深田恭子主演の人気ドラマを映画化した『劇場版 ルパンの娘』が、来週10月15日(金)より公開となります。ドラマは2019年に放送されて好評を博し、主要キャストが続投するドラマ第2弾も話題を呼びました。遂に公開となる『劇場版 ルパンの娘』は、家族愛、アクションから狙うお宝まで、すべてがスケールアップし、笑いあり涙ありのエンタメ要素全部のせ映画に仕上がりました!
なんといってもメガホンをとったのが、『翔んで埼玉』(19)の武内英樹監督ですから、振り切り具合が違います。「ここまでやる!?」と爆笑必至のシーンが連打されつつも、まさかの感涙映画に!武内監督はドラマ版から手掛けてきただけに、劇場版はその思いの丈を詰め込んだ、愛のある力作となりました。
代々泥棒一家“Lの一族”の娘・三雲華(深田恭子)と、代々警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史)が禁断の恋に落ちるという「ロミオとジュリエット」の構図をとってきた同シリーズ。2人は結ばれ、娘の杏(小畑乃々)も産まれて、幸せな生活を送っているだけに、華は普通の生活を心から望んでいます。そんなある日“Lの一族”の父・尊(渡部篤郎)がなんと突然「泥棒引退」を宣言。これまで迷惑をかけてきた華と和馬に、遅めの新婚旅行をプレゼントするというのです。ところがその目的は、異国の地「ディーベンブルク王国」に眠る史上最大のお宝を手に入れることでした!
深田さんや瀬戸さん、橋本環奈をはじめドラマ版の豪華キャストが続投しつつ、物語のキーマンとなる人物、死んだはずのもう一人のLの一族・三雲玲役を、観月ありさが熱演!オールスターキャストが、最後の大花火をぶちあげます。
Lの一族に秘められた家族の謎が初めて明かされる!
シリーズを通して、様々なパロディを散りばめ、とことん笑いをとってきた『ルパンの娘』シリーズ。劇場版でも、名作へのオマージュが炸裂していますが、特に印象的だったのが、古典「ロミオとジュリエット」、『ジョーカー』(19)、韓流ドラマ「愛の不時着」に捧げたオマージュのシーンです。いずれもネタバレは避けたいので、チラッとご紹介。
「ロミオとジュリエット」は、ロミオとジュリエットのやりとりのなかでもメジャーな名台詞が登場。まさにシリーズの大きな軸でもある作品なので、ここぞという場面で出したのではないかと。そこを上手く汲み取った脚本に「あっぱれ!」をあげたいです。
また、ホアキン・フェニックスが演じたジョーカーさながらの白塗りメイクをした恐ろしいヒールにも注目。白熱の演技が、本作の人間ドラマに深みを与えていきますのでぜひご注目を。
そして、韓流ドラマ「愛の不時着」は、パラグライダーをつけた悦子(小沢真珠)をキャッチする尊という名シーンが!いつもながら小沢さんのディープな美魔女ぶりが秀逸で、悦子と尊の愛は永遠に不滅だなとうなずいてしまいます。
そのほか、ドラマから引き継いだミュージカルシーンもパワーアップ。特に大貫勇輔扮する円城寺輝輝が神出鬼没に現れ、鉄板の笑いをとっていきますのでお楽しみに!
怒涛の展開で描かれる親子愛の物語に涙!
映画ならではのSF的かつ冒険譚的な要素もふんだんに入れられた本作(そこもパロディがてんこもり)。一体どうなってしまうのか?とドキドキハラハラの展開となりますが、最終的には、華も知らなかったLの一族の秘密が明かされることになります。
テンポ感抜群で、笑いながら観ていく本作。繰り返しますが、終盤で油断していると、まさかの涙腺攻撃を受けます!そこで深堀りされるのが、家族の絆です。ここはもちろんネタバレ厳禁なのですが、途中でハンカチ必携といえる感動の秘話が明かされていきます。きっとファミリーで観ると、より一層心をつかまれる内容になっているのではないかと。
緊急事態宣言が明けましたが、もちろんまだまだ感染防止対策では気を抜けません。ただ、家族のレジャーとしての映画鑑賞は、きっと心のパワーチャージにつながると思います。そういう意味で本作は、家族で観るにはうってつけの映画に仕上がっていますので、ぜひご覧ください!
監督:武内英樹 原作:原作:横関 大『ルパンの娘』『ホームズの娘』『ルパンの帰還』(講談社文庫刊)
出演:深田恭子、瀬戸康史、橋本環奈、小沢真珠、栗原類、どんぐり(竹原芳子)、藤岡弘、、大貫勇輔、小畑乃々、マルシア、信太昌之、我修院達也、麿赤兒、渡部篤郎…ほか
公式HP: lupin-no-musume-movie.com/
文/山崎伸子
©横関大/講談社 ©2021「劇場版 ルパンの娘」製作委員会