「招き猫」はなぜ猫? 福を招く理由やゆかりの地、猫スポット&観光地をチェック【9月29日は招き猫の日】

9月29日は「招き猫の日」。なぜ猫が福を招くとされるのか、その由来や意味を解説します。さらに招き猫の三大産地や有名な観光スポットも紹介。開運祈願にぴったりの猫旅に出かけてみませんか?

9月29日は「招き猫の日」

9月29日は「招き猫の日」として、日本記念日協会に登録されています。語呂合わせで「くる(9)ふく(29)」=「来る福」と読めることが由来。福を呼ぶ縁起物として古くから親しまれてきた招き猫を広めることを目的に制定されました。

猫が福を招く理由

昔から猫は人々の暮らしに身近な存在であり、商売繁盛や幸運の象徴として信じられてきました。ここでは、猫が「福を招く」とされる3つの理由を紹介します。

理由1:手招きの仕草が幸運を呼ぶ

猫が前足を上げる仕草が、人を呼んでいるように見えることから「客を招く」「福を招く」と考えられるようになりました。日本独特の「招きのポーズ」が縁起の由来です。

理由2:夜目が利く=先を見通す力

猫は暗闇でも目がよく見えるため「先を見通す」「未来を見抜く」といった象徴とされました。先行きを照らす存在として、安心や繁栄の象徴になったのです。

理由3:ネズミを退治して穀物を守る

農家にとってネズミは大敵。猫はそのネズミを退治して米や穀物を守る存在でした。生活を支える動物として重宝されたことが、福や豊かさを呼ぶ象徴へとつながっています。

招き猫の選び方

招き猫は、足の上げ方や色によって意味が異なるとされます。自分の願いに合った招き猫を選ぶことで、よりご利益があるといわれています。

選び方1:足の上げ方

右足を上げている猫は「金運招来」、左手を上げている猫は「人を招く=商売繁盛」とされています。両手を上げているタイプは「幸運をすべて呼び込む」とされることもあります。

選び方2:足の高さ

上げている足が高いほど「遠くの福」を呼び、低いほど「身近な福」を招くとされています。店先や玄関など、置く場所や願いに応じて選ぶのがポイントです。

選び方3:色

白は「開運招福」、黒は「厄除け」、金は「金運アップ」、ピンクは「恋愛成就」など、色によって意味合いが異なります。願いに合わせて色を選んでみましょう。

招き猫の三大産地

招き猫は日本各地で作られていますが、中でも「常滑焼」「瀬戸焼」「九谷焼」は三大産地として有名です。

愛知県常滑市の見守り猫「とこにゃん」

産地1:常滑焼(とこなめやき)

愛知県常滑市は、日本最大級の招き猫産地として知られています。赤茶色の素焼き風で大ぶりな招き猫が特徴で、商店街や飲食店の店先など全国各地で見かけることができます。昔から庶民の生活に根差した常滑焼の技術が活かされ、商売繁盛の象徴として今も愛されています。

産地2:瀬戸焼(せとやき)

愛知県瀬戸市で生まれた瀬戸焼は、日本六古窯のひとつで、鮮やかな色彩と多彩な絵付けが特徴です。招き猫も色とりどりで、可愛らしい表情や華やかなデザインが多く、観光客にも人気。毎年9月の「来る福招き猫まつり」では、町全体が招き猫一色に染まり、多くの人で賑わいます。

産地3:九谷焼(くたにやき)

石川県の伝統工芸・九谷焼で作られる招き猫は、緻密な絵付けと重厚なデザインが魅力です。鮮やかな赤・青・黄・緑・紫の五彩を用いた絵柄は芸術性が高く、まるで美術品のよう。高級感あふれる佇まいから、縁起物としてだけでなく、インテリアやコレクションとしても人気を集めています。

招き猫が有名なスポット・観光地5選

招き猫は産地ごとに個性豊かで、見比べてみるのも楽しみ方のひとつです。さらに、実際に招き猫と触れ合える観光スポットも全国にあり、旅先で「福」を授かる体験ができるのも魅力です。観光を楽しみながら「福」を授かりに訪れてみましょう。

観光地1:常滑市「とこなめ招き猫通り」(愛知)

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愛知県常滑市にある「とこなめ招き猫通り」は、常滑駅から続く約400mの道に大小さまざまな招き猫が並ぶ人気観光スポットです。

中でも高さ3.8mの巨大招き猫「とこにゃん」は圧巻の存在感で、訪れる人を見守るシンボルとなっています。街歩きを楽しみながら多彩な招き猫に出会える、招き猫の町・常滑ならではの名所です。

とこなめ招き猫通り

観光地2:瀬戸市「招き猫ミュージアム」(愛知)

愛知県瀬戸市にある「招き猫ミュージアム」は、約5,000体以上もの招き猫を展示する日本最大級の施設です。

瀬戸焼の伝統技法で作られた色鮮やかな招き猫から、ユニークなデザインの作品まで幅広く鑑賞できます。招き猫の文化や歴史を学べるほか、体験コーナーもあり、観光や学びの場として多くの人に親しまれています。

招き猫ミュージアム

観光地3:豪徳寺(東京都世田谷区)

東京都世田谷区にある豪徳寺は、「招き猫発祥の地」とも伝えられる名刹です。境内には全国から奉納された無数の招き猫が並び、その光景は圧巻。商売繁盛や開運を願う人々だけでなく、世界中の猫好き・観光客が訪れる人気スポットです。

秋には紅葉も美しく、歴史ある寺院と招き猫の魅力を同時に味わえる場所として知られています。

豪徳寺

お松大権現(徳島県)

徳島県阿南市にある「お松大権現」は、“招き猫の寺”として全国的に知られるスポットです。境内には大小さまざまな招き猫が奉納されており、その数は数千体以上ともいわれます。

商売繁盛や金運招福のご利益を求めて参拝に訪れる人が後を絶たず、猫好きや観光客にも人気の名所です。特に大きな石造りの招き猫は迫力満点で、フォトスポットとしてもおすすめです。

お松大権現

今戸神社(東京都)

東京都台東区浅草に鎮座する「今戸神社」は、招き猫発祥の地といわれる由緒ある神社です。境内には大きな石造りのペア招き猫が置かれ、縁結びや良縁祈願のパワースポットとして人気を集めています。

また、授与品としていただける「縁結び招き猫」お守りは特に女性に人気で、恋愛成就を願う参拝者が全国から訪れます。浅草観光とあわせて立ち寄れるアクセスの良さも魅力です。

今戸神社

猫好きさんが悶絶! 全国の猫スポット・観光地15選

全国各地には、猫が主役の観光地や癒しスポットが点在しています。可愛らしい猫と触れ合える場所から、猫が町のシンボルになっている地域まで、猫好きにはたまらない名所を15選ご紹介します。旅行の目的地に加えれば、癒しと福を同時にゲットできるはずです。

北海道・東北

田代島(宮城県)

「猫の島」として知られる宮城県石巻市の田代島。住民より猫の数が多いとも言われ、猫神社や島内のあちこちで自由気ままに過ごす猫たちに出会えます。猫好きの聖地として国内外から観光客が訪れる人気スポットです。

田代島

会津鉄道・芦ノ牧温泉駅の猫駅長(福島県)

福島県会津若松市の芦ノ牧温泉駅には、猫の「さくら駅長」と仲間の猫たちが活躍しています。駅舎内でお出迎えしてくれる愛らしい姿は観光客の癒し。猫好きならぜひ立ち寄りたい、ご当地ならではのユニークな猫スポットです。

芦ノ牧温泉駅

猫の宮(山形県高畠町)

山形県高畠町の「猫の宮」は、向かい合う「犬の宮」とともに全国でも珍しい“犬猫を祀るお宮”。かつては養蚕の守り神として信仰され、今では愛猫の健康祈願や供養に多くの参拝者が訪れます。静かな杜に佇む社で、猫にまつわる文化と祈りに触れられるスポットです。

猫の宮

関東

谷中銀座商店街(東京都)

下町情緒あふれる谷中銀座は「猫の街」として有名。街中に猫雑貨の店や猫をモチーフにしたスイーツが並び、運がよければ本物の猫にも遭遇できます。のんびりとした雰囲気と猫の魅力が詰まった観光地です。

谷中銀座商店街

江の島(神奈川県)

神奈川県藤沢市の江の島は「猫島」と呼ばれるほど猫の多い観光地。島内の路地や神社の境内で、気ままに過ごす猫たちに出会えます。海と猫のコラボレーションは写真映えも抜群で、観光客に大人気です。

江の島

川越一番街商店街(埼玉県)

「小江戸」と呼ばれる川越の蔵造りの街並みには、猫をモチーフにした雑貨店やスイーツが数多く並んでいます。実際に街角でのんびり過ごす猫に出会えることもあり、レトロな雰囲気と猫の可愛らしさを同時に味わえる観光地です。

川越一番街商店街

中部

佐久島(愛知県)

愛知県西尾市の離島・佐久島は、アート作品が島じゅうに点在する“アートと猫の島”。のんびり散策しながらフォトスポットを巡り、路地や海辺で気ままに過ごす猫たちに出会えることで知られています。島旅気分で猫と景観の両方を楽しめる人気の観光地です。

佐久島

御誕生寺(福井県)

越前市の山あいに佇む曹洞宗の寺院で、通称「猫寺」として有名。行き場のない猫を保護し、現在も多数の猫が境内で穏やかに暮らしています。猫の御朱印や招き猫おみくじもあり、猫好きの“聖地”として全国から参拝客が訪れる癒しのスポットです。

御誕生寺

道の駅関川 せきかわ観光情報センター(新潟県)

米どころ・関川村の名産「猫ちぐら」の制作実演を見学できる猫好き注目の拠点。稲わらで編む伝統工芸の技を間近で体感でき、展示や購入案内も充実しています。“猫の暮らしを支える民芸”に触れられる貴重な観光スポットです。

道の駅関川 / 猫ちぐら

近畿・中国

猫の細道(広島県尾道市)

尾道市の「猫の細道」は、石畳の路地に猫のオブジェや絵が並ぶ人気観光スポット。実際に暮らす猫たちの姿にも出会え、ノスタルジックな町並みと相まって猫好きにたまらない散策路です。尾道観光の定番コースとして国内外から注目を集めています。

猫の細道

猫猫寺(にゃんにゃんじ)(京都府)

京都・八瀬にある「猫猫寺」は、猫をテーマにしたユニークなお寺。猫の仏像や襖絵が並び、まるで“猫の聖地”のような空間です。猫グッズやカフェも併設されており、観光と癒しを同時に楽しめます。猫好きなら一度は訪れたいスポットです。

猫猫寺

青島(愛媛県)

瀬戸内海に浮かぶ青島は「猫の島」として世界的に知られています。島内を歩けば自由気ままに暮らす猫たちに出会えます。定期船でアクセスできる小さな島ながら、国内外から猫好きが訪れる人気スポットです。

青島

九州・沖縄

相島(福岡県)

福岡県新宮町の相島は「猫の島」として全国的に有名。島民よりも猫の数が多いとも言われ、漁港や集落のあちこちでのんびり過ごす猫たちに出会えます。国内外から観光客が訪れる人気スポットで、船で気軽に渡れるアクセスの良さも魅力です。

相島

湯島(熊本県)

熊本県上天草市にある湯島は「猫の島」として知られ、古くから猫が島民と共に暮らしてきました。島内には人懐っこい猫が多く、訪れる人の心を癒してくれます。小さな漁村の雰囲気と猫たちの自由気ままな姿が楽しめる隠れた名所です。

湯島

竹富島(沖縄県)

沖縄・八重山諸島の竹富島は、赤瓦屋根の家並みや白砂の道が美しい観光地。ここでは島の暮らしに溶け込むように猫たちが自由気ままに過ごしており、南国の風景と猫の姿を同時に楽しめます。ゆったりとした島時間を猫とともに味わえるスポットです。

竹富島

招き猫と猫スポットで福を呼ぶ全国旅

全国には、招き猫を祀る神社や寺院、招き猫の産地として知られる地域、さらには猫と触れあえる観光地まで、猫にまつわるスポットが数多く存在します。

招き猫は古くから「福を呼ぶ縁起物」とされ、今も商売繁盛や良縁祈願の象徴として親しまれています。実際に現地を訪れることで、可愛らしい猫たちとの出会いや、招き猫の文化・歴史に触れる体験ができるのも魅力です。

旅の目的に「招き猫スポット」を加えれば、観光と同時に福も呼び込める、特別な旅になるでしょう。

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文・構成/HugKum編集部

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