マレーシアってどんな国?
日本から飛行機に乗っておよそ7時間で到着するのが、東南アジアの赤道近くにあるマレーシア。首都クアラルンプールのほか、ペナン島、キナバル山、ボルネオ島など、さまざまなところが観光スポットとして知られています。そんなマレーシアとはいったいどんな国なのか、順に見ていきましょう。
マレーシア基本情報
まずはマレーシアの場所や首都、面積、人口、歴史などの基本情報をチェックしましょう。
国名
マレーシア
首都
クアラルンプール
場所

マレーシアがあるのは東南アジアです。タイ南部のマレー半島の先端部分と、ボルネオ島北部から成り立ちます。
日本との時差
1時間
日本の方がマレーシアより1時間進んでいます。
面積
33万㎢
日本の面積が約38万㎢ですから、マレーシアの面積は日本の約8割強です。
エリア
マレーシアには13の州と3つの連邦直轄領があります。クアラルンプールは連邦直轄領のひとつです。
人口
3350万人
東京都の人口が約1400万人ですから、マレーシアの人口は東京都の人口の約2.4倍です。
言語・公用語
マレー語(国語)、英語、中国語、タミール語
通貨
マレーシア・リンギット
1 マレーシア・リンギット=38.14円(2025年12月19日現在)
宗教
マレー系約70%(先住民12%を含む)、中華系約23%、インド系約7%
歴史
マレーシアの歴史は、15世紀初めにマラッカ王国が成立したことから始まります。その後は、世界各国による支配を受けてきました。
まず16世紀から17世紀は、ポルトガルとオランダ東インド会社によるマラッカ支配がありました。そして1824年には、英蘭協約によってマレー半島とボルネオ島西北部が英国の勢力範囲下に。また、イギリスによる植民地化も始まりました。
さらに第二次世界大戦中の1942年から1945年は日本軍がマレーシアを占領しました。第二次大戦が終戦すると、1948年には英領マラヤ連邦が形成され、1957年にはマラヤ連邦が独立。そして1963年にシンガポールと北ボルネオなどが統合したかたちでマレーシアという国が成立し、1965年にシンガポールが分離して現在のマレーシアとなったのです。
マレーシアの国旗は、赤、白のストライプと、左上に青色の背景と黄色の三日月が描かれたデザインです。赤、白、青の3色を使っているのは、かつて支配下にあった英国の国旗のデザインにつながっています。赤と白のストライプは14本あり、連邦国家として独立したときの州の数に由来しています。また黄色の三日月と星は、イスラム教のシンボルでスルタンの権威を表現しています。

天気・気候
マレーシアは年間を通して高温多湿の気候です。年間平均気温は27℃で、一年中Tシャツと短パンで過ごせます。季節は雨季と乾季の2つにわかれ、マレー半島東部とボルネオ島は10月から3月が、西部は5月から9月が雨の多い季節です。ただし35℃以上の厳しい暑さになることは少なく、雨季であっても1日中雨が降り続けることはほとんどありません。
マレーシアの治安・住みやすさ

マレーシアは日本から比較的近く、旅行でも訪れやすい国のひとつでしょう。そんなマレーシアの治安について見てみましょう。
治安は比較的良好
マレーシアは比較的安全な国で、外務省「海外安全ホームページ」ではごく一部のエリアをのぞいて危険情報は発令されていません。
ただ凶悪犯罪の件数は減っているものの、スリ、置き引き、ひったくり、自宅への侵入などの発生件数は高い水準にあります。空港、公共交通機関、駅、大型商業施設などでスリや置き引きが多く発生し、日本人旅行者や在留日本人が巻き込まれるケースも少なくありません。そのため十分な注意が必要です。
また外務省が危険情報を発令しているのが、サバ州東側の島嶼部と周辺海域一部のサバ州東海岸です。ここは海賊事件や外国人の誘拐などが発生し、武装集団が活動を行っている可能性もあります。これらの地域は「渡航中止勧告」のレベル3という厳しい危険情報が出ているため、訪れるのはやめましょう。
住みやすさは良好
マレーシアは日本から移住している人も多い国。気候が安定していて治安が比較的よく、さらに物価が安めであることなどが理由です。若い世代でマレーシアに移り住む人はもちろん、老後にマレーシアでの生活を楽しむシニアもいます。このようなことを考えると、マレーシアは住みやすい国といえます。
マレーシアの見どころ・観光
豊かな自然がありながら、近代的な都市としての面もあるのがマレーシアの魅力です。おすすめ&人気観光スポットをいくつかご紹介しましょう。
クアラルンプール

マレーシアの首都クアラルンプールは、アジアの中でも成長著しい都市です。高層ビルが建ち並ぶなか、特に目をひくのが、88階建てのツインタワー「ペトロナス・ツインタワー」です。展望エリアからはクアラルンプールの街並みを一望でき、一度は訪れたいスポットとして知られています。さらにショッピングの店が約270店舗も入り、フードコートやレストラン街も充実しています。
「天空の鏡」スカイミラー
マレーシアでぜひ写真を撮りたいスポットが、潮の満ち引きによって現れるミステリーアイランド。海面が鏡のように反射することから、とても幻想的な写真が撮れます。ぜひ大切な友だちや家族と一緒に、思い出の1枚を撮ってみてください。
ピンクモスク&ブルーモスク

マレーシアはイスラム教を国教とするため、あちこちにモスクがあります。そのなかでもおすすめなのが、プトラジャヤにある「ピンクモスク」と、クアラルンプール郊外の「ブルーモスク」。名前の通りピンク色とブルーに彩られていて、建物の美しさは圧巻です。
ランカウイ島
マレー半島西海岸に浮かぶ99の島からなるランカウイ。この一帯には貴重な地質構造が残っており、ユネスコの世界ジオパークに認定されています。ラグジュアリーなホテルが建つリゾートやマングローブもあり、それぞれのステイを楽しめるでしょう。
マラッカ
マラッカはかつてマラッカ王国として栄えた場所で、世界遺産に登録されています。ポルトガル、オランダ、イギリスの統治を受けた歴史があることから、西洋や東洋のエッセンスがあちこちに共存する独特の雰囲気があります。
マレーシアの特徴・有名なもの
ここからは、マレーシアの特徴や有名なものを見てみましょう。
ボルネオ島の自然保護活動

ボルネオ島はかつて熱帯雨林でおおわれ、多種多様な動植物が生息していました。しかし森林伐採や密猟などによって、現在では絶滅が危惧される動物や植物が少なくありません。現在はさまざまな自然保護活動が行われていて、オランウータンの保護活動を行うリハビリセンターなどがあります。
多彩な食文化

マレーシアは多民族国家であり、その影響を受けた食文化が豊かです。マレー系、中華系、インド系をはじめとするさまざまな民族の料理が日常的に楽しめます。例えば、マレーシア料理の代表的な一品として「ナシレマック」があります。ココナッツミルクで炊いたご飯に、サンバル(辛味噌)、揚げた小魚、卵、ピーナッツなどが添えられた料理で、現地では朝食の定番です。
また中華系の影響を受けた「福建麺」や「点心」も広く親しまれており、インド系の「ロティ・チャナイ」や「ナシ・カンダール」といった料理も人気があります。食文化の多様性は、マレーシアの大きな特徴のひとつです。
移住・留学にも人気の国マレーシア
マレーシアはアジアの中でも治安がよく、英語が通じて物価も手頃なため、海外旅行初心者にも訪れやすい国といえるでしょう。多民族国家であるため、各民族の文化や食文化を楽しむこともでき、まさに世界の文化が交差する場所であるのが実感できます。そんな魅力あふれるマレーシアを、次の旅行先や生活の拠点としてぜひ検討してみてください。自然と都市が調和したこの国で、新しい発見がいくつもできるでしょう。
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文・構成/HugKum編集部
