食事は家族みんなで、楽しく食べたい
「え! これだけしか食べないの?」
「野菜もうちょっと食べてよ〜」
「最後まで残さず食べようね」
家族で食卓を囲みながら、毎日のようにこんな言葉を子どもにかけています。はじめは笑顔でいたわたしも、しぶしぶ、イヤイヤ食べている子どもたちの顔を見ていると、悲しい気持ちとともに、だんだん胸の奥に沸々としたものが溜まっていきます(もうちょっと心が広くなりたいところなのですが……)。

スウェーデンでは、食べ残しOK?
スウェーデンでは、「もういらない〜」と子どもが言ったら、最後まで食べさせようとしたり、残ったものを親が必死に食べたりするのも、あまり見たことがありません。
また、学校の給食も、自分たちで取るバイキングスタイルが一般的なスウェーデン。サラダコーナーは人気がないようで、残っていることが多いというのもよく聞きます。
大事なのは、子どもだって自分で決めること。
スウェーデンは自主性を大事にしていて、どんなことでも子どもが決めたら、よほどのことでない限り、親は口出しをしないということを意識しているように感じます。
子どもに自分で決めてほしいけれど
「自分で決める」を大事にしたい気持ちはあるものの、好きなものばかり食べることや食べ残しをそのまま受け入れるというのも、なんだか引っかかるものがあります。うーん、どうしたものでしょうか…..。
スウェーデン人の夫と話していたら、「それなら、子どもたちにルールを作ってもらったら?」との提案が。そう言えば、スウェーデンでは幼稚園や小学校でも、子どもが中心となって、自分たちで話して、学校や園でのルールを決めていることを思い出しました。
一方的に言われたことは従いたくない気持ちもなんとなくわかるし、自分自身で考えたことなら、率先してやってくれるかもしれない。淡い期待とともに聞いてみることにしました。

どうしたらいいと思う?
わたし「最近、食べ残しが多くて、ごはんがもったいないでしょ。どうやったら、食べ残しが減ると思う?」
6歳の娘「ときどき、おやつの量を減らしたらいいかも。チョコレートを一粒減らしてみるとか?」
4歳の息子「ごはん食べる前に、食べ残ししないでねって言ってくれたら、ちゃんと食べられるかも…。あとは、好きな音楽をかけてくれたら食べる!」
つっこみどころもありますが、なんだか可愛い提案に乗ってみることにしました。

子どもといっしょに考えるを続けてみる
結局どうなったかと言いますと、なんとその日は、夕飯のときに何も言わなくても、ぜんぶ食べてくれました! え、こんなことでよかったの? と、拍子抜けしてしまいます。
もちろん、その日の気分もあるでしょうし、いつまでこの効果が続くのかもわかりません。明日はやっぱり食べ残してしまい、また頭を悩ませている可能性も、もちろんあります。
でも、そんなときはまた、「どうしたらいいと思う?」と、子どもたちに聞いてみようと思っています。
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プロフィール
イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。
文・構成・写真/桒原さやか

