目次
競馬を見たことがない少年と競馬との出合いとは?
クレーンゲームで運命の出合い
――騎手を目指そうと思ったきっかけを教えてください
レオくん:小学3年生(2023年)の秋、クレーンゲームでテイエムオペラオーという名前の馬のぬいぐるみをゲットしました。でもただ取れそうだったからチャレンジしてみただけで、馬の名前は全然知らなかったし、競馬を見たこともありませんでした。
その後偶然競馬のジャパンカップを見て、1位になったイクイノックス(C.ルメール騎手)という馬があまりにもかっこよくて、ぼくも騎手になりたいと思ったのがきっかけです。

――当初は「騎手になりたい」と言っても誰も本気にしなかったとか
お父さん:そうなんです。それまでは家族の誰一人競馬に興味がなく、知識もなかったため、誰も本気にしていなかったんです。ところが翌年(2024年)のお正月、レオがお年玉でバランスボールを買ってきて、見よう見まねで体幹トレーニングを始めたので驚きました。
私たちもトレーニング方法を調べて、「騎手になるならこれぐらいこなさないと」とちょっと意地悪なことを言ってみたのですが、文句も言わずに淡々とこなしている姿を見て、レオの本気を感じました。
そこでいよいよ私たちも本気でサポートしようと思ったんです。翌月にはレオと乗馬クラブの見学に行き、乗馬のレッスンも始めました。
レオくん:生で馬を見たのはそのときが初めてで、大きくてちょっと怖かったです(笑)。
――乗馬を始めるまでに何か習い事はしていましたか?
レオくん: 乗馬を習うまでは空手と水泳を習っていました。でも騎手になりたいと思ってからは、乗馬以外の習い事は辞めました。
自主トレと乗馬に励む日々がスタート
憧れのルメール騎手と対面!

――そのころから始められたInstagramは今ではフォロワーも10万人に届きそうです。
お父さん:最初は記録用として始めたインスタでしたが、思いの外注目され、なんとあの日ジャパンカップでイクイノックスに騎乗していたルメール騎手の関係者の目に留まり、アパレルブランドのイベントに招待されたんです。
レオくん:ルメールさんに体幹がすごい、と褒めてもらえてめっちゃうれしかったです!
お父さん:当日は緊張しすぎて固まっていましたが(笑)、憧れのルメールさんと直接会ってお話をする機会をいただけて、騎手になりたいという思いがさらに強くなったようです。
1年足らずでGlobal Child Prodigy Awards 2025(2025年度世界の神童100人)に選出!
え? 詐欺じゃないの? まさかの招待メッセージにびっくり!

――乗馬を始めてからわずか1年でGlobal Child Prodigy Awards ※に選出されました。どんな経緯だったんでしょうか?
お父さん:ある日インスタのアカウントに英語のDMがきました。最初は詐欺だと思って放置していたのですが、その後も連絡が来るので半信半疑で連絡をしてみたら、どうやら本物らしいと(笑)。そもそもそんな賞があることも知りませんでしたから驚きました。
2025年6月にはイギリスでの表彰式に招待されました。100人の中で日本人は2人だけでした。
レオくん:表彰式の当日に、表彰される順番を知らされました。なぜかまさかの1番で、誰かの真似をすることもできなくてめちゃくちゃ緊張しました。英語も勉強していなかったので“Thank you”ぐらいしか言えませんでした。
※インドの団体「GCPA」が2017年に創設した賞で、世界中から才能あふれる15歳以下の子ども100人が選出される
イギリスでは本場での乗馬も体験

お父さん:イギリスでは競馬の聖地、ニューマーケット(Newmarket)※にある名門厩舎も見学させていただきました。実際に歴代の名馬たちや現役の種牡馬を間近で見ることができる貴重な機会で、その気品とオーラにただただ圧倒されました。
※商業競馬の発祥の地とされる世界中の競馬ファン憧れの街
レオくん:乗馬にもチャレンジさせてもらいました。日本での乗馬はサラブレッドだけど、イギリスでは体格に合わせた馬に乗る方針みたいで、初めてポニーに乗りました。
より良い環境を求めて今年から新天地へ
新しい環境での生活がスタート

お父さん:レオは昨年末まで約2年間、地元の乗馬クラブで練習を続けていましたが、今以上にもっと練習したい、と感じていたようでした。そこで新しい環境を探していたところ、現在お世話になっている日本屈指の名門、杉谷乗馬クラブの存在を知りました。代表を務められているのは、現会長の杉谷昌保さん。杉谷会長はご本人含め、親子三代にわたりオリンピックの日本代表に選出された、馬術界のレジェンドなんです。
クラブでは全国レベルの大会も定期的に開催されていて、日本中から実力者が集まるので、もちろん簡単には入会はできません。
レオくん: でもどうしても入会したかったので、杉谷会長に会いに行って直接お願いして、OKしてもらいました。
お父さん:レオの姿を見て家族も覚悟を決め、今年から新しい環境へと踏み出したところです。
――すごく思い切った決断ですが、新天地での生活はどうですか?
レオくん: 学校では友だちもできて、楽しく過ごしています。でも「乗馬のために引っ越してきた」ということは、まだ友だちにはナイショです。
お父さん:クラブでは世界を舞台に活躍されている杉谷泰造さん※に直接指導していただく機会もありました。現在は国内で活躍されている縄田雄飛さんに指導していただいています。親から見てもまたとない素晴らしい環境で、やはり思い切って飛び込んで良かったと感じます。
※杉谷昌保氏の息子で1996年アトランタから2016年リオ・デ・ジャネイロまでオリンピック馬術競技6大会連続出場の日本記録保持者。
――今はどんな練習をどれぐらいしていますか?
レオくん: 筋トレや体幹トレーニングは毎日、乗馬は土日と、平日は学校が早く終わる日にレッスンをしています。
――乗馬のレッスンは1回に何時間くらいするのですか?
レオくん:準備や片付けの時間も含めて2時間半ぐらいです。
お父さん:素人目では高いジャンプや難しい障害を跳べることがすごいことのように思うのですが、やはり基本をしっかり練習することが大切だそうです。今はあえて休む日も作りつつ、まずは試合に出るためのライセンス取得を目指して基礎を繰り返しているところです。
――乗馬で心掛けていることはありますか?
レオくん:先生に「手綱を張った方が馬とコミュニケーションが取れるよ」と言われたので、手綱を張るように意識しています。乗馬クラブにはいろんな性格の馬がいてうまく乗れないときもあるけど、レッスンが終わるころにはどの馬とも仲良くなれている気がします。
夢は憧れのジョッキーたちと世界の舞台で戦うこと
夢への第一歩、競馬学校入学を目指して

――騎手になるには、まずは競馬学校※ですね
レオくん:そうです。競馬学校を卒業して騎手免許を取らないと騎手にはなれないので、まずは競馬学校入学が目標です。今のところ身長はクラスでも前の方なので、この調子であまり背が伸びないといいなと思っています。学科試験もあるので、今は乗馬とトレーニング、学校の勉強も頑張っています。
※騎手になるには日本中央競馬会の競馬学校で3年間基礎を学び、騎手免許試験に合格する必要があります。2025年度競馬学校騎手課程の受験者は195名、うち合格はたった9名と倍率約22倍の超難関。年齢の他にも体重や視力など、出願にはさまざまな条件があります。
――騎手になれたら、どんな馬に乗ってみたいですか? 憧れの騎手やレースはありますか?
レオくん:将来は世界で活躍するジョッキーになるのが夢です。イクイノックスや、そのライバルだったドウデュース、牝馬ならリバティアイランドみたいな強い馬に乗って、憧れのルメールさんや武豊さんと勝負してみたいです。
レオくんの日常が見られるInstagramはこちら
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文・構成/kidamaiko