延々と続く気がする、毎日の片付け
我が家の子どもたちは5歳と6歳。朝、子どもたちを送り出した後、家中の散らかったおもちゃや本を片付けまわるのが日課です。でも、ただいまー! と帰ってきたら、30分もしないうちにまたすぐに元通りに……。
はぁー、とため息をつきながら、また片付けるの繰り返しです。
北欧のひとたちの家はすっきりして見えるけれど
北欧といえば、インテリアの国。街を歩けば、ランプの専門店、家具屋さん、古道具屋さん、テキスタイルショップなどがあちこちにあり、まさにインテリア好きな方には天国と言えるかもしれません。
家を訪れるたびにさすが北欧だなぁと思うのは、居心地がよいうえに、すっきりと片付いている家が多いこと。
そもそもモノが少ないというのもありそうですが、何かほかにも理由があるはずです。
2階にもリビングルームがある?
友人たちの家を訪れているうちに気がついたのは、2階にもリビングルームがあること。一軒家では1階と2階それぞれに、リビングルームを持っている家もめずらしくないのです。
そもそもそんな大きな家に住めることが羨ましくもあるものの、面白いと思ったのは、1階のリビングは整えられているものの、2階のリビングルームはわりとごちゃっとしていることが多いところ。
この部屋だけは子どもたちに「好きに遊んでいいよ〜」としているお家が多いようです。そこには大きなソファやテレビが置かれて、子どものおもちゃや本なんかも散在しています。家に友人や家族を呼ぶのが大好きな北欧のひとたちは、1階のリビングだけ片付けておけば、急な来客でも大丈夫というのも良いようです。
北欧のように2階のリビングはむずかしくても、この場所はおもちゃを持ち運ばないなど、ルールを決めるのもいいかもしれません。

すっかり片付いちゃっていますが……(汗)。
階段上のスペースがリビングルームになっている
家が多いです。
扉付き収納に、ポイポイ入れるだけ
北欧ではリビングやダイニング、キッチンエリアにも、扉付きの大きな収納棚が置いてあるのをよく見かけます。アパートなどのコンパクトな家では、天井に届くほどの収納スペースがあることも。
中をのぞかせてもらうと、コンセントやコード、使わない携帯電話や電池などが、雑多に入っています。これをはじめて見たときは、北欧の人たちにもこんな場所があったのか! と、ちょっとうれしくなったほどです(もちろん収納までこだわっている家もあります)。
扉付きの収納に、こまごました小物を入れたら、扉を閉める。見せたくないモノはしまう。これだけ。
扉の中の収納までこだわらない。そんなお気楽なところがわたしは好きです。


多いんです。
こまめに片付けが必要なのはどこも同じ
北欧のひとたちに「なんでこんなに家が片付いているの?」と聞いても、「いつもごちゃごちゃよ〜。さっき片付けたばかりだから」という返事がかえってくるのがお決まりです。
あたりまえと言ったらそうなのですが、子どもが小さなうちは、こまめに片付けをしないとスッキリが保てないというのは、どこの国も同じなんだなぁと思います。むしろ、家にこだわりがある北欧のひとたちは、頻繁に片付けている印象もあるほどです。
片付けの話になると、スウェーデン人の夫が口酸っぱく、口癖のように何度も言っていることがあります。
それは、モノの居場所をつくること。
居場所さえあれば、散らかっていても、元の場所に戻せばいいだけ。「家が散らかっているのは、モノの居場所がないからだよ」と、耳にタコができるほど何度も聞いている言葉です。
最近、家がなかなか片付かないので、あらためてモノの居場所を再確認してみようと思います!

居場所がないモノの一時置き場所。
ここに置かれたモノは各自、
自分のモノは自分で片付けるのが我が家のルール。

掃除機をかけるのは好きな子どもたち。
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プロフィール
イケア勤務を経て、ウェブメディア&ショップ「北欧、暮らしの道具店」の初期スタッフとして約6年間働く。その後、スウェーデン人の夫である、オリバー・ルンドクイスト氏と一緒にノルウェーのトロムソに移住。1年半滞在したのち帰国し、現在は長野県松本市に在住。著書に『北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし』(ワニブックス)、『北欧の日常、自分の暮らし』(ワニブックス)、夫との共著書に『家族が笑顔になる北欧流の暮らし方』(オレンジページ)がある。
自家焙煎のコーヒー豆と小冊子のお店「Hej Hej COFFEE(ヘイヘイコーヒー)」はじめました。
文・構成・写真/桒原さやか
