HugKum世代のママのお悩みに人生の先輩・カータンさんがアンサー!
現在58歳のカータンさん。今回の書籍では、これまでの子育て、仕事、夫婦関係、介護など全力で向き合ってきたことをコミカルなコミックエッセイで描き下ろしています。
HugKumのママやパパ世代よりちょっと先輩のカータンさんだからこそわかる視点で、「子育て」や「夫婦関係」のお悩みを聞いてもらいました。解決することばかりではないけど、ちょっと気持ちがラクになったり、やる気が出たりする回答が満載です。

今、8か月の息子の子育てをしていて、孤独を感じることもあります。カータンさんは、今までの育児の中でいつがいちばん大変でしたか? (8か月の息子を持つ20代ママ)
「その気持ち、よくわかります。私は長女が乳飲み子だった頃から幼稚園に入るまで(0~3歳)が、今でも思い出したくないくらい、いっちばん大変でした。今から25年以上前ですから、夫に育児休暇などがあるわけではなく、朝から晩まで娘と二人きり。「人生もっと楽しみたい!」と思っていた当時31歳の私は、社会から置いてけぼりになった気持ちでした。家で二人きりになるのが嫌で、ベビーカーに娘を乗せて町内を歩き回っていましたね。もし、防犯カメラがあったら私はかなり怪しい人だったと思います(笑)。
娘は癇が強いほうで、抱っこから下ろすたびに泣き、自分のごはんを作る時間もなくて、抱っこしながらテレビの上に置いたお菓子をつまむのがお昼ごはん……。新婚の頃以上に夫に『早く帰ってきて』とせがむほど、とにかく大人と会話がしたくて仕方がなかったんです。帰宅した夫に『今日はこのソファをピカピカに磨いたの』『冷蔵庫の中を隅々まで掃除したのよ』なんて、今日やったことのアピールをして、誰かに認めてもらいたいという思いがありました。
家の中で子どもが泣いても、ある程度は放っておけばいいと次女のときには思っていましたが、第一子はそうは思えないんですよね。寝ているだけなのに『ちゃんと生きてるよね?』と、思ってしまうほど常に娘のことが気になって気になって……。だけど、気持ち的には相談者の方が感じるように孤独で、今考えてもその時期が私はいちばんつらかったんです(そのときのことを思い出して、カータンさんが涙を見せる場面もありました)。
だけど、次女のときは年齢も39歳だったし、ある程度、育児の流れもわかっていたので、余裕を持って子育てをすることができました。今は孤独を感じることもあって、大変だと思うけど、いつかは余裕ができるし、子どものことをもっと『かわいい』って思えると思うんです。あの頃の私のことも、相談者さんのことも抱きしめてあげたい!」

気持ちが落ち込んだとき、どのように切り替えていますか? (小2の息子と小5の娘を持つ40代のママ)
「次女を出産するときに子宮に病気が見つかり、出産までの5か月間、入院しなくてはいけなくなったんです。入院当初は『この子はちゃんと生まれてきてくれるのかな』『なんで私は二人目がほしいだなんて思ってしまったんだ』なんて、毎晩病院のベッドで泣いていました。
でもある日ふと、『泣いていたって元気に生まれる保証はない。結果が変わらないならぐっすり寝よう』と思ったんです。それ以来、考えても結果がよくならないことに関しては、全く考えないようになりました。私は韓国ドラマを観るのが好きなので、無駄なことを考えそうになったら、韓ドラを見て気分転換!
私が55歳のときに、心の支えだった姉が亡くなったんですね。子育てが落ち着いたら姉と遊ぶぞー!と思っていた矢先だったので、とっても悲しかったんですけど、それを考えていると眠れなくなるんです。泣いたら姉が生き返るわけでもないし、悲しみに浸ると抜け出せなくなるのがわかるから、ちょっと客観的に自分のことを見て、『泣いてたって仕方ない』と考えるようにしています」
今は子どもも小さくて、夫とケンカすることも……。夫婦関係がうまくいくコツってありますか? (2歳と5歳の娘を持つ30代のママ)
「本にも書いたのですが、私は長らく夫に言いたいことをマンホールの中に吐き捨てては蓋をして、閉じ込めてきました。私が子育てをしていた時代は、今とは違い、抱っこひもをつけたり、ベビーカーを押したりするパパの姿は皆無。協力したくても男性は育児を理由にはもちろん、学校行事であっても仕事を休むことができない時代でした。だから、そこは切り替えて『私は子どもたちの成長を身近で見ることができた』と思うようにしていましたね。
今でもマンホールの蓋がガタガタ言っている私なので、夫に対して『ちょっと~』と言いたいことも山ほどあるのですが、そういうときは“私”を主語にするのではなく、一般論として夫に伝えるようにしています。『テレビでやってたけど、夫が●●する家庭が多いらしいよ』とか『友達の娘さんの旦那が、全然家事をやらないらしいんだけど、あなたならどうする?』とか。
男性は責められていると感じると聞く耳を持ってくれないので、一般論として話して意見を聞き、『女性が大変な思いをしているところに気づいているオレ、すごい』という気持ちにさせるのがおすすめ♡ もちろん、我慢するばかりではなく、『あのときは嫌だった』と過去を蒸し返しまくるときもあります(笑)」

「子育て、これだけはやっておいたほうがいい!」と言えることはありますか? (小2・4の息子を持つ30代のママ)
「私はTHE 昭和の女だからか、子どもたちの幼稚園や学校を休ませずに通わせていましたし、CA時代も平日に飛行機に乗っている子どもが『学校を休んで旅行』なんて聞くと『なに~⁉』なんて思っていたんです(笑)。
でも、現在は、長い人生なんだから、ちょっとくらい学校を休ませても、子どもと一緒にもっと楽しんだほうがいいですよ!って思っています。家族旅行とかどんどん行ってほしいです。今だから言えることですが(笑)。
私は子ども時代に、親と旅行をしたことを、大人になってもよく覚えています。そして、私も子どもたちと国内外、いろいろなところに旅行しているので、『元気なママとここに来たことを、絶対に忘れないでね』と言っています(笑)。長女は韓国で働いているのですが、いろいろなところに旅行に行ったからか、海外生活にも飛び込んで行けるタイプになりました」

50代を楽しく過ごすコツは? (小4、中2の娘を持つ40代のママ)
「私が30代のとき、叔母に『50代は今までと比べ物にならないくらい楽しいわよ~』と聞いていて、そのときは『おばさんの開き直りでしょ』くらいに思っていました。あとは、40歳になるとき、いよいよスポットライトから外れてしまう気がして、すごくおびえていたのも覚えています。
でも、スポットライトに当たるというのは、他人の目を気にして、流行を追いかけるという意味でもあって……。『これからは、自分で自分にライトを当てればいいのね』と思ったら、急に楽になったのを覚えています。
そして、50代。子育ても落ち着き、周りのママや子どもと比べることもなく、自分の好きなことをやればいい。こんなに楽しいことはないですよ。スポットライトは当てたくなったら当てればいいんです(笑)」
読むだけで悩んでることもすっきり! カータンさんの新刊「ビバ!女の古」
月間800万アクセス! 人気主婦ブロガーのカータン描きおろし「ビバ!女の古」。女の子が、女の古(こ)になっても、笑って過ごそう! 50代を楽しく過ごすカータンさんの心境の変化や子どもや夫との関係、これからの人生についてなどを赤裸々につづったコミックエッセイ。育児の合間にサクッと読むことができ、読むだけで笑いと元気を与えてくれるカータンさんの新刊には、HugKumママのお悩みが解決するヒントもたくさん紹介されています。ぜひ、読んでみてくださいね。
人気主婦ブロガー。2007年にブログ「あたし・主婦の頭の中」を開設。コミカルなイラストで日常をユーモアたっぷりに描き主婦層を中心に人気が大爆発。「Japan Blog Award 2008」総合グランプリ受賞、「livedoorブログ OF THE YEAR 2015」最優秀グランプリ受賞。以降殿堂入り。月間アクセス数は800万超、ブロガーとして確固たる地位を確立。主な著書に親の介護に体当たりで挑んだ『健康以下、介護未満 親のトリセツ』、『お母さんは認知症、お父さんは老人ホーム介護ど真ん中!親のトリセツ』(ともにKADOKAWA)など。
取材・文/本間綾 撮影/杉原賢紀