「りゅうきゅう」の魅力と3段階の味わい方。大分県名物のお茶漬けが絶品すぎて、わが家でもマネしたい!

PR

瀬戸内海に面した大分県に伝わる伝統料理「りゅうきゅう」には、ご家庭でおいしく魚を食べる知恵がたくさん詰まっています。おいしさの秘密は、しょうゆをベースにして作った特製ダレ。作り方をご紹介しますので、ぜひ日々の調理にお役立てください。

大分県で甘めのタレに漬け、胡麻やネギなどの薬味をのせた海鮮のことを「りゅうきゅう」と呼びます。しょうがの風味が効いた、甘辛いタレが魚の身にしみ込んで、食欲をそそる味。当地のご家庭で古くから親しまれてきた料理は、作り方も簡単です。まずは新鮮なお刺し身を用意して、作ってみませんか?

りゅうきゅうとは?

伝統料理りゅうきゅうについて、まとめました。

りゅうきゅうの由来

瀬戸内海に面した大分県は豊富な魚介類に恵まれ、四季折々のさまざまな魚介が水揚げされます。そうした海の幸をタレに和えていただくのが、りゅうきゅうです。

もともとは、船上で漁師たちが魚をさばき、獲れたての魚を使って作られていた漁師めしでした。海上でのまかないとしてだけでなく、保存食としての実用性も高いことから、県南部の沿岸地域から大分県全域に広まり、今も愛されて続けています。

りゅうきゅうの歴史

その昔、普段の食卓で食べられていたのは、麦飯にのせたりゅうきゅうだったそうです。ハレの日や、行事のときになると白米で作られ、お祝いとされました。また、ご飯にのせるだけでなく、お茶漬けにするのも当時から欠かせない食べ方でした。

その一方で、船乗りのご家庭では「汁かけご飯は縁起がよくない」とされる地域もあったそうです。そんな中、お茶漬けで食べたいときには、汁物の中にご飯を入れた「飯かけ」で食べた、との逸話も残されています。

定食としての「りゅうきゅう」の供され方の一例

また、大分県南東部に位置する佐伯市、蒲江地区周辺には、「あつめし」と呼ばれる郷土料理があります。これは、県の他地域で「りゅうきゅう」と呼ばれるものを熱々のご飯にのせた料理。使われる魚は新鮮なブリが主流です。

さらに、海から遠い山間部になると、一度酢でしめた魚を使うこともあったそうですよ。

名前の意味とその背景

「りゅうきゅう」と呼ばれるルーツには、いくつかの説があります。

大分県の漁師がその昔、沖縄(琉球)の漁師に作り方を教わり、地元に持ち帰ったからという説。

または、胡麻和えにする料理のことを「利休和え」と呼ぶことから派生した、という説も有力です。

りゅうきゅうのレシピ

りゅうきゅうを、実際にお家で作る時のポイントをまとめました。

基本のりゅうきゅう

りゅうきゅうは、刺し身を甘めのしょうゆダレに漬け込んでいただきます。まずはそのまま、タレに漬けたお刺し身として、召し上がってください。

次に、薬味を加えて熱々のご飯にのせて食べます。いわゆる「漬け丼」ですね。

さらにお茶漬けにすることで、もうひと味違う楽しみが味わえます。注ぐのは熱々のお茶、もしくはだし汁を。

新鮮な魚に熱い汁がかかることで、刺し身がしゃぶしゃぶのような食感になるのが絶品。
新鮮な魚に熱い汁がかかることで、刺し身がしゃぶしゃぶのような食感になるのが絶品

魚の身に閉じ込められた旨味としょうゆタレが染みだして、かけ汁と混ざり合うおいしさを、ぜひ味わってみてください。

タレの作り方

新鮮な魚を用意して、自家製のタレに漬け込みます。タレはしょうゆと酒に、すった炒り胡麻を混ぜたものが基本です。お好みでお砂糖を加えても。

・材料

新鮮な魚の切り身 250g
しょうが 1/4かけ
酒 大さじ1
みりん 小さじ1
甘口しょうゆ 大さじ2

小ネギ 1本分
白炒り胡麻 大さじ1

・作り方

【1】小ネギは小口切りにして、しょうがはすりおろしてください。

【2】酒とみりんを鍋に入れ、アルコール分がとぶまで加熱します。

【3】【2】の鍋にしょうゆ、しょうがを加えます。

【4】よく冷やしてから、魚の切り身を浸けてください。

【5】器に盛り付け、胡麻、ネギを振りかけます。

・おいしく食べる漬け時間の目安

漬け込み時間は数分程度。これで魚の臭みが消えて、身が締まり、ほどよい柔らかさが生まれます。

はたまた、一晩漬け込んで、次の日食べるのもおいしい食べ方です。お好みの漬け具合で、お召し上がりください。

りゅうきゅうの薬味

刻んだネギの他、わさび、みかんの皮など、好きな薬味をのせ、さらにおいしく味わうのが地元の食べ方。よく使われる薬味を挙げます。

焼き海苔
青しそ
わさび
おろしにんにく
みょうが
辛子

りゅうきゅうに使用される魚の種類と特徴

地元大分県内のスーパーにいけば、りゅうきゅう用の刺し身や、タレが販売されています。

家庭で頻繁に食べる料理ですから、お刺し身をさばいた後の切れ端や、余った刺し身を使うこともしばしば。そればかりか、魚と食感が似ているこんにゃくを入れることで、かさましをする工夫もあったとか。これぞ、暮らし寄り添い、愛されてきたソウルフードです。

近海で穫れる魚は豊富で、鯛やアジ、タチウオ、はまち、カンパチ、イワシ、サバなど。大分県内には遠洋漁業が盛んな地域もあるので、そんな場所ではまぐろを使うのも一般的です。地域によって種類を変えながら、その時期にとれる旬の魚を使用するのが基本。一年をとおして新鮮な魚が手に入り、りゅうきゅうが食卓から消えることはありません。

また、ご飯にのせた「りゅうきゅう丼」が、大分市を訪れる観光客に人気です。多くの飲食店で提供され、シンプルなものから具だくさんのものまで、さまざまな工夫がみられ、親しまれています。

お家でおいしく食べる通販情報

おいしいりゅうきゅうは、良質なお刺し身の用意が肝心です。冷凍で届く地元の味を、取り寄せてお楽しみください。

関のりゅうきゅうセット(関あじ2袋・関サバ1袋 計3袋)

関あじ・関サバで味わう極上のりゅうきゅうがこちら。引き締まった身質と、特製タレが味わえ、他にはないおいしさです。冷凍で届くので解凍し、薬味をご用意してお召し上がりください。

絆屋のりゅうきゅうのたれ 260ml×3本セット

普段から漬け丼を食べ慣れている方々には、コレがおすすめ。大分産丸大豆しょうゆをベースに、地元で調合された特製のタレに特徴が。他との違いを味わうことができます。国際線の機内食としても採用された味。

りゅうきゅうのお茶漬けは、特級のおいしさ

沿岸地域では、漁師めしから伝わった伝統的な魚の食べ方が伝わっているものです。大分県に伝わるりゅうきゅうは、甘めのしょうゆダレが特徴。漬け時間は短くてもよく、さらにお茶漬けにして食べると、次の時も同じ食べ方をしたくなる特級のおいしさがあります。新鮮な魚が手に入った際は、ぜひ試してみてください。

こちらの記事もおすすめ

関アジ・関サバって何がすごいの? 詳細と入手法をチェックして、国内最高峰の刺し身を堪能!
豊後水道(ぶんごすいどう)の荒波で育ったアジやサバは、筋肉質で身が良く締まり、他の土地で獲れたものと質が違います。この魚を極力新鮮さを落とさ...

構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

編集部おすすめ

関連記事