「小4の壁」を経験した保護者は約7割! 多数派「学童なし」世帯のリアルな悩みとは?【HugKum総研】

「小4の壁」とは、思春期の始まりによる心理的変化、学習内容の高度化、放課後の居場所減少などにより、10歳前後の子どもと保護者が直面する困難を指す言葉です。そんな「小4の壁」ですが、実際どのくらいの方が経験し、どんなことに悩んでいるのでしょうか。今回は小学4年生以上の子どもを持つ保護者344人に「小4の壁」に関するアンケートを実施。子どもたちの放課後の過ごし方、保護者の働き方の変化、さらには子どもの精神面の成長など、「小4の壁」を経験した方のリアルを紐解きます。

調査期間:2026年3月12日~3月22日 回答者数:小学4年生以上の子どもがいる保護者344人

「小4の壁」を経験した家庭は約7割

「いわゆる小4の壁を感じることはありましたか?」(回答者数:344人)
「いわゆる小4の壁を感じることはありましたか?」(回答者数:344人)

まずはこんな問いから見ていきましょう。「小4の壁」を感じることがあったか、という設問では、「大いにあった」(65人)「多少はあった」(173人)「なかった」(106人)という結果となりました。「小4の壁」を少なからず経験した家庭は、全体の約7割にのぼる結果となりました。

では、どのような場面で「小4の壁」を感じたのでしょうか。

「どんな点で小4の壁を感じましたか?」(回答者数:「小4の壁」を経験したことがあると答えた238人、複数回答可)
「どんな点で小4の壁を感じましたか?」(回答者数:「小4の壁」を経験したことがあると答えた238人、複数回答可)

「小4の壁」を感じた場面について尋ねたところ、トップが「友だち関係」(121人)、次いで「宿題など勉強面」(108人)、さらに「スマートフォンやゲーム(利用時間やトラブル)」(80人)、「親子関係」(74人)、「放課後の過ごし方」(57人)、「授業や学校生活」(54人)と続きます。

実際にどんな面で「小4の壁」を感じたのか、具体例を聞きました。

1.友だちづきあいの変化、トラブル

「言葉や態度が強い子が現れ、嫌な思いをしたこと」(女性/東京)
「クラスメイトに悪口を言われたり、手を上げられたりした」(男性/京都)
「授業妨害をするクラスメイトがいるようで、直接関わってはいないものの、ストレスを感じていました」(女性/東京)
「女子特有のグループ作りがいくつか見られる中で、どのグループにも属していない娘は、他のグループの女子たち特有の空気(秘密の共有、授業中の団結など)が煩わしそうでした」(女性/神奈川)

前問「どんな点で小4の壁を感じましたか?」の回答でも半数以上が「友だち関係で小4の壁を感じた」と答えているのは注視したいところ。気の合う友だち同士で集まりやすい時期だからこそ、人間関係が複雑化し、トラブルも起こりやすい年齢といえます。

アンケートでも女子のグループ化や無視、男子の言葉遣いの荒さ、クラス全体の雰囲気が悪くなることへの精神的消耗など、切実な回答が寄せられています。

また、学校でのトラブルが原因で学校に行けなくなってしまったり、ストレス起因や正体不明の体調不良に悩まされたりする子どもたちも。こうした心身のSOSにどう向き合っていくのかも、「小4の壁」における大きな課題のひとつといえそうです。

2.学習面での悩み

「授業だけでは理解できていない教科があり、宿題をフォローしなければならないことが多かった」(女性/青森)
「勉強がぐっと難しくなり、低学年のときのようにはいかなくなった。学校での勉強と宿題だけで理解できないことが多かった」(女性/和歌山)

授業が難しくなった」という声が、多く寄せられました。「テストで見たこともない点数を取ってきた」「急に授業がわからないと言い出した」など、自信を喪失していく子どもたちのサポートに追われる保護者の様子が見てとれます。

3.反抗期、親子間のコミュニケーション

「少し反抗期かな? と思われるような言動が増えてきました。学校や外であったことも以前より話してくれなくなり、こちらから聞いてもうっとうしそうな態度をとります」(女性/兵庫)
「宿題あるの? と聞いただけで『あるに決まってる』と苛立ちながら言い放つなど、反抗期特有の言動に困りました。親もその態度に苛立ち、険悪な雰囲気になることが多々ありました」(女性/埼玉)

一方で、反抗期ならではの言動や、親子間のコミュニケーションがうまくいかなくなったという声も。友だちづきあいや宿題などで行き詰まっても気づいてあげることができず、子どもがひとりで問題を抱え込みやすくなる、という悪循環も見えてきます。

そのほか、スマホやゲーム機の長時間利用や、SNSの利用にまつわるトラブルなど、現代ならではの「小4の壁」への悩みも多く寄せられています。

学童の制度や保護者の働き方について

「学童の制度や保護者の方の働き方で、困ったことはありましたか?」(回答者数:344人、複数回答可)
「学童の制度や保護者の方の働き方で、困ったことはありましたか?」(回答者数:344人、複数回答可)

「小4の壁」を考えるうえで、外せない要因のひとつが「学童」の存在です。「学童の制度や保護者の方の働き方で、困ったことはありましたか?」という問いに対し、「学童に行きたがらなくなった」(58人)「長期休みの子どもの居場所を確保する必要があった」(51人)「学童を退所する必要があった」(41人)「塾や習い事の送迎が難しくなった」(32人)と続きます。

「会社は小3までが育児制度の対象だが、小4の子をひとりで留守番させたり、習い事にひとりで行かせたりするのは危険でしたくない」(女性/東京)
「学童の預かり時間までにお迎えが困難」(女性/東京)
「学童に同学年の子が減り、ひとりで過ごす時間が増えてしまった」(男性/秋田)

実際に「放課後は周りのお友だちと遊びたいから、学童に行かなくなった」という声もよく聞かれます。また「制度的にも小学校4年生ごろから学童が使えなくなる」という学校や、「育児制度が低学年までしか使えない」という会社もあるようです。

「小4の壁」問題に直面し、保護者が働き方を変えた・変えざるを得なかった、という声も挙がります。

「長期休みは、仕事を休むことが増えました」(女性/愛知)
「18時までの勤務を16時までにしてもらい、子どもが家にひとりでいる時間が長くないようにしました」(女性/山梨)
「正社員からパートに変えました。理由は子どもの帰宅時になるべくいてあげたいのと、平日の行事などに合わせやすいようにするためです」(女性/東京)

そのほか、家族や親戚の手を借りることが増えたという声や、フレックスや在宅ワークを取り入れたという意見もありました。保育園の入園問題に始まり、小1の壁、小4の壁と、働く保護者にとって、大きな転換期のひとつといえそうです。

子どもの放課後の過ごし方。「自宅で留守番」は約3~4割

「お子さんは放課後どのように過ごしていましたか?」(回答者数;344人、複数回答可)
「お子さんは放課後どのように過ごしていましたか?」(回答者数;344人、複数回答可)

子どもたちの放課後の過ごし方についても聞きました。結果は「友だちと遊んでいた」(178人)「習い事・学習塾に通った」(140人)「自宅で過ごした」(137人)と続きます。注目したいのが約3~4割の人が答えた「自宅で留守番」(121人)という声。「子どもが家にひとりでいる時間は不安」という声も聞かれる中で、留守番の子どもたちはどのように過ごしているのでしょうか。

「留守番中、お子さんは家で何をしていましたか?」(回答者数:自宅で子どもを留守番させたことがある181人、複数回答可)
「留守番中、お子さんは家で何をしていましたか?」(回答者数:自宅で子どもを留守番させたことがある181人、複数回答可)

子どもの留守番中の過ごし方として、最も多かったのが「テレビ・動画視聴」(144人)。「宿題・学習」(123人)「ゲーム」(114人)「読書(マンガ含む)」(70人)となりました。「ちゃんと宿題してるかな…」と気を揉む保護者の姿は、想像に難くありません。

また「放課後の過ごし方に関するトラブル・お悩み」も多く寄せられました。

友だちと遊ぶルールや付き合い方

「仕事から帰ると自宅に大勢のお友だちがいることが何回かありました。また逆に子どももお友だちのお宅にお邪魔することがあり、帰ってくる時間に家にいないことがありました」(女性/山梨)
「今までは親が確認できているお友だちしかいなかったのに、知らないお友だちが家に出入りしていたことがある」(女性/静岡)
「習い事の帰りに友だちと遊ぶことは許可していたが、約束の時間になっても帰ってこないことがあった」(女性/神奈川)

こんなトラブルも…

「今日は学童だと言っていたのに、うっかり家に帰ってきてしまうこと」(男性/佐賀)
「習いごとの準備もせずテレビを見ていること」(女性/奈良)
「親に連絡せず出かける。お菓子を買う。習い事の帰りに買い食いをする」(女性/東京)
「留守番を任せた日に、鍵をかけ忘れて出かけていった」(女性/兵庫)
「ゲームや動画の時間を決めているが、親の目がないと時間を守らない。連絡手段としてスマホを渡していたが、外で動画を見てデータ容量オーバーになった」(女性/福岡)

まだひとりでお留守番を任せるには、不安も残る年齢です。友だちづきあいが変わり始めたり、遊び方が変わってくる時期で、それに伴うトラブルも少なくはないようです。

成長を感じた!「小4の壁」を迎えて感じたこと

一方で、小学4年生の精神面の変化は、悩みを伴うものだけではありません。「小4の壁」を迎えて、ポジティブな成長を感じたという声も多く挙がっています。最後にいくつかご紹介します。

友だちづきあい・人間関係について

「今までは自身の気分が向いたときだけなど、ムラがあった。しかし小4になり、『周囲の状況や周囲の目』を気にして、気分が向いていなくてもやるべきことを把握し、行動するようになりました」(女性/神奈川)
「相手の言葉や態度を見過ごすことができなくなった一方で、思いやりの気持ちも芽生えたように感じる」(女性/東京)
「自己主張ばかりするのではなく、相手の意見も受け止めて考えられるようになりました」(女性/山梨)
「これまでは自分の気持ちを優先してしまうこともありましたが、最近は友だちや周りの人の気持ちを考えて発言や行動をする場面が増えてきたと感じます。学校でも友だちが困っていると声をかけたり、一緒に解決しようとする姿を見ると成長を感じます。また、勉強や習い事でも以前より粘り強く取り組むようになり、難しいことにもあきらめずに挑戦する姿が見られるようになりました」(女性/大阪)

友だちとの関わりの中で、相手の気持ちを考えたり、自分の行動を見直したりする場面が増えている様子がうかがえます。保護者の声からは、少しずつ周囲への気配りや思いやりの気持ちが育っている様子が伝わってきました。

家族関係について

「反抗はするものの、実際は周囲をよく見ていて、親の体調が悪いときには進んで手伝いをしてくれるようになった」(女性/北海道)
「3歳の弟がイヤイヤ期で私が困っていると、長男が自ら弟の気持ちを代弁しつつサポートしてくれるようになった」(女性/岐阜)
「親がなぜ叱っているのか理解できるようになり、これをやったらダメということが事前にわかるようになったと思う。叱る回数が激減した」(女性/埼玉)

反抗期ならではの変化が見られる一方で、家族への思いやりも少しずつ育っているようです。日々のやりとりの中に、成長の一面が感じられる場面も増えてきているのかもしれません。

「小4の壁」は、多くの家庭が直面するひとつの通過点。悩みや戸惑いを感じる一方で、子どもたちが大きく成長していくタイミングでもあります。

今回のアンケートからは、保護者が試行錯誤しながら子どもと向き合っている様子が見えてきました。それぞれの家庭に合った関わり方を見つけながら、子どもの変化をあたたかく見守っていきたいですね。

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文・構成/伊東ししゃも

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