【教えて!保育士さん】シリーズ第6弾「子ども同士のトラブル」
HugKumでは【教えて!保育士さん】シリーズとして『保育士座談会』の様子を連載でお届けしています。 子育て中のみなさんへ、保育のプロである現役保育士さんのリアルな声をお伝えしていきます。
6回目のテーマは「子ども同士のトラブル」です。成長の過程で避けて通れないお友だちとのトラブル。保育園ではどのように対応しているのでしょうか。また、兄弟喧嘩にも活かしたい予防策は? など、保育士さん達にお聞きしました。
【お話を伺った先生】
子ども同士のトラブル① 先生方の対応は?
筆者:お友だちを噛む、叩くといったトラブルの際、先生方はどのような対応をしていますか?
両方へのフォローが大切
田中先生:乳児さんのかみつきはよくありますね。噛まれた子だけでなく、噛んだ子のフォローが大事です。まずは、噛まれた子の応急処置をします。
その後に噛んでしまった子と落ち着いて話せる場所へ移動して「何がイヤだったのかな?」と話を聞きます。
おもちゃを取られたという場合もあれば、好きだけど言葉にならなくて、噛んだりつねったりすることもあります。
噛み癖などに対する予防も
筆者:次に噛まないように、どんな教え方をしていますか?
乳幼児さんの場合
島田先生:0~1歳クラスでは、先生が噛まれた子の言葉を代弁して「いたい!」と言っています。噛まれたら痛いし、やってはいけないということを、先生の表情や声から伝わるように表現しています。
また、長く説明すると分からなくなってしまうので、なるべく短い言葉、“いけない”という手のポーズ、表情などで伝えています。
佐藤先生:お話ができない年齢のお子さんには、ボディランゲージで「貸して」や「ちょうだい」を教えることで、手を出さずに済むよう導いています。
幼児さんの場合
田中先生:痕が残っていれば見せ「痛い痛いになっちゃったね」とイメージをしてもらいます。最終的には「ごめんね」ができると良いのですが、できなければ傷跡をさすってあげたり、相手の子を頭を撫でていい子いい子をしてあげたりできるよう、促しています。
脇山先生:お話ができる幼児さんも、気持ちを表現できない部分で手が出ることがあります。乳児さんとは違い何かしら理由があるので、落ち着いた場所で、なぜやってしまったのかを聞きます。
「そっか、それがイヤだったんだね」と受け止め、そこで終わらせずに「じゃあ、どうすればよかったかな?」と考えさせます。こちらが答えを言ってしまうのは簡単ですが、考えさせることで、また同じ様な場面になった時に経験として生かすことができます。
筆者:場所を変えることは重要ですか?
脇山先生:保育園では、保育室で話すと周りの音が入ってきてしまいますし、友達の前で正直に話せない子もいます。ご家庭でも、部屋を変えることで気持ちを話しやすくなるかもしれませんね。
次のページでは「いじめ」的なトラブルへの対処法をお話いただきます。