木村 昴さんが小学1年生だったころ
第一線で活躍する人たちは、どんな〝小学1年生〟時代を過ごしてきたのだろうか?当時、なりたかったもの、夢中だったものとは?
小学1年生のときにドイツから日本に移住してきました
木村さん(以下敬称略):小学一年生というと、ちょうどドイツから日本に移住してきたタイミングです。公立の小学校に入学したはいいものの、当時の僕は日本語がまったく話せない状態。もちろん、クラスの友だちとも上手にコミュニケーションが取れずにいました。そんな僕の本語修得の助けとなったのが、『ドラえもん』なんです。
その後、ジャイアンの声を担当することになるので、ほんと不思議な出会いだなぁと思います。僕の家にはテレビがなかったので、友達が録画したアニメを見せてもらったり、児童館に置いてあった漫画を読みながら少しずつ日本語を覚えていきました。
とにかく夢の多い少年でした
木村:パイロット、大道芸人、ラッパー…なりたかった職業は数えきれません(笑)。どれもマイブーム的にハマり、高みを目指すのですが、挫折もかなり早かった。
漫画家を目指していたときもあって、桃の形をしたネズミ〝もちゅー〟や、脚立に目が生えた〝きゃたつむり〟などいろいろなキャラを生み出したりも。マジックにハマっていたときは、マジックキッズとしてテレビに出演したこともあるんです。小学校の卒業文集には〝芸人になりたい〟高校の卒業文集には〝ビッグになる〟と書いていたはずです。
不思議なもので声優という職業は目指したことがないんです。ひょんなことで授かった〝贈り物〟のようなもの。マイブーム的にハマる夢とはまた少し違った感覚です。なので諦めたくない、長く続けたいという気持ちが強いんです。
やるじゃん! 子どものころの俺!
木村:この仕事をしていて思うことは、〝パイロットになりたかった俺〟や〝大道芸人になりたかった俺〟など、子どものころの経験が大人になりすべて生きているということ。「やるじゃん!子どものころの俺!」「VIVA!俺!」ってあのころの自分に言ってあげたいですね。
最近は声優も人気の職業になってきたので、「声優になりたい」という人もすごく増えています。「どうしたらなれますか?」と聞かれることも多いですが、声優になれる方法は僕にもわかりません。今でこそ、いろいろとやり方はあると思うので、自分なりのやり方で目指すのがいいと思います。
普通の〝好き〟を超えたときの気持ちを大事にしてほしい
木村:ただひとつ言えるのは、普通の〝好き〟を超えたとき、例えば「アニメを観るのが好き」から「自分で作りたい」とステージが変わるあの瞬間の気持ちは大事にしてほしい。
あとは、親の応援も大切だと思います。母はいつもこう言って僕の背中を押してくれました。「次はどんなことでお母さんを楽しませてくれるの?」と。実はこの言葉が僕を突き動かしてくれていたんだと思います。
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声優・
木村昴
1990年生まれ、ドイツ出身/15歳で『ドラえもん』ジャイアン(剛田武)役で声優デビュー。その後、『ハイキュー!!』天童覚役や『ヒプノシスマイク』山田一郎役など数多くの人気キャラクターを担当。声優の活動のほか、ナレーター、舞台俳優や楽曲の作詞作曲など音楽活動の場でも活躍中。
出典/『小学一年生』2021年5・6月号 別冊HugKum 撮影/深山のりゆき