溶連菌感染症はのどが腫れて痛み、高熱が出る病気です。病院で処方される薬による治療が必要です。
「溶連菌感染症」とはどんな病気?おもな症状と原因
細菌の一種である溶連菌に感染することで起こります。おもな症状は、のどの腫れ・痛みと38〜39度の発熱です。その後、顔から体にかゆみのある赤い発疹が出たり、舌に赤いブツブツができたりすることも(「イチゴ舌」と呼ばれる)。このほか、吐き気や腹痛、リンパ節の腫れなどが見られることもあります。ただし、3歳以下の低年齢の子どもがかかった場合、特徴的な症状が現れず、風邪と間違いやすい病気です。
急な発熱
38〜39度の高熱が出ることが多い。
のどの腫れ
普通の風邪より、腫れや痛みが強い。
こんな症状にも注意が必要
吐き気や腹痛
痛みはあるが、下痢は見られないことが多い。
顔から体の発疹
発疹が出る。
舌の発疹
赤いブツブツができる。
リンパ節の腫れ
首のリンパ節が腫れる。
※注意
最初に発症してから2〜4週後にむくみや血尿が見られたら、すぐに受診を!
「溶連菌感染症」の基本治療
医師の指示に従って決められた期間は薬を服用する
細菌感染による病気なので、病院で処方された抗菌薬で治療する必要があります。薬の種類に応じて、5〜10日間服用するのが基本です。症状が治まっても、自己判断で薬をやめてはいけません。合併症を予防するためと、短期間で治療を打ち切ると菌が再燃する可能性があるためです。抗菌薬を飲み始めてから24時間以上たち、熱やのどの痛みなどの症状が治まっていれば、登園することができます。
「溶連菌感染症」予防のために家庭でできること
手洗いとうがいをこまめに行う
溶連菌は、風邪などのウイルスと同様、せきやくしゃみなどの際に飛び散るだ液などによって、 人から人へうつります。だ液などに触れた手を介して感染することも多いので、日ごろから手洗いとうがいをしっかり行います。ごくまれに、正しく治療をしても急性腎炎を起こすことがあります。最初に発症してから2〜4週間たったころ、むくみや血尿などが見られたら、すぐに受診するようにしましょう。
記事監修
総合母子保健センター 愛育クリニック 小児科・母子保健科部長
小児科専門医、アレルギー専門医。東京大学医学部卒業。東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。4人の女の子の母でもある。
出典/『新 幼児と保育』 文/野口久美子 再構成/HugKum編集部