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スポーツをする子どものママの多くが「パパの子どもへの声かけ」に悩んでいる?
今回お話を聞かせてくれたのは、こちらの3名のママです。
Aさん:小3の兄はサッカー、年長の弟はスイミング
Bさん:小5の姉はバスケ、小2の弟はサッカー
Cさん:小5・小3の兄弟ともにサッカー
−みなさん、コロナ禍で練習はできていますか?
Bさん 緊急事態宣言中は学校のグラウンドや体育館の使用はできず、民間のサッカースクールの活動だけでしたね。10月に宣言が開けてからは通常通りに練習ができるようになりました。
Aさん うちも同じ感じです!
Cさん 週末はいつもサッカーが当たり前だったから、いざサッカーの練習や試合がなくなると、子どもたちも親も何をしたらいいやら、という状況でした(笑)。再開してホッとしています。
ー今日は、パパと子どものスポーツでの関わりについて、お話を聞かせてください。
子どもがパパの顔色を伺うようになってしまう…
−パパがチームのコーチをしているご家庭は?
Bさん はい。うちはパパが小2の息子のサッカーチームのコーチです。5人のコーチがいるんですが、全員がサッカー経験者のパパコーチ。平等に指導しているつもりでも、自分の子にはキツく言ってしまうようで、息子にはめちゃくちゃ厳しいですよ。「練習態度がなっていない!」とグラウンドから放り出されたこともあって、ママたちの間では「またやってるね〜」という感じです。
Cさん ミスも叱ったりする?
Bさん ほとんどは話を聞く態度やチームメイトに対する接し方かな。息子も気持ちにムラがあるので。教えたことができないと怒られていることもあります。このチーム以外に、平日にスクールにも通っていて、パパがいないスクールの方がのびのび練習してるのがわかるんです。土日はパパをチラっと見て、顔色を伺いながらプレーしてますから…。
Aさん パパの期待が大きすぎるのかな。ママは見ていて辛くない?
Bさん ちょっとキツすぎる場面は見ていて辛いけど、パパコーチが5人いるのが幸い。他のコーチが「○○のこの部分はよかったよ!」とかフォローしてくれるんです。そのおかげで、子どものメンタルは保たれていますね。
パパの子どもへの接し方に喝!
ーお子さんへのパパの声かけはどうですか?
Cさん うちはコーチではないけど、パパが審判の資格を取ってチームをサポートしています。パパもサッカーを小学校から大学までやっていたから、技術的なアドバイスは子どもにもプラスになっているみたい。
一方で、私が気になるのは叱り方です。たとえば、家での生活態度がだらしないのを注意するときに、「こんなことだからあの試合のあのときも〜」と、関係ない場面でサッカーの小言を持ち出してくるんですよ…。生活態度を注意しているのに、サッカーの攻め方まで話が広がってしまったら、子どもも「なんでそこまで?」って思いますよね。切り分けて伝えてほしい!
Bさん 結局サッカーで怒られたみたいな…。生活態度の話だったのに(笑)
Aさん うちもパパの声かけには物申したいところがあって、ちょっとした夫婦ゲンカになったこともあります。その日はサッカーの試合で息子がキーパーをやって、相手のゴールをけっこう防げたんです。息子はパパにそのことを褒めてもらえると思っていたみたい。ところが、帰りの車の中では別のダメ出しが延々と始まって、よかった部分については完全にスルー。息子は「今日は褒めてもらえると思ってたのに…」って凹んでました。まずは認めてあげてほしかったですね。どう思います?
Cさん パパは急に口出してきて、扱いがわかってないなーと思うことありますよ!ママは今まで子どもと過ごしてきた中で子どもの性格をよくわかってるから、こういう言い方するといいかな、とか引き出しがたくさんあります。我が家は夫と私では子どもと過ごす時間に差もあるから、パパが子育てのキャリアが浅いのは仕方ないんですけどね。
Bさん パパってその場では我が子をなかなか褒めないですよね…。できたときは「うん」みたいな(笑)。
Cさん ああ、たしかに。わかる人同士の会話でその場はさらっと済ませてる気はしますね。
Bさん うちはグラウンドではパパがなかなか褒めてくれないものの、その分、他のコーチに褒めてもらってますね。でも自宅で練習試合や大会の動画を息子と見ている時は冷静になっているからか、「ここのプレーめちゃくちゃよかったよ!」「ここでこの動きをできるのはすごい」と練習中よりもよく褒めています。さらに息子が寝たあとも、熱心にパパ一人で飽きずに動画を延々見ていたり。
一同 熱心!そこまでできる情熱もすごい!
それでもパパには関わってほしいポジティブな意見もいっぱい
ーパパの接し方に不満があっても、関わりは続けてほしいですか?
Bさん そうですね。一緒にやっていい点は、父子の会話がすごく増えたこと。それから最近では、「うまくなったらその分だけもっとサッカー楽しくなるから!」とパパに繰り返し言われた言葉を、元気のないお友達に伝えて励ましていたよと他のママから聞きました。厳しくされてもパパの教えを自分なりに理解して成長している姿を見ると、これからもサポートはしてほしいですね。
夫は自分の子ども時代に両親が忙しくて一緒にサッカーをやったり練習を見てもらえることも少なかったみたいで、自分は父親になったら一緒にやってやりたいという気持ちがあったようです。
Aさん お姉ちゃんのバスケにもパパは関わっているんですか?
Bさん お姉ちゃんのバスケは親ではない監督とコーチがいるのもあって、パパはお姉ちゃんには練習を強制しないんですよ。うるさく言う人がいないお姉ちゃんの方が、朝早く起きて自主練をしたり、言われなくても自分で取り組んでいますね。どのくらい関わるのが正解なのかは、難しいところです。
Cさん パパの接し方に不満があっても、人を変えるのは難しくないですか。だから私は自分の対処法を変えるようにしています。子どもには過剰なストレスを与えないようにフォローを入れて、夫には「その言い方だと子どもはイヤになるだけだから○○にしてみたら?」と伝えてみたり。伝え方がきついからと言って思いが伝わらないのはもったいないので、家族をチームと捉えて、自分はそのときに必要なサポートに入るようにしようかなと。
Aさん たしかに、そうですね。パパはスポーツになると、我が子を自分の分身のように思ってしまう面がありますよね。だからこそ少し冷静に、パパも子どもと接しながら、声かけや態度をより良い形にアップデートしてくれたら、なおいいと思います。子どもは認めてあげたらやる気やモチベーションが上がるんだから。まずはここをおさえてほしいですね。
−みなさん、エピソードありがとうございました。
どれもリアルな親子の様子が伝わってくるエピソードばかり。パパは(ときにはママも)、子どものスポーツやその他の活動でも一生懸命になるあまり、厳しくしすぎてしまい子どもがやる気をなくしてしまうということはよく起こります。子どもに合わせた声かけや接し方を親も学び、アップデートしていく必要がありそうですね。
「親のベストなサポートとNG行為」についてアスリート育成の専門家に取材した記事もぜひチェックしてみてください!
文・構成/HugKum編集部