子だけでなく、パンにも合います。トーストしたパンの上に、じんだん餡、バターをのせて食べると、とっても美味しいです。

【材料】

・じんだん… 適量
・食パン… 1枚
・バター… お好みで

【作り方】

1、食パンをトーストしたら、じんだんをのせ、お好みでバターをトッピングして完成です。

「じんだん」はお取り寄せすることもできる

山形県南陽市に本店がある『じんだん本舗大江』の元祖じんだん饅頭は、山形県庄内産のだだちゃ豆を贅沢に使った、特製のじんだん餡を薄皮で包んだもの。皮を感じなくらい、じんだん餡をダイレクトに感じると評判です。

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山形名物「じんだん」はお取り寄せしてもよし、自分で作っても楽しい

枝豆の王様、だだちゃ豆を使用して作られた「じんだん」は、香り高く濃厚な味わいが美味しい1品。山形からじんだん饅頭などを取り寄せて、本格的な味を楽しむこともできますし、手軽に市販の枝豆を使って作ることもできます。ぜひ伊達政宗も愛した山形名物「じんだん」を味わってみてください。

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

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