島根銘菓を探訪
島根には、美味しい和菓子や、出雲大社に関連するご利益がありそうな開運スイーツ、かわいい形のお菓子がたくさんあります。この記事では、お土産として渡しても喜ばれる、島根を代表する銘菓をご紹介していきます。
古き良き伝統菓子!│島根銘菓【和菓子編】
島根には茶の湯文化が浸透している松江があることから、おいしい和菓子がたくさんあります。また、松江以外のエリアにも、歴史ある銘菓があるのも特徴です。どんな和菓子があるのか見てみましょう。
錦小倉
「錦小倉」は、柔く炊き上げた小倉をカステラ生地で挟んだ和菓子です。
銘菓ポイント
新しいスイーツにも見える「錦小倉」ですが、実は明治初期から出雲地方に伝わる銘菓です。「錦小倉」の名前は、カステラ生地の表面に紅葉の渓流に映える風情を映したことが由来なのだそう。
「錦小倉」
松江の御菓子司「一力堂」は、創業250年を越える老舗。古くは松江藩の御用達をつとめていた事もある由緒ある御菓子司です。その「一力堂」の「錦小倉」は、小倉に国産最高級の備中(岡山県)産小豆を使用し、後味よくあっさりと仕上げています。カステラ生地との相性もよく、優しい味わいです。
若草
「若草」は、求肥に緑の寒梅粉がまぶされた和菓子です。
銘菓ポイント
「若草」は、茶人としても名高い松江藩7代藩主松平治郷によって考案されたお菓子です。松平治郷が亡くなったあと作り方がわからなくなっていましたが、松江にある老舗和菓子店「彩雲堂」の初代によって、明治時代中期に復元されました。今では松江市のさまざまなお菓子店で作られています。
「若草」
「彩雲堂」の「若草」は、独自製法のふっくらとした求肥が特徴。寒梅粉の萌ゆる緑が美しい和菓子です。
源氏巻
「源氏巻」は、薄いカステラ生地で餡を巻いた和菓子。鹿足郡津和野町の銘菓です。
銘菓ポイント
「源氏巻」は、津和野の家老が藩主を救うため、吉良上野介に贈った「小判を包んだ形のお菓子」が原型になったといわれています。このエピソードから、源氏巻は津和野を救った縁起のよいお菓子として今でも広く親しまれています。
「源氏巻」
薄いカステラ生地と餡が織りなす、上品な味わいです。
清水羊羹
砂糖、小豆、水あめ、寒天のみで作られ、上品な甘さが特徴の羊羹です。
銘菓ポイント
「清水羊羹」の歴史は古く、平安時代にさかのぼります。天台第三祖慈覚大師円仁が遣唐の帰途、現在の安来市清水町に立ち寄られ、 唐で食べたという羊の肝料理を再現したのがはじまりなのだそうです。やがてその料理は精進料理となり、のちに清水羊羹になったといわれています。
「清水羊羹」
小豆の香りとほどよい甘み。舌あたりやわらかな羊羹です。
しぐれ納豆
小豆とうぐいす豆を寒天で包み込んで固めた和菓子が「しぐれ納豆」です。
銘菓ポイント
「しぐれ納豆」は、時雨にぬれそぼる川辺の石を小豆、うぐいす豆で表現しています。寒天ごしに見える豆が美しい和菓子です。この寒天の透明感は「艶干し」という製法で乾燥させることにより出せるのだといいます。
「しぐれ納豆」
蜜煮した豆の味わいを、寒天とともに味わう逸品です。
ご利益がありそう!│島根銘菓【開運スイーツ編】
島根には有名な出雲大社があり、出雲大社や神様に関連したお菓子もたくさん生まれています。ご紹介するお菓子を食べれば、運気アップすること間違いなし!?
願ひ菓子
「願ひ菓子」は、勾玉(まがたま)の形をしたひとくちサイズの干菓子です。
銘菓ポイント
「願ひ菓子」の特徴は「勾玉」の形をしていること。勾玉は古来より装飾用・儀式用として使われてきたもので、出雲地方は勾玉との関わりも深くあります。かわいらしい形と色で、見ても楽しめるお菓子です。
「願ひ菓子」
味は「いちご」「ココア」「柚子」「和三盆」「抹茶」の5種類。口の中に入れるとゆっくり溶け、優しい甘みを感じます。願い事をしながら味わってみてくださいね。
えんむすび神話まんじゅう
「えんむすび神話まんじゅう」は、白餡が入ったかすてらまんじゅうです。
銘菓ポイント
「えんむすび神話まんじゅう」は「よいご縁で結ばれますよう」にという願いを込めて作られました。縁(円)と縁(縁)をつないだ形になっているのも特徴です。
「えんむすび神話まんじゅう」
ふんわりとした優しい甘みが感じられます。
出雲ぜんざい
ぜんざい発祥の地「出雲」ならではの、縁起のよい菓子です。紅白の丸餅を小豆を丁寧に炊き上げた甘さ控えめの小豆汁に、おめでたい紅白の丸餅が入っています。
銘菓ポイント
この「出雲ぜんざい」には、地元出雲の20を超える契約農家から仕入れる大納言小豆を使用。また奥出雲町産糯米の餅粉で作られたお餅と、出雲大社奥の鵜鷺地区で製塩されている希少な藻塩が使われているのもポイントです。
「出雲ぜんざい」
風味のよい小豆に、強い弾力のお餅、甘みを引き立てる藻塩。三位一体となった味わいをぜひどうぞ。
神塩わらび
「神塩わらび」は、出雲が発祥といわれるぜんざいをイメージしたわらび餅です。
銘菓ポイント
「神塩わらび」には、神在月に神迎神事が行われる出雲の「稲佐の浜」から汲み上げて手作りした「神迎の塩」が使われています。小豆の甘さと、神迎の塩の塩梅が絶妙です。
「神塩わらび」
もちっとしたわらび餅に、稲佐の浜をイメージしたきな粉をかけて召し上がれ。
出雲のお福わけ ぜんざいおこし
ぜんざいの原料である「小豆」と「お米」で作られた縁起のよいお菓子です。
銘菓ポイント
「小豆」と「お米」で吉祥の「紅白」を表現し、「円」「縁」の象徴として丸い形にしてあるのが特徴です。
「出雲のお福わけ ぜんざいおこし」
心地よいパリッとした食感と、あずきの風味を味わえます。
見た目が印象的!│島根銘菓【かわいいお菓子編】
島根には、見た目がかわいいお菓子もたくさんあります。ここでは5つご紹介します。
雪ふわり
「雪ふわり」は、昔ながらの和菓子である淡雪に、小粒のカラフルなゼリーを入れたお菓子です。
銘菓ポイント
「雪ふわり」の特徴は、カラフルでかわいらしい見た目と食感。甘夏・いちご・巨峰・珈琲・ラムネ・メロン・みかん・あかりんごの寒天ゼリーが入っています。また淡雪部分のふわっとした食感と、寒天ゼリーのもちっとした食感の組み合わせが楽しいのも魅力です。
「雪ふわり」
ふわっもちっとした、マシュマロとも違う不思議な食感をぜひ堪能してみてください。
あんぱん饅頭
パンダの焼印がかわいらしい、あんぱんのようなお饅頭です。
銘菓ポイント
「あんぱん饅頭」のあんには、北海道小豆を使用。もちもち食感の生地で包んであるのが特徴です。
「あんぱん饅頭」
ほどよい甘さともちもち感で、小さなお子さんから年配の方まで多くの人に好まれる饅頭です。
ひとくち生姜糖
「ひとくち生姜糖」は、生姜の風味が豊かでキリッとした辛みが特徴の生姜糖です。
銘菓ポイント
來間屋生姜糖本舗は、1715年(江戸中期・正徳五年)創業。甘味も辛味も程よい生姜糖を作りつづけている老舗です。ここで作られる生姜糖には、出雲市斐川町出西地区でしか採れない「出西生姜」の中でも「古根」「古生姜」と呼ばれる生姜が使われています。さらに原料は、その出西生姜と砂糖だけ。昔と変わらぬ素材を炭火で煮詰め、手作業で仕上げているお菓子です。
「ひとくち生姜糖」
白、紅色のひとくち生姜糖と、緑色の抹茶糖がセットになっています。生姜のほどよい甘さと辛味が広がります。
姫小袖
きなりと桃色の和三盆糖が美しい「姫小袖」は、あっさりとした「皮むき餡」を入れて打ち上げたお菓子です。
銘菓ポイント
「姫小袖」は、創業250年を超える松江藩の御用達を務めていた御菓子司「一力堂」を代表する銘菓。江戸時代から伝わるお菓子で、当時は他所売りを禁じられたことから「お留め菓子」と呼ばれていたのだそうです。
「姫小袖」
きめ細やかな和三盆糖で、上品な口溶けを体感することができます。
八重雲晴れて
「八重雲晴れて」は、八重雲(やえぐも)の形をしたかわいらしいフィナンシェです。
銘菓ポイント
「八重雲晴れて」は、出雲大社本殿の天井絵「八雲の図」をモチーフにしているのが特徴です。縁結びの神様・出雲大社の「さまざまなご縁を結ぶ」という願いが込められています。
「八重雲晴れて」
木次(きすき)バターと木次牛乳を使用。外はさっくり、中はしっとりした、牛乳の風味が感じられる焼き菓子です。
島根スイーツを存分に味わおう!
出雲大社をいだく島根には、勾玉や八重雲をモチーフとした造形が美しい和菓子から開運スイーツまで、さまざまなものがあります。もちろん、味も折り紙付きのものばかり。
島根にでかけた際にはぜひ手に取って、お土産に買ってみたり、お取り寄せしたりして楽しんでみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部